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『観光を活用した持続可能な地域経営の手引き』を読もう①意義・重要性

はじめに


こんばんナマステ💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

先々週告知してから完全に放置になっていた

#UNWTO ( #国連世界観光機関 )と #運輸総合研究所 が作成した『 #観光を活用した持続可能な地域経営の手引き 』をこれから読んでインプットしていこうと思う。

https://www.jttri.or.jp/research/tourism/220322kanko_tebiki.pdf

というのもね、最近旅行業界ではやたらめったら #サステイナブルツーリズム って言葉を耳にする。

例えば先日インプットしたJATA経営フォーラムでも、特にこの回なんてインバウンドが主題のはずなのにほぼサステイナブルツーリズムの話になっていた。

ある程度趣旨や中身は理解しているつもりではあるけども、ちゃんと勉強したわけじゃないし、今そしてこれからのツーリズムを語ろうと思えば避けては通れない内容なのは事実。

だから基礎的な内容をまずはきちんとインプットしておきたい。

この言葉が流行っている背景としては2015年9月に国連で採択されて、2010年代後半に世の中を駆け巡った #SDGs がまずある。

前身のMDGsは全然流行んなかったのにどーして突然猫も杓子もSDGsになったのか釈然としない部分はあるけども、方向性に異論はないし我々ひとりひとりが考えなければいけないことなのは間違いない。

もうひとつパンデミックによる人々の行動や思考の変化、要するに #新しい生活様式 とサステイナビリティの親和性があると考える人が多いからというのもある。よく言うモノ消費からコト消費への変化とかそーゆーやつね。

旅行業界的にいえば、インバウンドの急成長などで忙殺されていた日々が急になくなり、ツーリズムについて根底から問い直す風潮が出てきたともいえる。

端的に言えば暇になったから。漠然とした不安に襲われた時って何か新しいものに縋りたくなる。

東日本大震災の後も似たような風潮あったんだよね。急に着地型旅行をフィーチャーしだしたりさ。

以上の背景でサステイナブルツーリズムが流行っている。流行りものに対して冷めた目で見る人っているけど、個人的にはそれって損しているなと思う。

流行るのにはそれなりに理由があるんだから、その理由を知ることは大切なこと。自分には関係ないって思った瞬間それで終わりなんだよね。

というわけで流行りのサステイナブルツーリズムをミーハー精神で探っていこうじゃんか‼️

『手引き』の構成

さて、長ったらしいので『手引き』と呼んでいくけれども、全部で175ページで構成されている。

その構成は以下の通り。

はじめに
Ⅰ.観光を活用した持続可能な地域経営の意義・重要性
Ⅱ.手引きのねらい、活用方法
Ⅲ.観光を活用した持続可能な地域経営の取り組み方のポイント
Ⅳ.観光を活用した持続可能な地域経営に取り掛かる準備
Ⅴ.観光を活用した持続可能な地域経営を実現する11ステップ
Ⅵ.観光を活用した持続可能な地域経営を支える仕組み
Ⅶ.先進事例
資料編

面白そうなのはやっぱり「Ⅶ.先進事例」だけど、そこに辿り着くまでに長々とある話こそサステイナブルツーリズムの理論のはずなので、読み飛ばさずにやっていきたいと思う。

今日は「はじめに」、「Ⅰ.観光を活用した持続可能な地域経営の意義・重要性」、「Ⅱ.手引きのねらい、活用方法」をインプットしていくよ❣

それ以降は1章を1回ないし複数回でインプットしていくかたちを取りたい。

ではさっそく「はじめに」からいってみよう。

はじめに

「本格的な少子高齢化の進行、厳しい行財政状況、独自の文化や自然環境の消失といった、 これまで豊かな地域生活を支えてきたリソース(資源)の制約がクローズアップされてい ます。失われた20年あるいは30年を経て、地域で活用できる人、モノ、金、あるいは豊かな文化や自然環境が十分でなくなりつつあります。」

という背景に対して、「 #持続可能な地域経営 」を #観光 を活用することによってやっていこうという話が書かれている。

この「手引き」が目指す実現とはこういうもの。

「持続可能な地域経営は、地域のすべての側面を対象として総合的に課題の解決に取り組み続けることです。その結果、住民の生活の質(QOL)が向上し、経済面、社会・文化面、 環境面のすべてにおいて、持続可能なメリットが生まれます。持続可能な地域経営は介護・福祉、移住、SDGsの実現、農業、観光等、地域における様々な施策のどれを切口としても進めることができます。本手引きは、地域づくりの切口として好適な観光に着目した「観光を活用した持続可能な地域経営の実現」のための実践的な手引きです。」

なんで「持続可能な地域経営」が観光によってになるのか、というのはこういう理屈。

「観光は、裾野が広く、地域の人材や資源を有効に活用することができます。逆に、地域の観光振興のためには、産業振興という経済面だけでなく、観光客と住民との調和の確保や文化資源の保全・活用、また自然環境の保全・活用が必要です。 そして、そもそも観光政策は、交通整備や各種施設整備、地域の文化や自然を活かしたコンテンツ整備、また人材育成などを含む総合政策です。また、地域に貢献する交流人口・ 関係人口をつくる取組でもあります。 つまり、観光は、総合的で、地域の資源制約を克服するために地域内外の力を活用するものです。地域のなりたい姿を共有し、人々が豊かな生活を続けられる地域づくりにつながる「持続可能な地域経営」にチャレンジするにあたって好適な政策分野であるといえます。」

読み進めていくとこれが肝になってくると思うけど、とりあえずふーん、そーなんだー、でいーんじゃないかな。

持続可能な地域経営を行っていく意義

Ⅰ.観光を活用した持続可能な地域経営の意義・重要性」は6つの節に分かれているのでひとつずつ見ていきたい。

最初の節である「持続可能な地域経営を行っていく意義」には2つの項目がある。

まず、「「持続可能な地域経営」とは何か」では、「 #地域経営 」を「地域の経済・社会活動をよりよいものとするため、地域の課題を明確 にし、多様な力を集結して解決に取り組み続けること」と定義、そのうえで「持続可能な地域経営」を「他地域との関係にも目配せしつつ、地域のすべての側面を 対象として、総合的に課題の解決に取り組み続ける「地域経営」のこと」としている。

「地域経営」はわかりやすいけど、「持続可能な」がつくと抽象的な気はするがまあいいや。

後半の「「持続可能な地域経営」はなぜ必要か」では、その理由を「本格的な人口減少と超高齢化の同時進行、低迷する経済や地域の自立・活性化への早急な対応、SDGsの達成やカーボンニュートラルへの対応等の要請に応えていく必要があるなか、将来にわたって住み続けられる地域であるためには、経済面、社会・文化面、環境面を総合的に考慮して、地域の課題を解決し、持続可能性を持った地域経営を行っていくことが不可欠」かつ「住民の生活の質であるQOLを高めていくためには、今まで以上に住民の声を取り入れ、さらに、地域経営に参加してもらうことが必要」としている。

#PDCAサイクル をつくれとか色々書いてるけど、やりかたは地域ごとに違っていいと思うよ。とりあえず「持続可能な地域経営」が必要なんだってことはわかった。

観光を活用した持続可能な地域経営による課題解決

ここで観光登場。

「地域の課題に着目し、観光を活用した取組を進めることで、着目した課題に加えて、それ以外の課題解決にもつながっている事例」として、

新たな基幹産業の創出(岐阜県)
水源の水質保全(スレマン・インドネシア🇮🇩)
地域の収入・雇用の安定化や文化保全(トムソン=オカナガン・カナダ🇨🇦)
データを用いた誘客(ブエノスアイレス・アルゼンチン🇦🇷)

といったものが触れられているけど、具体的な内容は「Ⅶ.先進事例」を楽しみにしててね💕だそうで。

持続可能な地域経営に観光を活用して取り組む理由

「はじめに」に書いてあったことのリピート。とにかく観光を基軸にしてやりたいってことなのね。

持続可能な地域経営に観光を活用する方法

ここは4つの項目に分かれる。

地域のすべての側面を対象とするために、観光を活用する」では「観光は、経済面だけでなく、社会・文化面、環境面等の、地域のあらゆる側面に影響を与える」からと。

地域のそれぞれの側面のステークホルダー(利害関係者)の参加を促進するために、観光を活用する」では、「観光は、地域の多くの産業が関係し、また、住民を含む多様な人々が関心を持ち(あるいは影響を受け)、取組に参加することができ」、「地域を訪れる人々も参加可能」とある。

後段はとても大事。来訪者は単なる客ではなく「持続可能な地域経営」におけるステークホルダーのひとりなんだ、という視点は覚えておきたい。

部署横断的な推進体制づくりのために、観光を活用する」は読んで字のごとく。公務員がこれ読むとグサっとくるんだろーね。

困難な状況への備えのために、観光を活用する」では「観光は裾野が広く総合的であること、幅広く参画しやすい面があるため、雇用の吸収力が 大きい産業でもあります。地域経済に悪影響を及ぼすリスク事象が発生した場合も、雇用の受け皿となる観光を活用することで地域経済を持続可能とすることができます」としてるけど、今全国的に観光関係者切られまくってるんだけど❓

後から「なお、観光産業としては、インバウンドの隆盛がコロナ禍で一気に蒸発してしまったようなリスクに対応するレジリエンス(強靭性)を備えていく必要があります」とか言ってるけどさ。それが一体何なのかだよ。

いま観光関係者の雇用って雇用調整金、ワクチン接種・PCR検査会場運営、Uber Eatsの配達員あたりでどーにか賄えているんだけど、それが果たしてレジリエンスなんだろーか。

ま、観光産業が通常運転をしていれば大きな雇用吸収力を持つのは事実。というか大き過ぎてどこも人手不足がヤバかったのがつい2年少し前だったような。

観光を活用した持続可能な地域経営の流れ

「観光を活用した持続可能な地域経営は PDCAサイクルを回すことによって行われるものです。」

ここまでPDCA押しな理由がよくわからん。
PDCAをバカにする人や組織に限ってきちんと回せてないんだけどさ。それは地域でも同じだよね。

ここで述べられているPDCAはとりあえずこんな感じ。

Plan
地域のなりたい姿の実現を阻害する課題に対する解決への取組を決定

Do
実施

Check
指標を活用した効果測定(経過、結果と継続的に)

Action
必要に応じて取組・指標を改善

「指標は多様な関係者の共通言語」という名言も登場。

地域の状況に応じた観光を活用した持続可能な地域経営

ここまでのまとめ。短いので全文抜き出し。
「観光を活用した持続可能な地域経営のあり方は、活用する指標を含め、地域の状況に応じて異なります。この手引きでは、標準的な観光を活用した持続可能な地域経営の全体像を整理しましたが、それぞれの地域で関係者と連携してその地域に相応しい進め方を考えていくことが不可欠です。」

んじゃ地域によってはPDCAでなくPDSやOODAじゃダメなの❓

手引きのねらい

ここから「Ⅱ.手引きのねらい、活用方法」へ。ねらいと活用方法の2つの節で構成。

まずねらいでは、「観光を活用した持続可能な地域経営は、これから各地域で積極的に進めていくことが望まれる取組」なので「地域における取組を後押する手引きが必要と考え」たと。

「本手引きを活用していただくことにより、客観的に整理された事実・根拠等に基づく観光を活用した持続可能な地域経営を行っていくことができるようになるものと思っており」、「これまでの類似ガイドラインにない具体的な、観光を活用した持続可能な地域経営において取るべき手順(ステップ)を示す手引きとなることを目指し、以下のような実践が可能となるよう留意し」たそうで。

課題解決という成果を重視すること。つまり、できるところから始めて成功事例を積み重ねながら進めること
地域の特性や状況に合わせて、地域ならではの方策を地域の関係者で協議・検討すること
地域の様々な関係者の参画、取組の準備段階を丁寧に行うこと

「こうした実践を支えるため、手引きでは、各担当者の「役割・作業の明確化」を行い、「取組の進め方(実現ステップ)」を具体的に説明し、それぞれのステップで実施すべきことを明確にしています。」

手引きの活用方法

「この手引きは、読者として想定している観光を活用した持続可能な地域経営を実践する担当者である、自治体の観光部署やSDGs推進部署、総合政策部署、農林部署、教育委員会などの関係部署、また、DMOの皆さん等に向けたものです。」

農林とか教育委員会とか出てくるのね。DMOについてはここで多少解説した。

その先は読み方を指南。

手引きの「Ⅰ.観光を活用した持続可能な地域経営の意義・重要性」を読んで 関係者に説明できるよう理解を深めるべし。(本日の記事参照)

取組の全体像をつかむために、「Ⅲ.観光を活用した持続可能な地域経営の取り組み方」に載っている観光を活用した持続可能な地域経営の実際 Q&A を読むべし。

Ⅳ.観光を活用した持続可能な地域経営に取り掛かる準備」から「Ⅴ.観光を活用した持続可能な地域経営を実現する11ステップ」に沿って、取組を進めるべし。

取組を進める際には、「Ⅶ.先進事例」を適宜参照し、人材育成や専門家の 紹介・派遣などの支援が必要な場面では、「Ⅵ.観光を活用した持続可能な地域経営を支える仕組みに整理した各支援機関」に相談すべし。

手引きの目次を細かくしているので、その都度、必要な項目を参照するという使い方が可能だけど、初めに一度は通読すべし。このnoteでは毎日かどうかはわかんないけど、これから飛ばさずに記事を書いていくのでそれを通読してほしいな。

「資料編には、観光を活用した持続可能な地域経営の実践で用いることで取組を促進 する「経営支援ツール(様式1~9)」や取組の理解を深めるための関連資料を用意しました。 地域のなりたい姿を実現に導き、地域の総力を発揮するため、是非この手引きをご活用ください。」だってさ。

今日はここまで‼️
次回は「取り組み方」について書いていくよ🎶

おわりに

やっぱりインプット系は楽しいよね。

今日は別に新しい知識はそんなに入ってないけど、考え方を知ることができるのはいい。

こんなことをやりつつ、来週は #Clubhouse#インドの衝撃 ( #インド大学 )』で国境ツーリズムの話をするよ❗️

4月27日水曜20:00〜、お楽しみに🌟

それじゃあバイバイナマステ💚暑寒煮切でしたっ✨


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