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印材に求められる3つの条件

こんにちは。
『ちゃんと作る京都のはんこ屋さん』
京都光林堂です。

ハンコにまつわる粋な情報をあなたに。
この記事を読めば、あなたもハンコ通。
プロから一目置かれるお客様。

今回のテーマは【いい印材とは】です。

いい印材とは

『いい印材』とはなんでしょうか。同じ名前で売られている印材にも質の違いはありますが、購入前に判断するのは難しいです。ただ…あまりに安いものは…やっぱり安い理由があると思います。
さて、今回は、印材の質ではなく種類からいい印材について考えましょう。

印材に求められる性質は、まず
①割れない
②歪まない
③熱に強い

この三点セットです。

要は、丈夫で万一に備えられること。ダメージを与えられても、同じ印影をキープできることが大切です。その性能が高い印材ほど、高価なハンコになる傾向があります。

例えば金属系で人気のチタン。固くて熱にも強い。反面、加工するには高い技術が必要になります。完全に機械での彫刻になりますから、デザインの段階でしっかりオリジナルな印鑑になるように調整しなければいけません。
手彫り?絶対無理です。

その他の生物系(黒水牛などの角・木材)は、硬さはいろいろですが、火事などには弱いです。柘植《つげ》など木材そのままのものは、衝撃で周囲のフチ部分が欠けたりすることもあります。その分、加工もしやすく安価にハンコを製作できるのが強みです。

最終的にはご予算次第ですが、三文判やあまり使わない銀行印などは、お手頃価格で。実印は、しっかり丈夫なもので。というのも一つの考え方かもしれません。オールマイティな印材でそろえるのも良いでしょう。

簡単に壊れる安物を買い替えながら使うか、丈夫で高価な物を長年使い続けるか。実印や銀行印については、印鑑登録変更の手間も考えると、一つは長く使える「ちゃんとしたハンコ」を持つことをオススメします。

あと、「捺し心地」「朱肉が付きやすい」といった点も評価の一つとしてはあるのですが……そもそも朱肉はものすごい種類がある事。「捺し心地」に至っては非常に主観的な評価軸ですので、今回はあえて外しました。
実は、象牙などは、壊れにくさ・加工のしやすさに加えて、この辺りの評価も非常に良く、印材そのものの希少性とあわせて高額な印鑑としての地位を確立しています。

まとめ
・ダメージに強いのが良い印材
・強い印材はそれだけ加工が難しい

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