帰りたい場所は、あの空の下
たぶん、ひどいホームシックなんだと思う。
何度も自分に言い聞かせたし、今すぐ戻る選択肢よりももっと「ちゃんと」考えてから動かないと、そのために計画しないとってずっと考えていた。
それで納得したつもりだった。
だけど、時々とても苦しくて辛くなる。
今一番いたい場所と、目の前の現実が違いすぎて胸が張り裂けそうになっていた。
そんな時、マッシさんの言葉が目に入ってきた。
マッシさんは石川県に住みながら現地の食を発信し、次の移住地である東京で新しい生活を始めたのだった。4ヶ月ほどで石川県に戻ることを決意、その報告をTwitterにあげていた。
「帰るべき場所を考えた時に、石川県しかないと感じました。」
ああ、こんなふうに考えていいんだって思えた。自分が本当にいたい場所にいればいいんだっていうのを思い出した。同時に、わたしはなぜ今の環境に「いなければいけない」って思い込んでいたんだっけ。
「好きなことができても美味しいものを食べても、大事なのはいる環境なのだということです。」
ああ、これだ、と思った。今いる場所は、住み慣れているから特に困ることはない。必要な用事を済ませるにはどうすればいいかわかる。だけど、ずっと(いつからだろう)、ここの社会に属している感覚が持てないのだ。住民票という形でも、実際に過ごしてきた今までの時間でも、確かに体はここにあるんだけど何かずっと空っぽの部分が埋まらなかった。
そして、それはここにいればいるほど大きくなる。
引っ越せば問題が全部解決すると思ってるでしょ?と言われたこともあった。行きたい場所を理想化してるとも。実際、引っ越すことで今抱える問題の中には解決するものもある。行きたい場所がやたら眩しく見えているのも自分でわかってる。暇があるから考えすぎなのでは?とも言われたこともあるし、自分でもそうなのかもと考えてみた。でも、そんなこと言ったって、誰も「今より味噌糞な暮らしを求めて引っ越します☆」なんてことするわけないじゃん。上のことを言ってきた人たち自身も移住者なんだけど、「自分は苦労してきたのに!そんな軽々しく言ってきて!」と言いたいのかなとも思った(邪推)。
…もういいや、他の人が言うことは。
2ヶ月以上経つのに、今も帰国直後の気持ちと変わらない。わたしが帰る場所はもう決めてある。
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