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壱貫亨司詩作集め
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2021年8月の記事一覧

草茂る頃

草茂る頃 あれはいつだったか 鮮明な記憶と裏腹な カップに残した心葉を 覗き込むのも億劫で …

壱貫亨治
2年前
73

忘れていく人

今しか生きれない その今を忘れていく 不安だけが友人 人気の無い旧校舎 置いてきぼりの錯覚 …

壱貫亨治
2年前
73

生きていら

生きているけど死んでれら 被害届けのサイン会 心の扉はQR 死んでいるけど生きていら 山で朽…

壱貫亨治
2年前
59

さらば俺

どれだけ立派な事をした 死んだらお前に言える事 俺にはちっともわからねえ だからお前に言っ…

壱貫亨治
3年前
64

何もないわ

あんたがあたしに言った事 どうせ覚えちゃいないって 分かっているわそんなこと 気まずくなっ…

壱貫亨治
3年前
81

話し相手

お喋りそれほど好きじゃない そのくせ案外饒舌で 茶色の眼を見開いて 遠くを眺めて目を逸らす …

壱貫亨治
3年前
70

幸福商店

もっさり不器用 その日暮らしの無感情 心は誰にも見えないが 生きる姿は隠せない 幸福商店買い出しに 意中の品を見かけたら 手にするために汗を掻く 時には誰かを蹴落として 努力という名の欲望に 手にしたものは姿変え タスキを繋いで倒れ込み 美談と騙れば気も紛れ 幸福商店買い出しに 欲しいものなどないだろう 手ぶらで歩く腹を据え 時には誰かに絡まれて 苦悩の純度を高めたら いったいどんな音がする 悲劇は誰が名付け親 俺の名前も知らないで

疑わしきは罰せよ

実刑判決推定無罪 隔離隔絶体温計 透明バリアで遠去かる ポッケの飴ちゃんベタついて 孤独を…

壱貫亨治
3年前
71

足音

誰かを待っているから 階段の下 音を消していくと 地下の密室 聞こえないが溢れる 湿り気と薄…

壱貫亨治
3年前
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いつも端っこ座ってる

いつも端っこ座ってる あの子の名前はなんだろな キョロキョロお目々に三つ編み揺れて お話し…

壱貫亨治
3年前
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棒っきれ

棒っきれが 無造作に 寝っ転がる どこのどいつだい お前の正体を 誰が知っている 棒っきれは …

壱貫亨治
3年前
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