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首都圏カレーフェス進化論⑤人はなぜカレーフェスに集うのか

はじめに

こんばんナマステ💛Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

ま・ず・わ、大事なお知らせ

Clubhouse『インドの衝撃(インド大学)』でのブータンについての講義は来週火曜日20:00に延期になったので、よろしくねっ🌟

さて、今日はここまで4回にわたって書いてきた首都圏カレーフェス特集の最終回。

初回で首都圏カレーフェス「第一世代」を定義、

第2回でそれに続く「第二世代」を定義、

第3回ではコロナ禍においてのカレーフェスの動き、

第4回ではカレーフェスの新たな動きを取り上げた。

最終回となる今回は、どうしてカレーフェスがそんなに人を集めるのかを考えてみた。

これまでと比較するとだいぶ抽象的な話になってっちゃうけどね。

今回のシリーズは昨年秋のClubhouse『インドの衝撃(インド大学)』で話した内容をベースにしてるけど、今年の情報を入れて少し加筆してるので完全に同じでないことを注意してほしい。(約29分)

んじゃ、最終回始めていっくよ~🍛

カレーが人を集める必然

カレーフェスが他のフードフェスと何が違うのかといえば、ローランド風にいえばカレーかそれ以外かということ。

つまりカレーには人を集める何かがある。それを探ってみたい。

まず日本人はみんなカレーとラーメンが大好き。二大国民食と呼ばれ続けている。

しかし外食文化中心のラーメンとは対照的にカレーは家庭料理として普及、カレーを飲食店で食べる文化は近年まであまり一般的とは言えなかった。

事実、ラーメンは日高屋、幸楽苑、丸源、来来亭、天下一品、スガキヤ、そして町田商店など100店舗以上を擁するチェーン店がたくさんあるのに対して、カレーはココイチしかない。

ただ、老舗の蕎麦屋や洋食屋、定食屋、町中華などカレーを置いているお店は数多あるから外食需要がなかったわけではないし、近年ではカレーのチェーン店も結構出てきた。また、都市部を中心に間借りカレーが増えてきてもいる。

潜在的需要はあったのだ。

そしてカレーは多様性があり食べ比べ、食べ歩きに向いている。

本家インドのターリーは複数種類のカレーを味わえるし、日本でもあいがけ文化が広まっている。

色々なカレーを食べ比べ、食べ歩きするということは胃袋の中で自分だけのターリーを作っているともいえる。

他のジャンルでここまで同一ジャンルのみを一度に比較して楽しいものはなかなか見当たらない。あと焼肉とか❓

カレーは夏の食べ物というイメージが定着しているけれど、実際には季節や天候を問わず食べられるものでもあり、寒暖の差や雨も比較的降る秋に対応できるバイプレイヤーであることも、春や秋に多い野外イヴェントに向いている。

そしてカレーは老若男女にも対応できるし、

カレー好きには下戸が多いという印象もあるけど一方でものすごく酒が進む料理でもあり、ほとんどの人に突き刺さる。

和食、中華、洋食、どんな料理ともマリアージュしやすく、食べ手・作り手ともに障壁が低い。

多様性の塊であるインド亜大陸に後から来たアーリア人もイスラーム王朝もモンゴル系王朝も欧州諸国もみんなスパイスの虜になった事実がそれを物語っている。

イギリス経由で日本に来て、日本がそれを東アジア各地に広げていった事実もあり、北朝鮮ですら日本式のカレーライスが食べられている。

最強コンテンツだからこその懸念

つまりカレーは大半のペルソナに対して突き刺さり、そして季節や天候を問わず楽しめることから最強のコンテンツなのだ。

ただ、それは諸刃の剣でもある。

なぜかといえば、参入障壁がものすごく低いから。

レトルトのご当地カレーはもうありふれていて、目新しく映らないでしょ。

よこすか海軍カレー以外で成功したのはほんのひと握り。

カレーフェスも「第二世代」のフォーマットができてしまってから、あちらこちらで似たようなものがやられている。

来年になればほどんどコロナ禍も終わって、復興を旗印にあれやこれや出てくるんだろうけど、地元再発見にはなっても外から人を呼べはもうしないんじゃないのかな。

地元再発見になればそれでいいともいえるけど。

ご当地カレーは地元の人が日常的に食べるものではないけれど、地元の人が地元の店を知り、地元の人と交流するきっかけになればそれはそれでいいのかもしれない。

自分は元々それをインナーツーリズムって呼んできたのだけど、今では星野リゾートの社長が言い出したマイクロツーリズムの方が有名になってしまった。

そりゃそうだ、インナーツーリズムは自分の心のインナーでしか言われてなかったんだから💦

それがサステイナブルな構造を持って、地元の人が喜ぶことならいいと思う。

だけど、外の人がある程度来て、カレーを出す店の収入が増え、カレー以外の街の魅力も知ってもらうことができて、という「第一世代」、「第二世代」の成功要因はそこにはない。

カレーフェスに限らないけど、イヴェントや観光政策というのは誰にどれくらい来てほしいのかを明確にしなきゃね。

来週喋るブータンなんかは、できるだけ観光客の入れ込みを減らして、だけどしっかりお金を落としてほしい、という意図が明確なんだよ。

ブータンみたいに多額の金を取れ、ということではなく、カレーフェスをやることで街にどんな効果を齎したいのか、ということをきちんと考えてほしい。

おわりに

自分自身は昔下北沢カレーフェスティバルにちょっとだけ関わっていたこともあるけど、

そうしているうちにカレー関係の人と多く知り合いになり、

彼らから得た刺激が自分のなかのカレー熱に火をつけ、

それが縁でインドの仕事をするようになった経緯がある。

つまり、色々書いてきたのは実は割と自分事だったりする面もある。

カレーフェスによって知らなかったカレー、知らなかった店、知らなかった街を知れるのも楽しいんだよ。

色々書いてきたけど、まずは余計なことを考えずに、近くのカレーイヴェントに行ってできるだけ多くのカレー食べてお気に入りを見つける楽しさをまずは知ってほしいかな。

それじゃあバイバイナマステ💛暑寒煮切でしたっ✨

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