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【オフィスツアーPart.2】noteを通して京都企業11社を回る

こんにちは!京都市わかもの就職支援センターです。前回に引き続き、2022年8月2日に京都芸術大学と行ったオフィスツアーの様子をご紹介します。

オフィスツアーとは?

京都市わかもの就職支援センターが行っているこの「オフィスツアー」。ここでは、普段就活ナビサイトで企業の情報を収集しているだけでは得られない「リアル」な企業の姿を見ることが出来ます。オフィスツアーに参加することにより、仕事の魅力や働くことへの理解を深められ、今後の就職活動や自身のキャリアデザインについて考え行動につなげることが可能になります。

そして今回は「京都芸術大学」の学生さんとオフィスツアーで回った様子を、オンラインで読者の皆さまにレポート!そして今回は「Part2」をお届けします。早速オフィスツアーに行ってみましょう!

先に読んでおきたい!Part1はこちらから

4社目 株式会社弘誠堂(こうせいどう)

『良い作品を後世に残す「京表具」』
初代(故)田中武夫は、戦後、京都で本格的な表具の技術を学ぶために上洛し、文化財の修復を手掛ける工房で修行を積み、その後京都市で1953年(昭和28年)独立し、数多くの修理修復を手掛けてきました。お客様の作品に対する想いを大切にし、時には作品保護のアドバイスも行い、良い状態で表具を後世に残すことを心掛け、100年後の表具作業への架け橋となっています。

14:25 ちょっと駆け足で移動して、お次は弘誠堂さんを訪問。奥から出てきて下さったのは優しい人柄がにじみ出る表具師の田中さん。

「何から話せばえぇやろか」そう言って、学生に業界の事を説明してくださいました。

「ちょっとついておいで!」と2階の仕事場へ移動。

修繕作業の様子を実際に見せて頂きました。

刷毛の持ち方ひとつで玄人か素人か分かる。古い刷毛をすぐに捨ててしまう人もいるが、長く使っているモノだからこそ適した道具になることもあると教えて頂きました。

田中さんからは幼い頃からお父さんの仕事を手伝われていたということで、この道で長く活躍されていますが、学生時代は音楽のことばかり考えていたというエピソードも。

わかせん担当者の心に残った言葉▼
「伝承は引き継いでいけるものだけど、伝統は振り返ったら出来上がっていくもの」

参加学生の声▼
・凄く伝統のある会社だなと思った。新しい取り組みにも挑戦されていて、日本の伝統を海外にも発信されている印象だった。
・仕事内容を見せてもらったときに、自分たちが学科でやっていることが職場でどのように行われているのかを見ることが出来て良かった。また、実際に民間を相手にした仕事がどうなのかの話を聞けたのもとても参考になった。


5社目 株式会社土田人形(つちだにんぎょう)

『伝統的な陶磁器人形から、香りの小物まで』
デザインから原型・型取り・生地・素焼・彩色・本焼と、全て一貫生産で作っている陶磁器人形(京陶人形)の窯元です。人形・節句物・縁起物など、飾って楽しんでいただく物から、根付・ストラップなど身に付けていただく物まで、環境にやさしい「土」で作られたオリジナル商品を幅広く、企画・生産しています。

14:30 土田人形さんに到着。ツアーではほとんどの時間工房の見学をさせて頂きました。

まずは原型製作の様子を見学。実際に製作されている段階の人形や道具を触らせていただきました。

石膏を使った型取り、素地制作や着彩の様子まで見ることができ、どういう流れで人形が出来上がっていくのかがよく理解できる時間に

なんとかわいいウサギさん。

京陶人形ときくとあまり馴染みがありませんが、アロマネックレスなど伝統と現代のニーズを合わせながら商品を作ったり、クライアントのニーズに応えられていました

アロマネックレスは学生さんの反応良し!

わかせん担当者の心に残った言葉▼
「自分の学びと通じるところがあってとても充実した時間になった(陶芸を学ぶコースの学生さん)」

参加学生の声▼
・the職人という印象だった。高い技術を継続的に行わなければならない仕事は非常に神経を使うと思う。だからか仕事場に入らせていただいた際の集中している空気感に圧倒されていた。
・元の型を作るのに一つ一つ手作業で作られていて、絵付まで人の手で作られていたこと。また、型を作るのに、グラウンドで白線を引くのに用いられている白い粉を使い作られているのが驚きだった。あんなに固まるとは…。
また最後に来年の干支のウサギの人形を下さり嬉しく、有り難かったです。

京のまち企業訪問でのご紹介ページ▼
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=3414

6社目 岡山工芸株式会社(おかやまこうげい)

『手描き京友禅の職人集団』
当社には、日本で初めての手描友禅・女性伝統工芸士であり、史上初の女性友禅師「京都府伝統産業優秀技術者・京の名工」として授章された岡山武子先生をはじめ、手描友禅のスペシャリストである伝統工芸士が3名も在籍しています。そのスペシャリストたちの技に憧れ、明日の伝統工芸士を夢見る人たちが集う工房です。

14:30 岡山工芸株式会社前へ到着。ツアーは、企業・業界説明→社屋見学→質疑応答の流れで行われました。

まずは代表取締役社長の岡山摩紀さんより、京友禅が出来上がるまでの工程を実際の着物のサンプルを用いてお話いただきました。

友禅染はいくつもの染料を使い採色(反物への色付け)が行われます。採色の際、隣同士の色が混ざらないよう着物の下書きラインに従い「糊糸目※」という淵書きをします。これは糊が染料の堰き止めの役割を果たし染料同士の混じり合いを防ぎます。1つ1つの絵柄が目立つと、色鮮やかな着物に仕上がります。

※糊糸目:友禅染のときに用いる防染方法の糸目糊で描いた線のこと

続いて実際に職人の皆様が糊糸目や採色をされている様子を見学しました。
手慣れた様子で躊躇なく作業をされていましたが、そうなるまでには大変な期間と努力を要するとのことです。

友禅染の製造工程は全部で「7工程」。工程ごとに非常に高い技術が必要となるため、専門の職人が分業制で担当しています。出来上がった着物は職人の皆様の技術と努力の結晶です。

※友禅染の7工程:①下絵 ②糊置 ③地染め ④彩色 ⑤蒸し ⑥水元 ⑦金彩

友禅染に使用される絵の具の色は、色見本というものから選定されます。この色見本の色の種類は、なんと約10万色!! もちろん同じ色は1つもありません! 色を塗る前には作った色が色見本と合っているかにらめっこをし、慎重に検討した後、塗る工程へと移ります。

また糊糸目や採色の工程はちょっとした「風」の影響も受けるため、空調も最小限にして作業を行っているとのことでした。職人の真剣な眼差しに緊張感を抱きながら見学をしました。

京友禅の生産のピークは1960年代後半。この時期の生産量を100%とすると、現在は2%台まで低下しているそうです。「生産量が減ってもこの日本の伝統を絶やしてはならない」という強い信念のもと、企業と職人が一丸となって努力されている姿には頭が下がりました。

参加学生の声▼
・シビアな世界ながらも真摯にとりくむ姿が印象的でした。だから教えてほしいという人が尽きないのだと思います。
・ハッキリと「この業界は厳しい世界ですし、売上も昔ほどは出ていません」と仰られていたのが印象的だった。毎日反物の柄を制作していることや、職人さんのお仕事を歩合制にすることで、その人にあった働き方・仕事量でお給料が貰えることなど、売上が厳しいという現状に囚われず昔ながらを貫くところは貫いている姿勢は素晴らしいなと感じた。

京のまち企業訪問でのご紹介ページ▼
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=9032

いかがでしたか?
引き続き、オフィスツアーPart3の様子もお楽しみください!

Part3はこちら

[参加企業](五十音順)

岩本繊維株式会社
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=22819
うね乃株式会社
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=47
岡山工芸株式会社
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=9032
株式会社学芸出版社
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=25570
株式会社弘誠堂
シュンビン株式会社
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=23689
株式会社松栄堂
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=108
株式会社土田人形
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=3414
株式会社デザインハウス風
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=20291
株式会社西川紙業
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=3697
株式会社西川貞三郎商店
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=21060

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