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スローテンポ

肌寒さは一夜毎に
音を立てないような
美しさでもって
車のボンネットや
足元の雑草
星々の光度に
淡々と募り始めた

ずいぶんと聴き慣れ
彼此長い付き合いだと
錯覚していたような
羽虫の透明な共振も
スローテンポに
歩みを合わせ
消えてしまうまで

ずっと此処に
ずっと此処に

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール