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記野式:サクッと!ゲーム業界講座  10月前半号

こんにちは。10月になりましたね。そろそろ年末…。

緊急事態宣言が明けて大丈夫か???と思っていたところ、新型コロナウイルス感染拡大がかなり収まってきてなんとなく心が軽くなってきたところに東京では大きな地震があったりして…。

私個人で言えば、緊急事態宣言が明けたのでようやく気が抜けたのか急な発熱!念のためPCR検査(2回目です笑)に行ったところすぐに陰性の結果が出ましてホッとしているところです。

さて、今回もいろいろな角度から記事を書いてみようと思います。恒例のイギリス週間ランキングは「世界のモバイル市場アップデート」の話の後にしました。モバイルコンテンツではなくモバイルデバイス、つまりスマホデバイスの世界のトレンドからレポートします。

今回の為替レートは1ドル=112円で計算しています。

<記野式まえがき:年末商戦が始まりました!>

アメリカで一番モノが売れる第4四半期が始まりました。私はいつも「年末商戦」という言葉を多用しますが、よくニュースでも言われる「ホリデーシーズン」ってやつですね。

ホリデーシーズンと言われるのは10月末のハロウィン、11月末のサンクスギビング(感謝祭)、12月末のクリスマス…とホリデーが続くからですね。

1.Amazonがセール前倒し!

CNNによると、アメリカのAmazonは例年11月末のBlack Friday(ブラックフライデー)に相当する大きなセールを、今年は10月4日からスタートさせています。これから2か月間に渡り割引セールが毎日行われるのことになります。

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Black Friday(ブラックフライデー)とは?

「ブラック」と聞くとブラック企業?みたいな悪いイメージがありますが、この場合のブラックは小売店が「黒字」になるといういい意味のブラック。

11月第4木曜日のサンクスギビングデー(感謝祭)の翌日の金曜日を指すのですが、小売店が朝の2時とか3時にオープンして破格のバーゲン(日本の初売りみたいです)は当たり前。店舗全体30%引きとかものすごいことを一気にやる一日なので、全米は大変なことになるんです。

ゲームの小売店も同様で、ハードに盛り盛りのソフトバンドル販売や、5.99ドル(約670円)などというありえない値段で新品ソフトを売ったり。お店の行列もものすごくて、店は誰かが落とした商品で歩けないくらい乱れ(笑)、レジ待ち1時間なんてフツーです。

アメリカならではの大きい駐車場も早朝からいっぱいで、ちょっと遅れていくと駐車場を探して2時間ほどグルグル回っていたほどです(涙)。

ブラックフライデーは、アメリカで年間一番小売店でモノが売れる日です。

Amazonによると、ファッション、家庭用品、玩具、電子製品など、あらゆるカテゴリーの商品が大幅に値引きされるとのこと。新型コロナ感染拡大がちゃんとおさまっていないアメリカですから、Amazonで商品を買う人は多いはずですね。その前から実店舗より通販で買う割合が上がってきていたアメリカですが、コロナ渦でさらに拍車がかかっていますね。

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ただ、お伝えしている通り、新型コロナウイルス感染拡大や、中国の電力不足などなどの影響でサプライチェーンが機能しておらず、輸送用コンテナが不足していたり港の混雑でさまざまな商品の流通が滞っているため、年末商戦は混乱が予想される、とCNNも言っています。

アメリカの郵政公社(USPS)はオンラインショッピングが増えるクリスマス前後の繁忙期に割増料金を適用すると発表、同じく物流大手のFedexも、11月1日から一部で燃料割増金を追加する方針とのことです。

2.アメリカでは記録的な売上になることが確定?

NPDはゲームの売上だけをレポートしている会社ではありません。全米であらゆるジャンルの商品売上をPOS(Point of Sales)データを元に集計、分析している会社です。

そのNPDが、「アメリカの29%の消費者が去年のクリスマスより多くの買い物をするって言ってる!」と発表しています。

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NPDは、11月~12月にかけてのクリスマスシーズンでは前年比3%、10月~1月初旬までの年末商戦全体では前年比5%の購買額アップになると予測しています。

消費者のライフスタイルの変化とその定着で購買行動が変化したこと、オンラインショッピングの加速的な成長があったことを背景に、アメリカの消費者がポジティブな年末商戦を迎えようとしていることを示しています。

新型コロナ感染が収まっていないことを考えれば悲観的になるはず?なんでしょうけど、人間はきちんと変化に対応していると言えるんでしょうね。

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消費者が新型コロナ感染症への不安を持ちつつも、「ウィズコロナ」が浸透したことにより記念日をお祝いするワクワク感が戻ってきたこと。それが消費を押し上げるとNPDは予想しています。

また、この伝統的な購買意欲、つまり「ホリデーシーズンに買い物をする」だけではなく、「今欲しいから買う」というコロナ禍に生まれた消費行動がさらにアメリカの消費市場に成長をもたらすでしょうとNPDは言っています。

では、NPDによるアメリカの消費者の年末商戦に対する調査結果をデータで見てみましょう!

- 消費者の3分の1はクリスマスシーズンに家族や友人に会うためたくさんのプレゼントを購入する予定

- 消費者の47%はクリスマスに家族や友人と会えることをたのしみにしている

- 消費者の58%はワクチンが普及した今もなお、リアル店舗での買い物に抵抗を感じている

- 消費者の3分の1にとって新型コロナウイルスに対する不安が前年より減っている

- 今年の年末の購入予定額は前年比1,000ドル(約11.2万円)以上を予定している人が多い

- クリスマスプレゼントを感謝祭前に購入をする消費者は51%で早めに調達しようとする傾向がある

- クリスマスにもっとも購入が予想されるのは、IT製品や日用品である- オンラインショッピングを利用する客層は確実に増えている

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ちなみにオンラインショッピングに関して「送料無料」は購入決定に関わる最も重要な要素です。「品質」と「価格」も昨年に比べて重視されている傾向が見られます。

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コロナ禍はショッピングにおけるオンライン化にさらに拍車をかける結果になっており、今までリアル店舗で買い物をしていた人もオンラインに移行する傾向があります。

という意味では冒頭のAmazonの前倒しによってAmazonの売上が年末商戦に大きく飛躍することは間違いないということでしょうね。

ただでさえものすごいアメリカの年末商戦ですが、リアルからネットへと形を変えたとしても売上規模として考えればものすごいことになりそうです。これから来年の頭までしっかりレポートしていきますのでお楽しみに。あ、私ができるのはゲーム業界の年末商戦のトレースだけですが!笑。

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