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家具職人の仕事1・不器用で向いてないけど矯正として合っている話

私は家具職人に向いていない。
好きと得意とは違う、
不器用で向いてないから辞めろと
ハッキリ言われ続けたのにしがみついた
痛い若かりし修業時代の話↓

家具職人への道9~道具の手入れ漬けの日々~


あの頃は適性などで自分を分別出来ず、
根性・やる気でなんとかなる
努力すれば上達しプロになれる

信じてやまないため、
向いてない・鈍臭い・辞めろ
という言葉を浴びて落ち込むほど
逆にパワーアップして持続した。

周りの人が3回でコツを習得しても
私は30回でやっとこさできても
寝たら振り出しに戻る…を繰り返す。

とにかく周りがイライラするほど
見てられない不器用で向いてないのに
自分だけはやればできると
時間を費やし頭の中も支配されていた。

いわゆる過集中状態で
ずっと作業のこと考えて
落ち込んで泣いてストレスになって
それでも執着して苦しいはずが、
いつか出来るようになると楽しくなる!
と根拠のないポジティブ思考で
周りの評価を無視して時間を費やした。
(無給だから良かったのもある)

これは美談ではなくイタイ話。

私と同じように不器用で苦しい人には
勧めないし真似しろとも言わない。
やはり向き不向きはあって
現代では向いている場所で輝く方が
成功や安定した精神と生活が手に入ると思う
(どっぷり浸かれる経済力や趣味なら別話)

私は不器用で向いてないまま継続し
無駄に心疲労を積み重ねて
ウダツが上がらない日々を恥とは思わず
やればできると信じ続けたのは

法隆寺の宮大工さんの西岡棟梁や
お弟子さんの小川三夫さん、
鵤工舎の皆様の書籍を読んだから。

木のいのち木のこころ は特に励まされた。
それがいいか悪いかやればできるの過信で、
家具職人の先輩方に心底罵倒されたり
邪魔と言われたり鬱陶しそうに無視されても
修業の一貫、厳しい有効な指導だと勘違い…
今改めて考えると本当に嫌われてたとわかる。

では、向いていないのに
矯正として合っていたとはどういうことか。

相変わらず自分基準で申し訳ないけど
家具職人の作業は自分の欠点が浮き彫りになり

参照→ 家具職人への道10~修業は守破離が大事
家具職人への道18~木工所見習いデビュー体験談~
など

この頃は気付いていないけど介護で気付いた
自分が遺伝的に潜んでいるものも含めて
矯正すべき問題がかなり改善されていることと
やっておいた方がいいことができている。

・周りを配慮する調和を考える
・整理整頓や段取りが身につく
・不器用、バカだと知ることができた
・口先で生きてきた無知の改善
・身体を動かす体力・健康の維持
・手先を動かす脳の刺激
・集中することで憂鬱や雑念が消える
・家具作りが好きでやりがいを感じる

などなど個人的な部分で
向いてないけど助かっている部分が
すごく多く心底家具職人の道を経験して
自分だけのことを考えたら正解だと思う。

違う道で得意を活かせば稼げたかもしれない。
でも私自身の欠点で修復しにくい部分は
そのままだからトラブルやストレスが
相当多い上に、性格も悪いままで
迷惑行為にも気付かない傲慢なおばさんに
なっていた恐れもあるし

整理整頓がとてつもなく苦手で
時間の浪費をして自分が困るだけでなく
周りも不快にしていたかもしれない。

身体を動かさない日常で面倒臭がりの為
不健康な老後になっていたかもしれない。
鬱傾向にあるので夢中になれて落ち込む本性が
出る前にスキルを身につけて誤魔化せた。
とにかく自分は家具職人に進んで良かった。

最後に。
向いていないけど継続した慣習からか
独立後も納品してクレームはないので
仕事として最低限のスキルは身についている筈

お客様から仕事依頼がありやりがいをいただき
自己肯定感の低さから助けられています。
本当にありがとうございます。

今は本性が出て自分が精神的に落ちている為
お客様の大事な想いを抱えて製作に挑めず
新規受注は停止しています。

得たスキルを失わないよう種火してますので
元気になった際によろしくお願いいたします。

⇒ 家を売る女から家具を作る女から職種は関係ない人へ

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