見出し画像

短歌連作20首『生活』


寝ぼけてフレンド申請した相手が承認してくれた誰なんだ


誰一人胃腸炎にならないでほしい秘めたる切なる願い


飾らずの切りの人参敷きつめてそれが茹で上がるまで待つ料理


洗濯物を両手で持つところが好きと言ってでもウケたからよかった


一瞬はいい焼き加減になっていたはずの炭をかじる かじるのだ


早起きができたらインターネットの人がほめてたやつを食べれる


HPゲージ1ビットのおれが雨の降る中自転車に乗る


絶望を刷り込みと対決させて負けて明日も生きていきます


週末の予定を見返す 駅ビルのマッサージ屋とMTGマジックのwiki見る


人生がつらくて心もない人が人の中では一番好きだ


別に行かない回転寿司のチェーン店のメニューを見続ける日があった


おいこれピスタチオじゃなくて宇治抹茶じゃねえかワハハ フー…… 死にたい


雅代という人を心の中でガヨと呼んでいてとてもおもしろいよ


児童らの悲鳴通報しなくていいタイプのそれがどうでもよくて


何一つ昨日の自分を越えていない自分を肯定してはいけない


リリックと歌詞は観念的に違うらしくて受け止めるのは僕で


ゆらゆら帝国じゃなくて考え中どうして人を産むのだろうか


ああやっぱり我が家が一番だわと言う準備が先に出来ている旅


急死したとして私の短歌をね親が見つけたとして、としてね


おにぎりをフォークで食べている! あの子闇に囚われている! 変身!



#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?