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Wise は本当にオトク?銀行と比較してみた(2021年版)

TranserWise は 2021年2月頃にサービスの名称が Wise に変わりました。この記事はその直前に書いたため名称が TransferWise のまま残っている場合がありますが、適宜読み替えてください。内容はほとんど変わっていないはずです!

TransferWise は銀行などに比べて安い手数料で外国送金が出来ると言われています。本当にオトクなのか銀行と比較してみました。

特に、ここでは私の日本でのメインバンクである三菱UFJ銀行と比較してみます。

基本的な話

その前に基本的な話ですが――

異なる通貨を交換することを外国為替といい、通貨の交換比率を為替レートといいます。為替レートは市場で決定され、時間で変動します。例えば、Google で「ユーロ円」と検索するとおおよそ直近で1ユーロが何円で交換されているかを知ることができます。

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日本と EU 内の銀行口座間で送金するとき、この為替レートで換算した金額のままを送金先の口座で受け取ることはまず出来ません。普通は為替レートで計算したときより少ない額面が送金先の口座に振り込まれます。

その理由は送金する際に手数料が発生するからですが、多くの銀行は二つの手数料を要求します。送金手数料為替手数料の二つです。この二つの手数料が送金額から引かれます。

TransferWise の手数料は送金額で変動します。送金額が増えるほど手数料は増えます。銀行の為替手数料のような1通貨単位あたり固定額の手数料はありません。そのため、TransferWise は為替手数料は無くその時点での為替レートをそのまま採用していると説明しています。詳しい説明はこちらにあります。いずれにせよ、その変動する手数料自体が安いのが特徴です。

10万円の外国送金を例に比較してみよう

――それでは実際に比較してみましょう。

10万円を三菱UFJ銀行と TransferWise で日本から海外の銀行口座にユーロで送金する場合を比較してみましょう。

以下の手数料や為替レートは全てこの記事を書いた2020年8月27日時点のものです。

三菱UFJ銀行はインターネット・バンキングの「三菱UFJダイレクト」を使うと、海外の他行宛の送金手数料が3,000円です(※1)。また、為替手数料は1ユーロあたり25銭となっています。調べた時点でのユーロ円の為替レートは125.57円だったので、三菱UFJ銀行を通すと1ユーロを手に入れるのに必要な円は為替手数料を足して125.82円となります。

それに対して TransferWise の手数料は送金額で変動すると前に述べました。為替手数料は無いのでその時の為替レートがそのまま反映されます。どのような計算式で手数料が算出されるかはわからないのですが、手数料はこちらの入力フォームで計算できます。10万円をユーロで EU の銀行口座に送金する合計額は 686 円でした。

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送金額を1,000円から50万円まで変えてみると固定手数料は50円で変動手数料は送金額

さて、以上を元に計算してみましょう。

10万円の外国送金について、ユーロとして送り先に入金される額は三菱UFJダイレクトでは 770.94 €、TransferWise では 791.38€ です。その差 20€(2510円)TransferWise の方がお得ということが分かりました。

他の金額でも比較して表にしてみました。

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三菱UFJ銀行側の 3,000 円という送信手数料が大きいせいか、送金額が少ないほど TransferWise の方がお得でした。ちなみに、TransferWise はもっと少額(例えば 1,000 円)の送金も可能という特徴があります。

注目なのは、送金額が75万円を超えたあたりから手数料の差が無くなりつつあり、100万円では三菱UFJ銀行のほうが安く送金できることです。

ただし、三菱UFJ銀行の利用限度額のペーを見ると、外国送金は「1回あたり100万円相当額未満」かつ通貨・地域・国によって利用限度額が違うとあるので、実際に送金が可能かを確認する必要があると思います。

私の結論としましては、送金額が80万円付近までは TransferWise の方がお得。それ以上だと銀行の外国送金も検討する価値がある、というものです。

※1: 海外にある三菱UFJ銀行支店宛の送金ならば送金手数料が2,500円なのですが、海外にある日本の銀行の在外支店に振込むケースは稀かと思いますので、他行宛の手数料3,000円で計算しています。ちなみに「三菱UFJダイレクト」ではなくて、窓口で外国送金を行うと手数料が7,000円と高くなるので考慮にいれていません。

他の銀行の手数料はどうなっている?

念の為、三菱UFJ銀行だけでなく他の日本の銀行の手数料もいくつか調べてみました。

三井住友銀行は、SMBCダイレクトを使った場合の取引手数料は 3,500 円で為替手数料が1ユーロあたり 1円40銭でした。また、みずほ銀行は取引手数料が 8,500 円で為替手数料が1ユーロあたり4円50銭でした。(全て2020年8月27日時点での金額)

別に三菱UFJ銀行の外国送金の手数料が特に高いわけではないことが分かります。

少し古いのですが、日本の銀行の外国送金サービスと TransferWise の送金手数料の比較はこの記事も参考になります。

最後に

この記事では TransferWise と銀行の手数料について比較を行ってみました。もし、この記事で興味を持ち TransferWise のアカウントを作ろうとされている方がいましたら、以下のリンクからアカウントを作成すると初回の送金の手数料が一定金額まで割引になります。ぜひお試しください。



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