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人生で一番美しい夜、メキシコでのサイケデリック体験

はじめに

シロシビンは日本では麻薬及び向精神薬取締法により使用・所持することは禁止されています。私は日本において法を遵守していますし、国外でこれらの物質が違法でない地域においても、幻覚体験を単純に勧めるものではありません。しかし、サイケデリック体験を含めて変性意識全般に大いに興味をもっていて、私自身の体験もその一つとして共有したくこの記事を書きました。

こちらの記事は前回の続きです。

セレモニーの始まり

いよいよアブエリータに連れられ、下の階へ。曲がった所にある小部屋がセレモニーのための場所のようです。

普通にダンボールとか置いてあってさらにおばあちゃんちの倉庫が。。一番奥の壁一面にマリアやイエスのポスターや捧げものが飾ってある。アブエリータがその飾りの前に置いてあるたくさんのろうそくに火をつける。

私とのっぽ君の名前を聞いて、儀式の言葉をお経のように唱える。セントサンドロイシグロ、のような言葉を呟いていたので、オアハカにまつわる聖人の名前かもしれない。始まりの儀式が終わると、アブエリータはネスカフェの瓶からそれを取り出して、私とのっぽ君の前に差し出す。

ゆっくり食べるようジェスチャーを交えてアブエリータが言う。

はちみつ漬けになっていて少しもさもさした小さなもの、7つくらいだったかな。

ゆっくり食べた後、めまいがするかもしれないから気をつけて、と言い残し、アブエリータは退室。

でも、特に何も変化は感じない。何だろう、この状態、と思っているとのっぽ君も、「これ本当なのかな」と呟く。とにかく黙ってそれぞれベッドで座り続けた。

私が体験したビジョン

しばらくすると旋回しているような感じ。もしかしたら効いてきたのかな、と思って横になる。

すると、なぜだか、すっごく楽しい気持ちが腹の底から込み上げて、堪えられずに声をあげて笑い始めた。のっぽ君はまだ効いてないようだから少しはこらえようと思ったけれど、止まらない。

「あはは、ごめん、、これ、きたかも」

最初に現れたのが、フンデルトワッサーの絵画のようなイメージ。太鼓のようなドンドンと愉快な感じの音も聞こえてきて、その音と一緒にフンデルトワッサー調の赤や青、黄色の輝きが暗闇の中でどくどく動いている。

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上手く描けないけど、こんなイメージ

その後、すごく明るくなってきた。内なる光ってこういうことか。たくさんのイメージが現れてどれも驚くくらい強烈。手先が煙のようになったり、その時にあぁ。これが不思議の国のアリスの青虫の感じかぁなんて妙に関心したり。そこから糸のように意識が上っていく。ふわっーと。糸も伸びていく。糸で聖なるイメージをつむいでいく。オレンジと緑の糸が巨大なクリーム色の布に編み込まれていく。そうか。縫うことは私たちの中にある聖なる力に近く行為なのか。

いくつものイメージが次々と現れる。時々、アブエリータやってきて歌ってくれる、すると、彼女の優しい歌声に合わせてピンク色の光がじわーーーーっと光る。あんなに光に包まれたのは初めてのこと。目を閉じているにも関わらず、今まで見たことのないほどの明るさで、歌声に乗ってオレンジ色だったり黄色くなったり色味が変化していく。すると体の内側から砂丘が出来上がるような、じんじん暖かくなるような官能的な波が立ち上がってくる。

セレモニーの間に一度雨が降り出した。その雨のさーーーっと降る音を聞いた瞬間私のベッドは壁沿いに置いてあり、その壁にエジプト風の壁画が現れた。何人もの男たちが船を漕いでいる。壁を抜けてこの街にふる雨を身体に浴びているような感じ。

ヴィジョンの最後の方、青い光り輝く管にたくさん囲まれた。映画のアバターのラストのシーンのように光り輝く蔦がそこら中に伸びていく。

4時間か5時間かうろ覚えだけど、ある時間になるとアブエリータが起こしに来てくれて、温かくて甘いミルク入りのコーヒーと甘いパンをもらった。私はまだ夢心地で、アブエリータが歌ってくれた歌を歌ったり、スケッチしたりして、外の夜の冷たい空気に当たりながら、今、ここにいることに感謝の気持ちでいっぱいになった。

全てが繋がっている感覚、とよく表現されるが、まさにそう。今まで生きてきた35年の人生の中で一番美しい夜だった。






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