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草茂る頃

草茂る頃
あれはいつだったか
鮮明な記憶と裏腹な
カップに残した心葉を
覗き込むのも億劫で

草を毟って
まるで取り留めのない
繰り返しの摩擦熱
嗚呼僕は未だに
喉の渇きに明け暮れて

草茂る頃
君はいつだったか
僕の夢に頷くばかり
今の僕にも問うているかい
やりたかったはずの事を

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール