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壱貫亨司詩作集め
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2022年7月の記事一覧

偽証罪

人は誰でも嘘をつく だから世の中回るのだ 嘘を暴いて声高に ネットの網目を這いずって 喰わ…

壱貫亨治
2年前
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骨董屋

白檀香の縞模様 桐の箪笥に備前焼き 茶運びカラクリ骨董屋 主人は常々座位のまま 首からルー…

壱貫亨治
2年前
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戸車

扉の建て付けが悪くって 重たくってしょうがない 専門知識もないもんで ゆすってこすって持ち…

壱貫亨治
2年前
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考えごと

考えごと アンニュイ虚ろな閃きに ガタガタゴトゴト     考えごと 考えごと 付録の溜め息…

壱貫亨治
2年前
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終わりの夜明け

終わりだ 夢や恋ばかり語る エンドレスの流行歌 終わりだ 平和的幻想を謡う 商業ベースの感動…

壱貫亨治
2年前
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破けた心の置き手紙

破けた心の置き手紙 あなたが読むのはいつかしら わたしが書くのは誰のため わたしは一人じゃ…

壱貫亨治
2年前
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じいさん白いチョビ髭で 風呂場でカミソリ手に持って 時々血を出す風呂上がり おやじは濃いめの髭もじゃで 年に数回スッキリと 剃るけど誰も気も付かず 僕はペーペー一市民 髭を剃るのがお似合いの 思想を持たない哲学者 お陰で何時も伸びてくる 髭を剃る度よみがえる 二人の髭とあの頃が 少しくらいは話せたら 今の暮らしと僕のこと なんなら髭でも伸ばそうか

僕を好きな人

僕を好きな人 一人くらいはいるかしら 僕を嫌いな人 一人もいなけりゃいいかしら 好きは好き…

壱貫亨治
2年前
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配達員

シーソーペダルを踏み鳴らし 砂利道私有地午前四時 何処からともなく現れて あらゆる音を道連…

壱貫亨治
2年前
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夜明け前

仄暗い青に染まる 四角い窓の縁 丸まるような 膨張の臨界点から こぼれ落ち じわりと染み込…

壱貫亨治
2年前
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君は転生

昨日の私は消えたのか そんなあなたを抱きしめる 今日の私はどこにいる そんなあなたを呼び止…

壱貫亨治
2年前
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猫の背中

猫の背中は猫背かい 無断で名付けただけでしょ 猫の背中は伸びもする その分それだけ縮みこむ…

壱貫亨治
2年前
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スケジュール

スライドパズルのスケジュール カチャカチャガチャガチャ動かして 時々滑りが鈍くなり 居直る…

壱貫亨治
2年前
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来訪者

予定はない 約束もない それがサイン 期待もない 不安もない それはウソ 足音に 気付かないまま 響く呼び鈴 覗き込む ドアスコープ 私はサカナ 開けれない ドアだけが 私を知る