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「鮭とかツナマヨとかあるけど、やっぱり塩握りだよね」みたいな話。


当たり前のことだが、人にはそれぞれの「価値観」があり「趣味嗜好」や「物事のプロセス」、「人生の転機」も全く違う。

漫画『ブルーロック(2018〜)』で「人には人それぞれの公式がある」という言葉を目にしてしっくりときた。
自己啓発本などの多くは作者に都合の良い内容だ。

放送作家の知人が「社会で残っていくのは『派手なやつ』より『いいやつ』だ」と言っていた。

天才だと思っていた村上春樹が、エッセイ『職業としての小説家(2015)』の中で「小説家に1番必要な力は持久力なんだ」と言っていた。

僕はロックスターのあの“キザな感じ”、“なりふり構わない感じ”に憧れていて、「成功するには尖っていないとダメなんだ」と思っている。
たまに尖っていない自分に絶望する。
しかし、それも半分正解で半分は不正解だろう。

僕の大好きなバンド『The Beatles(1960〜1970)』のジョンとポールは20代のうちにピークを迎えた。
僕の大好きな写真家『Saul Leiter(1923〜2013)』は80歳を過ぎて成功した。

文章を書こうとするとき、
結論が「結局それって人それぞれじゃん」
に落ち着き、文章を書く気が失せることがある。

正直、この世界には正解そうなものが多すぎるのである。

写真は撮れば撮るほど上手くなるのである。
いや、いいものが撮れる確率が上がる。
写真の3分の1は運ゲーだと思っている。
撮れば撮るほどガチャを引く回数が増えるのだ。
偉大な写真家でさえも、ありふれた写真を多くとっている。

「夢は大きく、腰は低く」と言う。

尊敬する人に「学校は大切だ」と言う人がいる。
尊敬する人に「学校はクソだ」と言う人がいる。

世界のどこかで戦争が。
世界のどこかでノーベル賞が。
世界のどこかでスーパースターが。
世界のどこかで恋人たちが。
世界のどこかで税金が。


映画『かもめ食堂(2006)』を観たあと、とても「塩にぎり」が食べたくなった。白米と塩だけ。

涙が出た。あぁ塩にぎり、素晴らしい。

分かったぞ。

「俺の人生は塩にぎり」なんだ。




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