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太陽

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壱貫亨司詩作集め
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2021年5月の記事一覧

垣間見る

共同主観の点滴に 言わずもがなの疑いを 見つけたところで詳らか とは言え叶わぬ逸脱者 共同…

壱貫亨治
3年前
20

梯子

終わらない 梯子があったら 良いのにな 屋根より高く 針葉樹より高く 山の頂きよりも高く 羽ば…

壱貫亨治
3年前
22

雨がふり 日がそそぎ 風そよぐ 土にうもれた 花のため 愛してる さようなら いつまでも 忘れな…

壱貫亨治
3年前
26

レギオン

愛しい人の存在は 面影残した爆心地 償いすらも吹き飛んだ 人はケモノになるものだ 耳朶齧る…

壱貫亨治
3年前
20

どうして

どうしてお腹が減るんだろう もう満足したって言ったって 止まらぬ時間に削られて どうして眠…

壱貫亨治
3年前
17

ありがとう

ありがとう 別に理由が無くたって 言いたくなるよな時もある ありがとう ぶっきらぼうは仕…

壱貫亨治
3年前
18

バスに乗って

悲しい奴は悲しみに 気付く間も無くバスに乗る 席を譲って吊革に 善意と悪意をぶら下げて 卑猥な微笑の喉元を スマホに隠して流し込む 寂しい奴は寂しさに 向き合う前にバスに乗る 英雄豪傑お好みで 中身は三度の飯の後 とっぽい夢の黄昏に 仮想敵国産み落とす 哀れな奴は哀れみに 噛み付きながらバスを待つ バスに時刻も駅も無い いつも何処かで走ってる バスが決まって止まるのは 乗りたい奴が居る所 バスに乗れたら一安心 そこで世界は閉じるから

快晴

失くなりそうな空の青 揺蕩う無限の物語 木立は温もり灯しつつ 騒めく風に身を委ね 舞い散り揺…

壱貫亨治
3年前
22

ウロボロス

初めの初めに在ったもの 終わりの終わりに在ったもの 命の秘密は隠されて 嘘つき同士のマスゲ…

壱貫亨治
3年前
17

見たくないのに見えている

見えてる事は本物か 聴こえる事は本当か 感じる事は本心か 見るに及ばぬ他人事も 聴くに及ば…

壱貫亨治
3年前
20

感謝を伝える事もなく

まるでゼロから積み上げて ぼやけた輪郭整えば 何やかんやと言い始め 協力偽善の面構え 形が…

壱貫亨治
3年前
25

名無し

散々自分を垂れ流す 洒落た皮肉の一つでも 浮かばぬ知性の軽薄に 否定と侮蔑が決め台詞 腹が…

壱貫亨治
3年前
20

約束

ゆびきりげんまん ゴミで作った夢の島 車掌の居ないモノレール ゆびきりげんまん 半袖短パン…

壱貫亨治
3年前
23

天性

天衣無縫の存在を 求める心は怠け者 虹を渡って消えてった 集合住宅非常ベル 永年無視した代償に 憂鬱に湿った導火線 往生際が悪いから 百円ライター溜め込んで 時折人目を忍んでは 火花を散らしてみるものの 点かない事を見届けて カウントダウンを先送り 有象無象も綯い交ぜの 留守番電話のメッセージ 途切れ途切れてただポツリ いつか必ず発破する