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待合室の空気は 端正に整えられていて 賞状やら感謝状だかが 真っ白な壁面に 剥製みたいに張り…
待ち人来らず 名前も顔も声色も 忘れたけれど知っている 待ち人来らず 約束日時の誤りか それ…
朝の光に目を覚ます 花は七色虹の跡 風と戯れ踊るのは 滴覗いた万華鏡 身支度済ませたシジュ…
望みは何だと問われても 特段何にも浮かばずに 無難な回答転がして ドラムロールのルーレット…
ネコはワンコのメシを食い イヌはニャンコのメシを食い お互い様だと見つめ合う 食後にオヤツ…
静かな夜に雨の音 落ちては消える一滴の 声は重なる日々の跡 静かな夜に雨の音 刻み続ける永…
風の随に佇んで 触れ合う事を願いつつ 奏でる調べを拾っては 付かず離れず傍に居る 風の随に見送った 去り行く影の数を知る はぐれた未来の夢の中 腰を落として過ごすだけ 風の随に星月夜 優しく流れる悠久に 時にはこっそり身を起こし 自由の翼を羽ばたかす 風の随に通り雨 揺れる柳とアマガエル 喉を鳴らして雨宿り 雨粒落として目を合わす
見慣れた景色の一部でも 戻らぬ日々に変わりなく 別れた後は忘れても ほのかな想いは生きてい…
カーテン越しに目覚ましが 寝顔眺めて深呼吸 今日の予定のメモ書きを 光に透かして遊んでる …
二人は何時も一緒だった それが当たり前だったから 記念日も無く贈り物も無かった 何もない事…
細い路地 急勾配の階段 苔生した石積み 日毎移ろう色と影 通りすがりのすれ違い 朝は言葉も温…
棚から落ちた写真立て ガラスが砕けて飛び散った 拾った写真に写るのは 此処には居ない人達で…
雑草と石とゴミとが混ざり合い 日陰のせいで何時も湿っている 何年も何年も放ったらかしにされ…
動機も忘れた切望は 未練がましい腐れ縁 頭の片隅陣取って あれやこれやの浅はかさ 心の糸を切り刻み 風の随に彷徨いて 首尾良く為し得た気紛れに 神の陽炎真に受ける 思いつくまま生きるのは 自由気ままな不自由さ 手にした願いの行く末に 幸せ数える不幸者 止まない頭痛に悩まされ 唇引き攣る微笑みを 鏡に映して目を逸らす こんなはずじゃ無かったと