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肌寒さは一夜毎に 音を立てないような 美しさでもって 車のボンネットや 足元の雑草 星々の光…
消灯後 見えざるものが 遊び出し 了承も 得ずに無断で 跳ね回る 深海に 響いたソナーの 残骸…
太陽は低い姿勢 冬の坂道の傾斜 空気を吸い尽くす そんな光源 空は薄まる青 背景から全景へと…
花が散ったら 可愛い林檎 冬になったら 真っ赤な林檎 皮を剥いたら 裸の林檎 かじり付いた…
冬の美貌はまだ来ない 深夜に防災ベルが鳴る 木霊が行き場を見失い 新たな詩篇を紡ぎ出す 寿…
荷物は少ない方だ 移動も楽だし 準備の手間も省ける 物臭と言えばそうだが 合理的と言っても差…
俺を呼ぶ声 聞こえたぞ 今すぐ行くから 待ってろよ いつもと同じ風景を 蹴散らしながら 走れ走れ走れ これまでの記憶達を 激しくなる息遣いと共に 手繰れ手繰れ手繰れ お前の名を呼び 鼓舞し続けるのは俺だ 泣くな泣くな泣くな 俺を呼ぶ声 聞こえたぞ 今すぐ行くから 待ってろよ
うすら寒い空気 湿っぽさは 気怠さから 冬の萌芽を匂わせ 結界のように 反響する虫の鈴 時折 …
