第4回ワークショップ「デザイン経営PLAY!~事業者とデザイナーの協働を促すデザインとは~」グループワーク ー秋丸さん編

こんにちは、美大生×官僚 共創デザインラボ 西野(リサーチャー)&安富/三枝(Note担当)です。
この記事では、2021年9月12日に開催された、第4回デザインワークショップのグループワークを参加メンバーへのインタビュー形式でレポートしていきます。
今回は、デザイン経営のためのサポートキットの開発ワークショップに取り組んだ美大生の秋丸さんにお話を聞きました。

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-秋丸さんはグラフィックデザインがご専攻なんですね。今回のデザイン経営ワークショップでは、それぞれのチームでアウトプットの形式(インフォグラフィック・教育ツール・サポートキット)を事前に定めていましたが、なぜサポートキットチームに入られたのですか?

私はデザインとはマネジメントに近い行為だと常に思っています。デザイナーは周辺のリサーチに加え、物事を常に考えながらアウトプットしており、それこそがデザイナーの本来の存在意義だと考えています。今回のデザイン経営をより広く社会に浸透していくための「仕掛けのデザイン」を考えるうえで、そのサポートキットを開発することが、最もデザイナーやデザイン経営を導入したい企業の役に立つと考えたからです。

-なるほど。それでは秋丸さんは企業の経営にデザイナーが加わることを重視するデザイン経営の実現を望んでいるんですね。

そうですね。ただ現状、デザイン経営を導入するメリットを企業側が理解できていなかったり、デザイナー自身が自分のデザイン力の意義を表現できていないことに問題意識を感じています。デザイン経営の観念が広がればデザイナーの価値も変わってくるかなと。

-その点はやはり成功事例を参照すると良いのでしょうか?

はい。今回のワークショップには、官僚さんからの「インプットトーク」の時間がありました。官僚さんがこれまでの知見をもとに、スライドをたくさん用意してくれていて。たくさんの情報提供を頂けたのが大変嬉しかったです。

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-特に印象に残っている事例はどんなものですか?

デザイン経営の観念を取り入れることで、それまで社長がぼんやりと思っていたことが可視化されて、社員の士気があがったという成功事例が印象に残っています。その企業はそれまでBtoBで事業を展開していたため社員が自社製品を見る機会がほとんどなかった。本当はスゴいものを作っているのに「とある商品の一部の部品…」。その技術力を活かしてBtoCに商品を展開することで、社員が自社製品を市場でみる機会が増え、士気があがったというものです。また他社の事例では、企業の弱点をストーリーテリングで強みに転換したというものです。可視化もストーリーテリングも重要なデザインの力ですね。

-成功事例を複数参照したあと、どんなアイデアをだされたのですか?

私は企業の「状態の見える化」にこだわってアイデアをだしました。それが「企業の履歴書」や「企業のお悩み診断ツール」、そして一押しの「企業10年後カレンダー」です。これはさきほどの「社長がぼんやりと思っていたことを可視化」から着想を得ています。企業の状態を履歴書で見える化したり、チェックリストでお悩み診断をしたり。でも一番良いのは10年後のカレンダーを作ってしまって、社長のぼんやりしたビジョンを社員と共有しながら一丸となってやっていくのはどうかなと。

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-ビジョンの可視化と共有ですね。まさにデザイン経営が掲げている「デザインが経営の上流に関わる」を実現できそうですね。

はい。同じチームの官僚さんからも「デザイナーが中心となり、年に1回、企業の活動や経営陣の想いを雑誌にする」というアイディアがでました。私の「企業10年後カレンダー」のアイディアとも親和性があり、よくある企業のお堅い「中長期計画」みたいなものをビジュアライズやコラージュを駆使して、全社員や社会とシェアできないかなと考えたところ、新聞にしてはどうかと。

―メンバーのアイディアが合わさって「企業の未来新聞」というアイディアに至ったんですね。それは面白いですね。

はい。これを私達のグループはサポートキットの案として最終的に発表しました。他チームからの評判も良く、是非私自身も実際に作ってみたいと考えています。

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―美大生×官僚 共創デザインラボでは最終発表のあと、さらにアイディアを練り上げてデザインプレゼンを行っていますよね。デザインプレゼンでその未来新聞は実際に見ることができるんでしょうか。

いえ。そこはまだ悩みどころです。というのも、私はこの案をただのアイディアで終わらせたくないと思っていて。どこかの企業さんと一緒に真剣に未来新聞を作ってみたいと考えているんです。そのためには対象の企業さんをみつけて、お話をしっかり知って、しっかり書きたいなと。

―デザインリサーチを十分に行ったうえで発刊したいということですね。秋丸さんの真剣さが伝わってきますね。

美大生×官僚 共創デザインラボ第4回ワークショップも、大盛況のうちに終えることができました。
今回出されたアイディアのうち、いくつかはデザインプレゼンとして視覚化されます。
さて、この未来新聞の行方はいかに。乞うご期待です。
これからも美大生×官僚 共創デザインラボをよろしくお願い致します。


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