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【箱根駅伝】各校のエースを紹介するよ!後編

2021年中に投稿できているでしょうか、箱根駅伝エース紹介後編です。


鈴木聖人(明治大学4年)

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2018年、チームはどん底の状態でした。9年続いていた箱根駅伝出場が途絶え、これから伝統校としての地位を維持できるか怪しい状態。そんな中大きな期待を背負って入学した鈴木選手は、一年目から主要大会に出場します。箱根駅伝予選会ではチーム3番手で箱根路復帰に貢献し、箱根本戦では1区に出走。2年生になるとチームの柱としての役割を任せられ、箱根では山登りの5区を区間5位と好走しチームの6位躍進へと貢献します。さらにその翌シーズンの全日本大学駅伝ではエース区間の8区を走りチームは3位、箱根では優勝候補に挙げられるまでに。鈴木選手は明治大学を箱根予選落ちから優勝争いをするチームまで成長させた選手なのです。箱根本戦では個人・チーム共に本来の実力を出し切れなかったものの実力は確か。紆余曲折あった4年間の集大成は、エース区間の2区が濃厚です。


吉居大和(中央大学2年)

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学生長距離界を代表するスピードランナーです。日本選手権5000m3位、5000mU20日本記録と順天堂大学の三浦選手に負けないくらいの実績があります。その勢いのまま箱根駅伝は3区にエントリーされました。しかし、襷を受けた時点で中央大学は18位。その流れを変えられないまま、終始苦しい走りで区間15位と明らかに本来の実力を発揮できないまま、初めての箱根駅伝は終わってしまったのです。しかし今シーズンは全日本大学駅伝1区に出走し区間2位でチームのシード権獲得に貢献するなど好調を維持。箱根でも久々のシードを狙う中央大学の運命は、2年生ながら大黒柱の吉居選手に託されています。


藤本珠輝(日本体育大学3年)

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日体大は、伝統的に勝負強いレースを繰り広げるチーム。その先頭にいるのが藤本選手です。予選会ではルーキー時から2年連続でチームトップ、今期の全日本大学駅伝関東選考会では全体日本人トップのタイムを出し、チームの通過に貢献しました。実は彼、全身脱毛症という難病と闘っています。今まではウィッグをつけてそれを鉢巻で固定して走っていましたが、治療の甲斐あり今年途中からウィッグをつけずにレースに臨むように。難病と闘いながら、勝負強い走りでチームを引っ張る藤本選手は2区にエントリーされています。夏頃から故障にも苦しんだシーズンでしたが、箱根で結果を残して日体大の4年ぶりのシード権獲得へ導くことができるでしょうか。


ポール・オニエゴ(山梨学院大学4年)

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高速化が進む昨今、箱根駅伝に出場するチームは主力が10000m29分台前半から28分台、エース選手は28分台前半から27分台の力を持つのが当然です。しかし、彼が一年時の夏に出した記録は30:36:41。箱根常連校の山梨学院大の中でも半分より下にいました。そして、2年になると同じく留学生の後輩が入学してきます。箱根駅伝やその予選会は基本的に留学生の出走は一人のみ。そのため、強い後輩留学生に取って代わられてしまう危機に陥ったのです。しかし、彼は諦めませんでした。3年生になり一気に力を伸ばすと、後輩留学生の怪我もあり箱根駅伝4区に出走。見事区間賞の走りを見せました。そして今年、10000mのベストは27:51:59学生長距離界トップレベルの記録に。4年間で記録を2分以上更新したのです。この4年間で一番成長した選手は誰か、と聞かれたら私は彼を推します。異国の地で諦めずに走り続けてきた彼の大学ラストランはエース区間2区。彼の集大成を、是非ご注目ください。


西方大珠(神奈川大学4年)

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神奈川大学は突出した選手がいないながらも総合力の高いいい意味で金太郎飴的なチームのため、エースを一人に絞るのは難しかったのですが、ここでは12月29日時点で2区にエントリーされている4年生を推します。今秋、神奈川大学は非常に厳しい状況に立たされていました。前年箱根予選でチームトップ、本戦では1区区間4位で往路8位躍進に貢献した呑村選手が怪我で戦列を離脱していたのです。そんな中迎えた今年の予選会、西方選手はチームを引っ張る役割を任せられ、チーム2番手の走りで見事それを体現。本戦でも呑村選手はエントリーから外れていますが、彼含め4年間共に戦ってきた仲間の分まで、エース区間2区で力を尽くします。


鎌田航生(法政大学4年)

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鎌田選手は1年時から箱根駅伝に出場しました。この時は8区を区間7位と好走し、チームも6位でシード権を獲得。しかし翌年、法政大学は一気に苦しむこととなります。チームの絶対的エースが怪我でメンバーから漏れ、その代役とした鎌田選手は2区に出走。19位で襷を受け、必死に前を目指すもこの時の彼はまだ2区を走るのには苦しく、区間最下位に沈みました。チームも15位で4年ぶりにシード落ち。鎌田選手は新エースとしてこのチームの再建を託されます。翌年、彼は強くなって箱根路に戻ってきました。1区で見事に区間賞。チームはシード権獲得に届きませんでしたが、シード奪取に向けて確かな一歩を歩みます。そして今季、鎌田選手は日本学生ハーフで優勝。さらに全日本大学駅伝で法政は上位争いを演じ、最終的には9位だったものの十分に見せ場を見せました。今回、鎌田選手は代役でなく本命のエースとして2区に挑みます。苦しんだチームを再び上位で戦えるように背中で引っ張ってきたエースが、今回はチームのシード獲得に導けるか、注目です。


栗原啓吾(中央学院大学4年)

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2020年10月17日、中央学院大学は地獄を味わいました。箱根駅伝予選会、トップ通過候補に挙げられながら12位で落選し18年続いてきた箱根連続出場を途切れさせてしまったのです。そんなチームのエースが栗原選手でした。チームメイトたちが低温に苦しむ中、個人16位と孤軍奮闘。そして一年間チャレンジャーとして鍛錬を続け、中央学院大は再び箱根予選に挑みます。しかしその直前、またしてもチームはピンチに陥りました。「普通に走れば箱根復帰できる」と言われていましたが、主力選手が相次いで怪我に苦しんだ状態になり、暗雲が立ち込めます。それを救ったのは栗原選手でした。終盤に日本人トップ集団から飛び出し、日本人トップでフィニッシュ。最後はフラフラになりながら、チームのためタイムを削る走りは胸を打たれた人も多かったのではないでしょうか。チームは無事7位で予選を通過し、栗原選手最後の箱根は2度目の1区。区間賞の走りで新生中央学院を勢いづけます。


ジェームズ・ブヌカ(駿河台大学4年)

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初出場の駿河台大学は、留学生ブヌカ選手がエース。遡ること10年、法政大時代茶髪にサングラスで注目を集めた徳本一善さんが監督に就任しました。徳本体制になり競技に打ち込むようになってから5年目、予選会で惨敗。その後、徳本監督は大学側に留学生の受け入れを提案し、翌年チームに加入したのがブヌカ選手です。2年時に関東インカレ二部5000m10000m二冠を果たすなど安定して結果を残し続けてきました。ここ数年の駿河台大学の躍進は背中で引っ張ってきたブヌカ選手がいてこそ。今や和食、特に納豆が好物の彼は1区投入も仄めかされています。ブヌカ選手の快走が、駿河台大学の未来を切り開くのです。


高瀨桂(専修大学3年)

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専修大学は、前回7年ぶりに箱根路への復帰を果たしました。その時新しい専修大のスタートを切ったのが高瀨選手です。ペースが乱高下する難しい展開の中、区間19位と苦戦。悪い流れを変えられないまま、専修大は最下位に沈みました。しかし高瀨がその経験から強くなったのです。今回の予選会では個人10位と素晴らしい走り。一気にチームのエースに躍り出ると、箱根ではエース区間の2区にエントリーされています。あとは前回の悔しさを晴らすだけ。復帰後2度目の箱根となるは、高瀨の走りから躍進がはじまります。


ライモイ・ヴィンセント(国士舘大学4年)

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彼の一番の武器は安定感。箱根予選は4回走りそれぞれ個人3、2、2、4位。さらに箱根駅伝では3回2区を走りそれぞれ区間3、4、2位ととてつもない安定感を誇っています。さらにハーフマラソンのベストは59:51と日本記録をうわまわる記録と、学生トップレベルで強い選手です。しかし、彼はまだ主要大会でトップを獲ったことがありません。最後の箱根はまたしても2区にエントリーされています。東京国際大のイェゴン・ヴィンセント選手や駒沢大の田澤選手ら強敵を上回り初めての区間賞獲得なるか、注目です。


中山雄太(関東学生連合・日本薬科大学3年)

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箱根駅伝予選会で上位の選手の中から、落選校所属かつ箱根駅伝出走経験のない日本人選手で構成される関東学生連合チーム。その特性上、こちらもエースを誰とするか迷ったのですが、ここでは10000mベストタイムが最もよい中山選手とします。28:07:33というタイムは、箱根常連校の主力でもなかなか出せないタイム。そんなタイムを出した中山選手は日本薬科大に所属していますが、実は箱根に出場したことはありません。予選会の突破はそう簡単なものではありませんが、ひとりの強力なエースから道が開けることがよくあること。日本薬科大の未来を切り開くべく、エントリーされた1区で幻の区間賞(関東学生連合はオープン参加で記録は参考)を狙います。


以上です!今回紹介した選手以外にも強い選手は沢山います。ぜひ彼らに注目して、箱根駅伝を見てみてください。

箱根駅伝は1月2日及び3日、両日とも8時スタート。2日の朝5時50分ごろから始まる「箱根駅伝 絆の物語」を見ると、さらに楽しめること間違いありません(ただ朝クソ早い)。ぜひ早起きしてみてください!


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