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Arrange #03 少女レイ (みきとP feat. 初音ミク) / Shoujo Rei (MikitoP feat. Miku Hatsune)




I. 楽譜がなければ作ればいいじゃない

「少女レイ」を弾きたいなと思ったのだが,調べてもちょうどいい楽譜がない.YouTubeに上がっているものは明らかにコードが間違っていたり,伴奏が気に入らなかったりする.かといってぷり○と楽譜や@EL○SEは高いし,調べた感じ中級までしかないので物足りない感じがする.

なら自分で作ればいいじゃないかということで作ったのが今回のこれである.万が一音やコードがミスっていても自分用に作ったものなのだから,自分から聞こえている「少女レイ」が私のピアノから鳴ればそれで事足りるのである.

流石に原曲を知らぬという人も少ないとは思うが一応原曲を貼っておく.

ただし,今回採譜したのはこのバージョンではない.EXIT TUNESから出ているコンピアルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocaloseasons feat. 初音ミク ~Summer~』に収録されているバージョンだ.

niconico/YouTube版とコンピ版で異なる点は最後の終わり方の違いで,前者は楽器隊がブツ切りになって最後は踏切の音で終わるのに対し,後者は楽器隊がそのまま終わらせるといったような形だ.あいにく私がいつも使っているmoraでは配信されていないが,レコチョクでは配信されているので,買って聴いてみるといい.

元々このVocaloseasonsのシリーズを全部持っていた関係でこの少女レイを知ったので,投稿されているものよりもこちらに収録されているものの方が聴き馴染みがあるのだ.投稿されているものをタダで聴いて楽譜に起こして勝手に楽譜を売って荒稼ぎしている奴らと比べて,自ら金を出して買ったものを聴いて楽譜に起こしてそれを売るわけでもなく当然無償で公開する私の何と優しいことか.


II. 解説

敵を作るのはこの辺にしておいて,以下解説.冒頭,nettamenteは「爽やかに」という意味.この曲にはうってつけの発想標語であろう.

[A]は左手のDM9の9thの音をどうしても入れたくて,無理して空虚五度を重ねる形にした.手が痛い.私の指でギリギリ届くレベル.男とか手が大きい人ならこういうのも楽なんだろうなと思うと男に生まれてみたい気もする.ここの最後のA7sus4がエロい.普通ならF#m7とかAM7にしたいところを敢えてのA7sus4.独特のえぐみと浮遊感を上手く取り合わせた采配と言えよう.

[B],[C]は普通にA,Bメロで,これといって変なことはしていない.ただ[C]の伴奏はこだわったポイントで,他の編曲を見ると,下図αのような単純なオクターヴ伴奏を採用しているものが多い.

[図α] オクターヴ伴奏

しかしこれだと少女レイの独特の疾走感は出ない.ここは多少リズムが取りにくくて忙しくなってでもギターのリズムに寄せるべきだと思い,図βのようにした.

[図β] ギターに寄せた伴奏①

また,[C]の最後の処理も悩ましく,ギター自体はE7→A?で動いているのだが,ベースだけシンコペーションで半音ずつ下降する形になっている.ただこれをピアノでやろうとすると音が濁ってしまう&左手がかなり大変になるので,ここではギターに従うことにした.[D]はCメロ.左手をピアノらしくアルペジオにしたこと以外は特に言うことなし.

[E]のサビの伴奏もこだわったポイントである.ここもほとんどの編曲は図αの伴奏を採用しているが,これでは味気ないので,以下のようにした.

[図γ] ギターに寄せた伴奏②

頭の拍だけギターのフレーズに寄せ,後半はαの伴奏系にしたのである.こうすることで少女レイの爽やかな疾走感を損なわず,のぺっとした感じになることを避けられる.

[F]の主旋律の処理も悩ましいところだった.他の譜面を見てみるとこの主旋律を左手に配置している場合も多かった.ピアノの編曲としてどちらの響きが相応しいかを考えた末私は右手に配置することにした.

これ以降は正直言うことがないので割愛する.唯一,最後の[R]の終わりがこだわったポイント.先述した通り,これはコンピ版の終わり方である.私がリサーチした限りこちらのバージョンを採用している譜面はなかった.恐らく私が初めてだろう.


III. あとがき: 音源は極力買うようにしている話

私は中途半端にデジタルな人間である.クレカやモバイルSuicaは使うがQRコード決済は絶対使わない.楽譜データを買うことはあるがタブレットで楽譜を見ずに必ず紙に刷る.そうしたものの一つに,音楽の聴き方がある.

個人的信条として,ストリーミングサービスは絶対聴かない.一応YouTube PremiumにYouTube Musicがついてくるので聴こうと思えば聴けなくはないが,普段使いしようとは思わない.

ではどうやって聞いているのか.YouTubeの動画をダウンロードして音源だけ取り出している……というわけではない.そんなことしたら規約違反である.音源は配信サイトで購入するのである.今の時代個人でも音楽配信が容易に出来るため,大抵どこかしらのサイトを漁れば購入ページが見つかる.

最優先で使うのはmora.特にこだわっているわけではないが,一番最初に使ったのがここだったからずっと使っている.同人作品だとBOOTHにおいてある場合もある.moraにもBOOTHにもなければ次点でAmazon Music.AMにもなかったらレコチョクとiTunesを漁る.ここまで探してもなかった場合はCDを買う.そもそも音源化されていない場合は,近い将来音源化されることを願ってYouTubeの再生リストなりniconicoのマイリスに保存しておくのである.

元から,良いものには積極的に金を出したい性質である.いざ引退とかになって「陰ながら応援してた」なんて誰でも言える美辞麗句は死んでも言いたくない.良いと思ったなら声に出さずとも金は出せと思う.

iPhoneではなくAndroidを使っているのもこういう部分が大きい.PCはWindowsを使っているのだが,Windowsとファイルを同期するにはAndroidの方が圧倒的にやりやすい.iOSはiTunesを噛ませなければならないが,Androidはモバイルバッテリーに使っているようなTypeCケーブル一本で済む.また,本体のストレージ容量にプラスしてmicroSDカードで容量を拡張出来る.iPhoneだとストレージを追加できないので最初から容量の大きいものを買わざるを得ないが,総じて高い.また,ストレージは本体と共有なので,万が一データが逝くとかなり面倒なことになるのである.

今の私の場合,ストレージ容量128GBのXperiaにSanDiskの512GBのmicroSDを挿して約640GBの容量がある(実際は1G=1024MBの呪いがかかっていてこれよりは少ない)のだが,既に大体360GBは使っている.そのうち音楽ファイルの割合は堂々の200GBである.ここまで容量が大きいと全部FLACにして入れても容量があまりあるのが良い.

サブスクリプションではなく購入の良いところは当然ながらオフラインにしておいても聞ける点だろう.サブスクリプションだと通信量の問題は避けて通れない.また,そんなに聴かない月があっても無駄金を取られることもない.

CDやダウンロード販売はあるけどサブスクはないという曲はたまにあるが,その逆,すなわち,サブスクにはあるけどCDやダウンロード販売はないということはほぼないため,「このサブスクにあの曲入ってない!」なんて歯がゆい思いをせずに済むというのも良いところだろう.

推し曲は金出して聴こうな.


IV. クレジット

作曲: みきとP (@mikito_p_)
編曲・執筆: kyoka (@kyoka20011218)
浄書・動画編集: Noah
見出し画像: さっとん

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