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【詩っぽい詩】普通の日々

どうか教えてください。

どこのどなたでも かまいません、

普通の日々のはなしです

我々の暮らしの中のはなしです。

光がやってきました。

闇路を抜けて やってきました。

それであるのに どうしてでしょう、

彼は 私を釘付けにするのです。

あたたかく やわらかく つつまれるような、

そんな心地になるのです。

彼の出所など ...

そう 気付かぬふりを決め込んで。

彼が 私の手を引きながら、

もと来た道に誘うのです。

そして 「先に行っておいてくれ」と。

それなのに どうしてでしょうか、

私の足は 止まることなく進むのです。

闇路の中を ひたすらに、

つめたく かなしく くじけそうな、

そんな 路を。

しかし どうしたことでしょう。

彼を見ると 忘れてしまう、

あたたかさで 忘れてしまう。

自分がどこからやって来たのか、

これからどこに向かうのか、

いつまで続くものなのか、

気付かぬように 忘れ...

また歩き出してゆくのです。

どうか教えてください、

普通の日々のはなしです。




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