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『さめない街の喫茶店』2巻 はしゃ

ターキーやパンプディング、オートミール…と子供の頃、食べたことのない外国の食べ物を本で知る度に私はよくわからないおいしそうなものを精一杯頭に思い浮かべた。少し知恵と経験が増した今、食べたことのないものをより具体的に思い浮かべるようになった。漠然としていた昔より、今のほうがよっぽどおいしそうに思い浮かべられる。

例えば、「魔女工房のアニスケーキ」。アニスの香りを思い出せないけれど、多分ちょっと癖のある香りだろう。とりあえず脳内でクローブやシナモン、カルダモンなどを思い浮かべる。きっと生クリームで飾るようなケーキではないだろう。きっとパウンドケーキみたいなもの。フォークでひとかけ切り取って、放り込めばエキゾチックな香りが口の中に広がる。そして鼻から抜ける。ああ、コーヒーにしようか、紅茶にしようか。敢えてのチャイ?ああ幸せ。

魔女工房のアニスケーキのほか、くしゃくしゃのパフェ、お願い作ってわがままスコーン、ラベンダーシュガー、スタッフドアップル、とよくわからないけれど、素敵でおいしそうな食べ物がレシピ付きで毎回登場する本作。主人公のスズメちゃんはある日、夢から目覚められなくなり、「ルテティア」という街に紛れ込み、その街の喫茶店に住み込むようになるのだが・・・というお話。なぜ目覚められなくなったのか、この街の秘密、仕組みがなんなのかが次第に明らかになる完結巻。

素敵な隣人たちがいて、焼き菓子とコーヒーのおいしい香りが漂い、時に月が2つ空に浮かぶ街。私が夢から醒めたくなくなるような街は、どんな町なんだろう。そして、私は何の役割なんだろう。ふと考えてみた。

★クイズをひとつ。シュガーローフを使ったファイヤーパンチ」ってどんなものでしょう?ヒント「飲んでみたい!」答えは第2巻に。

マンガ317 『さめない街の喫茶店』2巻 はしゃ

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