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一級建築士の製図試験当日に焦ったこと

 以前、一級建築士の学科試験を独学で合格した話の記事を掲載しましたが、今回は、製図試験についての記事を書きたいと思います。僕は、製図試験については専門学校に通い、1回目の挑戦で何とか合格できました。製図試験については、専門学校の指導に素直に従い、地道に課題をこなすのが合格への近道だと思います。したがって、これから試験を受ける人に対して、僕の方からは大したアドバイスはできません。なので、この記事では、僕が専門学校から教わったこと以外のことで、試験に対して感じたことを書こうと思います。気楽に読んでください。

本番の問題と学校の課題は結構違った

 僕が製図試験を受けたのは令和元年度で、「美術館の分館」という課題でした。受験生は、専門学校の講義の中で「美術館の分館」をいろんなパターンで設計しました。僕は、試験直前には「どんなパターンで出題されても多分大丈夫だろう。」と思うくらいの自信はついていました。しかし、試験当日に配られた問題は、専門学校の課題とは異なる点が結構あり、かなり当惑しました。

建築技術教育普及センターのHPに過去問が掲載されているので、よろしければ、ここから先は、過去問を見ながら読んでいただければと思います。令和元年10月13日実施の試験問題です。)

 まず、部門の面積のバランスが予想外でした。美術館の分館では、「展示部門」、「教育普及部門」、「共用部門」、「管理部門」を各階に配置する必要がありました。学校の課題では1階に共用部門と管理部門を置き、2、3階に展示部門、教育普及部門を置けば、だいたい何とかなりました。しかし、本番の課題では1階に置くべき部屋が少ないのに対し、2、3階に置くべき部屋が多く、納まりきらない状況となってしまいました。なので普段の課題なら2、3階に置く展示室などの一部を1階に持ってくる必要がありました。こういうトリッキーな課題は、専門学校で全く取り組まなかった訳ではないのですが、本番で出されると焦ります。したがって柔軟さを持って試験に臨むのが大切かと思いました。

 さらに、問題用紙の中で学校の課題では見たことのない書き方がされている部分を見落とし、かなり時間ロスをしてしまいました。それは、問題用紙左下の要求室の表の面積の欄です。大抵「約○○㎡」とか「○○㎡以上」といった表記がされているのですが、本番の課題では「約50㎡」と書かれている箇所がありました。僕は最初「各」の字を見落として面積計算をしてしまい、プランニングのタイミングで初めて面積が余分に50㎡必要だと気付きました。このミスのおかげで、かなりプランニングに時間をロスしてしまいました。問題文は固定観念を捨ててしっかり読むのが大切なのかもしれません。

落ちた…と思ったけれど

 試験問題に予想外のことが多かったため、解答用紙は埋めることができたものの、ゾーニングが綺麗でなかったり(共用部門と展示部門が交わってしまった)、部屋名を書き忘れたり、ミスが連発しました。試験後、「これは落ちたなぁ…」と思いましたが、結果は合格でした。
 したがって、エスキスが綺麗に決まらなくても、時間が足りなくなる前に、記述・製図に移り、解答用紙をしっかり埋めるようにした方がいいと思います。最後まであがけば、受かる可能性はゼロではありません。

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