見出し画像

ぼくの心を満たすものは?②

 骨髄移植からそろそろ1年経とうとしているけど、前回記した腰から足の指にかけての痺れ以外にもう一つ、もう治らないというか、クセのようになってしまった症状がある。それが「器質化肺炎」。

 通常骨髄移植の後に免疫反応として出る症状を移植前に教えてもらった。
 一つ目は食道が移植された骨髄の免疫に攻撃されてしまい下痢症状が続くという事。水みたいな下痢が1リットルくらい出るらしい。
 二つ目は皮膚症状で身体中に発疹が出るとの事。
 三つ目は口の中が口内炎だらけになる。
 この三つを移植前に医師や看護師からよく聞かされた。あとこれになったら危険だという事で「肝中心静脈閉塞症(VOD)」というのを言われた。この症状になると治療法がなく対処療法しかないらしい。そして死に至る事もあると言われた。

 僕の場合、この中では三つ目に挙げた口内炎の症状は出た。痛くて飲み物を飲むのも辛かった。そのため医療用麻薬を使用して痛みの軽減を図ってくれた。まあ僕にはあまり効果を感じる事はなかったけど。ちなみに医療用麻薬をセットしてくれた医師にモルヒネかどうか聞いたところ、モルヒネではないと説明された。
 他に出た症状として、こっちの方が大変だったが肺炎である。身体をほんの少し捻るだけで咳が止まらなくなる。血中酸素濃度は酷い時には80%を切ってしまう。また感染症による肺炎の場合はどっちか一つの肺しか肺炎にならないらしいが、僕の場合感染症ではなく免疫反応と移植前処置の影響で両方とも肺炎になった。息をするのも苦しくて看護師さんに胸をマッサージしてもらった事もあった。この症状を抑えるためにステロイドを使用して、症状が治まってきたら徐々にステロイドも少なくなり、ついには飲まなくなった時期もあった。しかし、ステロイドを辞めてしばらくしてからまた肺炎症状が出た。その繰り返しで、同じ病院の呼吸器内科を受診する事になり、そこで器質化肺炎という事とクセのようになっているので、この症状を抑えるために症状が出ていない時にも少量のステロイドを飲み続ける必要があると言われた。

 ステロイド、これ厄介なんだ、副作用が。
 顔が下膨れの様になるムーンフェイスという症状、これは薬を辞めれば治まるが。他にも体力低下。今はこれで苦しんでいる。移植後1か月くらい起き上がる事が出来なくて、その時にだいぶ体力が落ちた。この落ちた体力を元に戻そうと思ったが、この副作用の力なのか思うように体力が戻らない。そしてもう一つの副作用が骨董壊死。長期間大量のステロイドを服用していると大腿骨が壊死してしまうという事だった。移植後は症状が酷い時には30mlとか50ml投与していたが、これが長く続くとこういった事も起きるらしい。一度、股関節に痛みがあり整形外科にかかって検査したが、その時の医師に白血病の事とステロイドを服用している事を伝えたら、それだけ投与したことがあるなら骨董壊死の可能性は否定できないと言われた。その時は壊死を起こしていなかったので安心したが。

 僕の心を満たすものはなんだろうと思い昨日から書き始めたこの文章。明日書くのか少し日を置くのか分からないが、しばらくこれを書いていこうと思う。
 白血病の事は触れないで書いていこうと思っていたが、結局触れている。
でも表現というのは本来自由なはず。少なくとも自分が書きたいと思う事に制限をかけるのも変だと思うので、指がキーを使い、時に囁き、時に叫ぶ、そんな感情を僕は自由に楽しみながらこれをしばらく書いていこうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?