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『女と猫は呼ばない時にやってくる』小池田マヤ

今日はあなたに手紙を書きます。
…というのはクラムボンの『便箋歌』という歌の歌い出しです。クラムボンが好きかは知らないけれどサニーデイサービスは好きっていってましたよね。
「私が好きそう」と教えてもらったマンガ、読んでみました。関西から転勤で東京に来た会社員の通称ヒラリーが、高円寺に住んで、飲食店の常連さんたちと仲が良くなっていく、そんなお話。うん、まずタイトルがしゃれてる。『女と猫は呼ばない時にやってくる』、これ調べたらボードレールの言葉なんですね。

主人公は詩を書くのが好きで、詩の雑誌に投稿をしている。彼女は東京の住処を投稿常連さんの住所である「高円寺」にし、猫を見たら必ず詩を書くことに決める。なんて魅力的な設定。店の売りはサラダとワインだとか、個性的な常連さんとか、店主や関西の元カレとはどうなるのかとか、すごく素敵な設定がいっぱい入っている。だけど私はそれを一つずつもっと丁寧に読みたいと思った。小さなコマにちょろっとではなくて、エピソードごとにページ見開きくらいで詩を綴るとか、毎回もっとサラダのメニューやワインになぞらえるとか。いろんな要素が詰め込まれているようだけど、もっと設定を活かせるんじゃないか。こういうことをあなたと話したら楽しいでしょう。あと、高円寺っていうより、私は阿佐ヶ谷、荻窪な感じがするんだけど…とか。

高円寺のある中央線沿線に住んでいて、好きなカフェの店主やお客さんたちと仲良くさせてもらっていて、こうして文章を書いている私、ということを知っていてこのマンガを薦めてくれてうれしいです。あなたが私とこのマンガを想起してくれたように、私もこの本を勧めてもらったことで、あなたに思うことがあるんです。

「文章やマンガをかいて。」1年前、文章やマンガをかきたいんだけど、って言ってましたよね。私の知らないところで、書いて発表しているんだったらいいんだけど(でも私は見てないから送ってください。)、でももしそうじゃなかったら、「やれ。」この間、私はものを書く人から「あなたには書くべき理由がちゃんとあります」と言っていただきました。うれしかったです。あなたも、そうでしょう?私は、そう思う。私はあなたと同じ種族として話がしたいです。

あなたがこのマンガを良いと感じるのは、あなたのロマンチックさと繊細さ、そして書きたい/描きたい気持ちが反応しているからだと思います。1年前も伝えましたけど、わたしはあなたの書く/描くものを見たいです。そして、そう思っているのは私だけではないはずです。

マンガ316 『女と猫は呼ばない時にやってくる』小池田マヤ

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