見出し画像

映画グローバル時代に昨年施行された出入国管理法の改正は映像制作のグローバル化の足枷になるか?

映画を始めとするコンテンツのグローバル化についてはこのnote記事でも何回も書きました。その背景にて海外のフィルムメーカーで「日本で撮影したい」と考える人たちが非常に多いことも述べました。

その関係でいくつかの撮影案件をこなしましたが、昨年8月に施行された新入国管理法の順守するように法務省ならびに担当官庁である出入国管理庁から通達が来た関係で、弊社も現在取り組んでいる案件に関して法令に沿った対応を行うようにしていますが、これがなかなか曲者です。

■在留資格「興行」に係る上陸基準省令等の改正について
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/10_00150.html&fbclid=IwAR0-GEbQXEllozA0hqiIaw6f405sgNconGQzdUInviQOoMM2NWhh176iNQc

具体的には「在留資格認定証明書」(Certificate of Eligibility-通称COE) を海外のアーチスト、キャスト、制作チームのために取得し、「業務」が行われている期間中に「業務を日本国内」で行うことを法的に可能にするためで、海外のアーチストの日本のツアー(コンサート)とか日本での映画やドラマ撮影等が対象になります。その仕事の業務に関わる人全てがページの表紙の写真のような「在留資格認定証明書」を取得しなければならなくなりました。

勿論外国人でも日本で就労ビザを既に獲得している人は対象外です。海外に在住している日本国籍の人も対象外です。

しかしハリウッドや海外のフィルムメーカーの人たちが撮影のために来日するときは必要です。但し「業務」でも打ち合わせとかマーケテイングといった目的の場合は必要はありません。「在留資格認定証明書」を得るためには必ず契約書もしくは発注書といった「業務で来日する」ことを証明しなければなりませんので、契約や発注の前の訪問ならば観光ビザでの入国は可能です。(但し撮影、演奏、出演等の「興行的」な行為をすればアウトです)

在留資格認定証明書」は3か月単位で行い、あらかじめその中の何日を業務に使う、ということを入管に伝えなければなりません。例えば業務が14日単位で入管に知らせて、有効期間が3か月だから業務を14日を3か月行ってしまったらアウトです。この辺は入管は非常に厳しくなっています。

さて現在内容は開示できませんが、インドのトリウッドのキャスト+クルーの日本での撮影のために弊社で「在留資格認定証明書」を取得し、それを先方に送って現在インド国内の日本総領事でビザ発給を待っているのですが、これがなかなか手間取っています。要はインドから大量の撮影スタッフが日本に行く、という「前例」があまりないことで日本総領事が躊躇している、ようです。

この入管法の新制度は確かに業務での入国ということをはっきりさせる意味ではいいのでしょうが、この「在留資格認定証明書」のプロセスがあるため従来の工程より2か月から3か月くらい、多く見なければなりません。そして申請は個人でもできますが、なるべく「在留資格認定証明書」について詳しい行政書士さんにお願いした方がはるかに無難です
特にキャスト+クルーが大量にいる場合は費用的にも高額になります。

特に今回相手国の領事館でビザ発給が滞ると、業務の予定まで滞るのでせっかくグローバル化で映画製作が活発になっている現状に水を差す結果にもなりかねません。

そういう事態を避けるためにも入管事務局や領事館には迅速な対応をお願いしたいものです。
新制度になってまだ入管の職員も領事館も慣れておらず戸惑っているのはわかりますが、ある程度軌道に乗れば現在かかっている2-3か月をせめて半分にしてもらえないか?と期待するのは無理でしょうか?
でないと出入国管理法の改正は映画、映像制作のグローバル化の足枷になる危険性もあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?