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一大フォトスポットの建仁寺

京都は祇園の花見小路を抜け、突き当たったところに、建仁寺があります。

繁華街の中にあり、アクセスがとても良いお寺になります。

鎌倉時代に、栄西により建てられた、京都最古の禅宗のお寺となります。

繁華街の一等地なのに、寺院の中に多くの塔頭が立ち並び、そのの敷地はかなり広大となっています。

実は、元々はお寺が先にあって、後からお寺の一部に繁華街が出来たそう。


繁華街ということで、グルメやショッピングも楽しい街なのですが、修学旅行生には、意外とそんなに人気は無くて、私は一度しか案内をしていないのです。

たまたまかなとも思いつつ、限られたお小遣いに、買い食いできず、時間制限もある中学生には、そんなに魅力には感じないのかもしれないですね。


でも、京都らしい写真を撮りたい人には、かなりおすすめな場所となります。


京都の寺院は、撮影が出来ないところが多いのですが、この建仁寺では、方丈や法堂の中も、写真が撮り放題なのです。


私も、初めて見た時は驚きました。

着物姿の外国人が多くて、方丈内のあちらこちらをバックにして、撮影会が繰り広げられていたのです。


お寺でこんなの良いのかな。。。と思いますが、遠くから来られた方々には、かなり思い出に残る写真になることは間違いなしですよね。

お寺の方針が、おおらかなんだろうな、と思った次第です。


建仁寺と言えば、有名なのは、俵屋宗達の「風神雷神図屛風」。

方丈を入ってすぐのところに展示されています。

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こんな感じで写真を撮らせてもらえるのも、こちらが複製画だからなのです。

因みに、風神雷神図は、三十三間堂の回の時に、元は三十三間堂の風神雷神像をモデルにかかれたという説明をさせて頂いたのですが、建仁寺と三十三間堂は距離も近いので、併せて見に行かれると、趣深いと思います。


また、海北友松の「雲龍図」の襖絵も、間近で見ることが出来、全て写真を撮ることが出来ます。(一部不可もあったかもしれません。。。)

(そして写真がなくてすみません。。。)


これらもすべて、複製画となります。

建仁寺の複製は、最新のデジタル複製画で作られていて、本当に美しい絵になります。


どこの文化財でもそうですが、貴重なものを残すためには、温度や光が管理された中でないと、あっという間に色が失われて、傷んでしまいます。

もちろんこれまでにも充分傷んでいるものを、今後、出来るだけその状態を保てるように、殆どが倉庫の中で管理しています。


で、空いたスペースに、二条城のように手書きされた複製画を置いたり、建仁寺のようにデジタル複製画を置いたり、中には現代作家の作品を置いている寺院などもあります。

今は新しい作品も、これから、100年200年後に残っていく作品となるのだと思います。


悠久の歴史を感じながら拝観すると、また違った発見があるのではと思います。


そして、そんな現代作家の作品が、建仁寺の法堂の中にあります。

方丈から、渡り廊下を通って行くことが出来る法堂は、仏殿と講堂を兼ね備えた建物となっており、御本尊に釈迦如来坐像が安置されています。

創建800年となるこの法堂は、2002年にその記念として、天井に「小泉淳作画伯」により、新しく双龍の絵が描かれました。

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こちらは本物ですが、このように写真を撮らせてもらえるのです。



また、建仁寺の方丈は、絵だけでなく、庭も有名です。

修学旅行生がくつろいでいる姿の向こうに見えるのは、枯山水の庭「大雄苑」。

お寺の庭を眺めなていると、やはり、心穏やかになるのか、一日を振り返る姿が、とても微笑ましく思いました。(たぶん歩き疲れてぐったりしていたのだと思いますが。。。)

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中庭にあるのが「潮音庭(ちょうおんてい)」、こちらは、正方形の庭で、360度、様々な角度から見ることが出来ます。

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そして不思議な名前の「〇△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)」

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単純な三つの図形は、宇宙の根源的な形態を表し、密教の六大思想(地水火風空識)を、地(□)、水(○)、火(△)で象徴したものとか。井戸が□、苔が〇、手前の砂利が△とか。


そんなお寺の悟りの世界から、また、一歩出ると、祇園の街の華やかな世界に戻るのです。

そのギャップが、ある意味、魅力かもしれませんね。






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