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ちょっと不機嫌でドアを強く閉めてしまった(適応機制6置き換え)

アルバイト先で注意を受けてしまった。
確かに気をつけなくちゃと思ったけれど、何だか嫌な気分。

注意を受けたことを素直に納得できないときは、モヤモヤして気分がよくないということもあります。

そんな日は、「ただいま」も言わずに、乱暴にバックを置いたり、ドアを強く閉めたりすることがあるかもしれません。


自分を守る適応機制(防衛機制)

この行動も、適応(防衛)規制で理解できます。

自分の嫌な気持ち、不快な気持ちを「もの」に置き換えて心を安定させようとする「置き換え」による行動。
もちろん、無意識の反応です。

乱暴にバックを置く
ドアを強く閉める
この行動が、不安定な自分の気持ちを安定させるための「置き換え」にあたります。

「おかえり」と声をかけてくれた家族に、返事をしない、もういちど「おかえりなさい」と言われ、
「うるさいなあ」といってしまう。
これも「置き換え」による反応です。

何かあったかな?


帰宅後にこういった行動があると、何かあったかな?と家族が気づくこともありますね。

こんなとき、本人は自分のこういった行動に気づいていません。

といいますか、気分が悪いから家族にきつく当たろう、などと思ってしていることではありません。

「置き換え」は、このように「よくない感情」を別のものに移し、自分の心を安定させようとする反応です。

「置き換え」と「代償」

「代償」に似ていますね。

教員採用試験の勉強をしていると、「代償」「置き換え」については、次の3つのパターンで説明されているようです。
①「代償(置き換え)」
②「置き換え(代償)」
③「代償」「置き換え」

「代償」と「置き換え」は同じなのでしょうか。
別なのでしょうか。

ジークムント・フロイトが概念化し、アンナ・フロイトが体系化した防衛機制(適応機制)は、10種類あるとされていて、この10種類では「代償」と「置き換え」を分けてはいません。

このことをもとにすると、「代償」と「置き換え」は同じ、どちらも自分の気持ちを何かに置き換えて自分を守ると考えてよいものです。

代償は自分の欠点などを補いたい


「代償」は「代償」の記事でお話しさせて頂いたように、自分の不足と感じることを別のことに置き換えて心を安定させようとする反応です。

「代償」は、不足の部分を何かで補うこと、とイメージするとよいと思います。

この記事のまとめ

今回は「置き換え」の話をさせていただきました。
フロイトによる防衛機制においては、「代償」と「置き換え」を分けてはいません。
ですが、ここでは教員採用試験対策として説明させていただいているので、設問や選択肢に「代償」「置き換え」、どちらが出てもイメージできるよう、「代償」として問題にされそうな例、「置き換え」として問題にされそうな例、それぞれを分けて書かせていただきました。

混乱しないよう簡単にまとめると以下のようになります。

代償・置き換え 
①ジークムント・フロイトとアンナ・フロイトによるものでは分けていない
②・代償:自分の不足の部分を認識し他で補おうとする
 ・置き換え:不快な感情を別のもので逃れようとする
  という解釈で使い分けられることもある

※上記は教採対策として理解するためのひとつの方法と捉えてください。

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