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ここが違う!公務員と人材業界の比較〜私のカルチャーショック〜

私は人材業界に転職して2年目になりますが、今でこそ違いを楽しめるようになったものの、転職した当初は、前職とは全く違う環境に戸惑いと驚きの連続で、正直やっていけるか不安でした。でも、この気持ちは、公務員だから民間だからということではなく、転職経験がある方は誰でも少なからず感じるギャップではないでしょうか。

そこで、今回は私が感じたカルチャーショックを紹介したいと思っています!転職でのギャップが自分だけが感じるものではなく、誰もが感じることと思っていただけると少しでも気持ちが楽になると思います。
あくまでもこれは私が主観的に感じたことなので、へ~こんなこともあるんだ〜と思いながら楽しく読んでいただけると嬉しく思います。

社風、風土

転職してすぐ感じたのは「社風、風土」の違いです。
前職(公務員)では、トップダウン思考で、できるだけ上司に迷惑をかけないように自分たちがどう動くべきかが最優先でした。また、自分の意見はほとんど通らず、何をするにも「決裁」という概念で、上司に許可をとる必要があります。給与は年功序列で、能力のある人だけが階級が上がるわけではないので、正直部下が優秀な場合や立場的にも年齢的にも上である上司がその役割を担えていないという状況が多分にありました。思考性としてはどちらかというと変化を好まない傾向で、何か始める際には前例があるかどうかを逐一確認して慎重に行っていました。
一方、現職(人材業界)では、個人の意見を尊重・重視していて、極端ですが意見を言わないことを良しとしない風土でした。というのも、意見を言うことでお互いの気持ちを共有し、改善していこうという動きが強く、協働を重要視しているためです。できるだけ波風を立てないように自分の意見を言わないようにしていた私にとっては大きな衝撃でした。6年培ってきた公務員での思考をすぐに変えることは簡単ではなくて、今も苦労しているところでもあります。思考性としてはやってみたいと思うことや新しいことに対しては柔軟で、すぐに同じ思考の人とプロジェクトに発展する等、常に変化に富んでいます。継続できるかどうかは横に置いておいて、まずやってみるということを大切にしています。また、能力主義で成果が上がればどんどん階級が上がっていき、30代前半で1000万プレーヤーになることもあります。成長と変化を求められる社風であると感じました。


目標設定

定量・定性的な目標を分けて考えるようになったのも転職をしてからです。
当時、前職の私の部署では「新しい窓口業務の変革を目指す」というような抽象度の高い目標があり、そのための具体的な行動目標に関してはチームではなく、個人に委ねられていたため、その結果、目標や方向性がバラバラでチーム全体で共通の目標につながらなかったのかもしれないと思っています。職務上、定量的な目標を立てづらいかもしれませんが、定性的な目標のみを毎年掲げていました。評価の際には、定性的な目標だからそれを図る指標も定性的になるので、達成したかどうかということが上司も判断できず形だけの目標になっているように感じています。上司の裁量によって評価が変わることに違和感を感じる部分ではありますが、逆を言えば、達成したかどうかがわからないため、心理的安心感があるのかもしれません。
一方で、会社を成り立たせるためには業績をあげ、利益を生み出すことが大事です。そのため、抽象度の高い目標であっても、必ずその中には定量的な財務指標があります。そして、その財務目標がチームや個人ごとに割り振られ、各々が達成に向けて取り組みます。そのため、そこにたどり着くまでのプロセスは自由ですが、最終的な目標はブレないし、個人もチームも同じ目線を向いて取り組むことができます。また、目的が同じなので、周囲へのノウハウ・情報共有も積極的です。
これは公務員と大きく違う点だと思ったところです。


マネジメント

これは転職して初めて意識した言葉です。マネジメントという言葉自体は知っていましたが、実際にどうするのかということは無関心だったし必要ないと思っていました。もしかしたら公務員ではマネジメントということを実感することがなかったからかもしれません。
でも、同じ目標に向かっていくためには、グループやチームの士気を高める必要があり、そのためには「マネジメント」が不可欠だと感じています。なぜならグループの目標の達成はチームの達成で、チームの達成はメンバー一人一人の達成でもあるからです。自分さえできていれば良いではなく、ほかのメンバーがどうしたら上手くいくか、さらにはどうしたら動いてくれるかを考える必要があります。
トップダウンのように指示だけでは人を動かすことはできません。これは公務員の時には考えられなかった思考です。当時私の部署ではどれだけ知識を保有しているかで、仕事ができる人かそうでないかを区別していたため、自分の知識を他人に伝えてしまうと、他の人が知識を高めた際に、自分の立場が危うくなることを恐れるので、共有しない傾向がありました。だから、長く勤務している人がそこでの部署での権力が強くなり、性格的な要素もあると思いますが、お局様のような人が生まれ、新しく異動してきた人は居心地の悪さを感じます。これは完全な主観になってしまいますが、転職して最大の気づきは、知識のある人が仕事ができる人ではなく、人を動かしてチームをプラスに持っていける人が本当に仕事のできる人だと感じています。

労働時間・時間の使い方

今はコロナ禍でリモートワークが主流になり、通勤の負担は少なくなって前程労働時間も気にならなくなりましたが、それでも現職では長時間労働の傾向があり、転職した当時は体を慣らすのに時間がかかりました。また、分刻みで仕事のスケジュールが組み込まれるため、自分で裁量をもって業務をすることに始めは戸惑いました。1日(場合によっては1週間)の業務設計で優先順位をつけ、バッファを持たせた余裕のあるスケジューリングを自分で組み立てられると理想的です。そうでないと何をしたかわからないまま本当にあっという間に時間がすぎてしまいます。
一方、公務員の時は(私の場合にはなってしまいますが)、1日の流れの中にそういう分刻みのものはなく、何かに追われている感覚はなく、自分の裁量で早く終わらそうということも意識的に行う必要性を感じませんでした。もちろん怠けたいとかそんな風には思っていなく、きっちり仕事をこなしたいと思っていましたし、当時としては自分なりに効率的に業務をこなす努力もしていました。それでも、業務が時間内に終わらないこともあり、忙しく大変だなと思うことも頻繁にありました。
でも、転職して振り返ってみると、相対的な時間的余裕はそれでも当時の方があったように今では感じています。慣れって怖いですね。業務効率化を意識しながらより良い時間の使い方を日々模索しています。

以上が私の感じたカルチャーショックです。
どちらにも全然違う価値観があって、面白いなと思っています。この違いを知れるのも転職したからこそだと感じています。
辛いと思う時期もあったけど、人生一度きり。
今後もそのギャップを楽しめるといいなと思っています。

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