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京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第13回(吉田典生)

私たちは、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。

2020年で京都自死・自殺相談センターSottoは設立10年目を迎えます。
10周年という節目にあたって、Sottoを様々な形で支えてくださってきた理事の方にリレー形式で、Sottoへの想いをコラムにしていただくという企画をスタートしました。
一口に理事と言っても、お一人お一人様々な背景を持ち他団体で活躍されている方も多いので、多様な視点からSottoという団体について改めて浮き彫りにしていただければと思います!
前回はコチラ→京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第12回

第13回 理事 吉田典生

私自身の Sotto との関わりの始まりは、10 年より少し前になります。当時はブログや mixi が流行していた頃で、ネット上で自分の生き苦しさを訴える方、自傷を繰り返してしまうという告白に対して、どう応えれば良いのかそもそも死にたい気持ちを無くせないのか、そういった疑問を抱えていました。その時に、新聞記事で見かけた大阪自殺防止センターの養成講座に参加して Sotto 代表の竹本さん、理事の野呂さんと出会ったのです。当時西本願寺の研究員であった両氏は、この頃すでに研究者として調査や報告は終えていて、実際の活動を始める準備として、理念や関わり方を学び、ロールプレイとその振り返りの体得を目指していたように思います。

私はその後現在に至るまで大阪の自殺防止センターで支援ボランティアを続けているのですが、2010 年の 2 月に開催された、大阪大学の総長であった鷲田先生のシンポジウム・フォーラム・東京自殺防止センターによるワークショップにお誘い頂いた事で、京都での具体的な活動に関わり始めました。結局自殺防止センターの研修手法は学びつつも、自死・自殺相談センターとして在るために独自の研修を整える事になるのですが、この頃に竹本さんがフォーラムの登壇者として、一人二役でロールプレイの様子を披露した事がありました。他の登壇者に促されて引き受けられたのですが、本来ロールプレイは複数人でする物ですので、一人で再現するのはもかえって本質から遠ざかるのでは?と疑問を抱きつつも、何とか皆んなに伝えようとする姿勢に心動かされたのを覚えています。


また電話相談を始めて直ぐに、NPO 法人化を進めました。この際に理事長を引き受けて下さった奈良女子大名誉教授の清水先生には、活動を続ける事の大切さ、難しさと共に、個人の心身の健康に留意するよういつも優しい言葉で説かれていたのを思い出します。「自死・自殺にまつわる様々な苦悩を抱える方々の心の居場所をつくる」という活動理念に納得できている事もありますが、改めて 10 年を振り返れば、活動を通して出会った人たちの思いの温かさに勇気を貰う事で、これまで Sotto に関わって来れたのだと思うばかりです。Sotto がこれからも求められる方々に向き合いつつ、5 年、10 年と月日を重ねられるよう、微力ながら頂いたものをお返しできればと思います。

最後になり恐縮ですが、この 10 年団体として活動を続けて来れたのは、ボランティアや相談員として、或いは設立時から寄付や場所の提供など様々な形で、私たちの活動を応援し支えて下さる皆さまの暖かな思いの賜物です。いつもありがとうございます。

次回はコチラ→京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第14回


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