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夜のイトマ

うすら寒い空気
湿っぽさは
気怠さから
冬の萌芽を匂わせ
結界のように
反響する虫の鈴

時折
流れ落ちる
真夜中の行進
その最中に
立ち尽くす
自身における更新

贈り物の過ちか
幸いへの正しさか
誰に訊こうか
誰も居ないが
誰に訊こうが
望む返答があるまで

少し淀み始めた
私の想念を
強制排気しようと
換気扇を回す
その音は
耳障りな心地良さとして

夜のイトマに

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール