見出し画像

①生徒をよく観察する

私が授業をゼロから作るうえで大切にしていること。
これさえ守れば良い授業になる鉄則5つのち1つ目の紹介。

鉄則5つ
①生徒をよく観察する
②他の授業で今行われていることを調べる

③世間で話題になっていることを調べる
④教科書・資料集・素材カタログを熟読する
⑤学習指導要領を熟読する

①生徒をよく観察する

 美術が得意な生徒は、どんな制作をしたいと思っていて、何を与えれば新鮮なワクワクが与えられるのか。この子達が、みんなを引っ張っていく。
 クラスに1~3人いるであろうこの生徒には、教員を超えるレベルまで求め、技術や発想力を高めさせる。妥協させないことで、根拠のある自信を持たせてやる。
 できるからと放置せず、しっかりと制作の様子を見てお尻をたたいてやること。
 「さすが」「わかってるね」「あれ?ここってもっとできるでしょ」「息抜きに他の人の制作見ておいで」


 美術が苦手な生徒は、どこに苦手意識を持っているのか。徹底的に気持ちに寄り添う。
 苦手意識を持っているところは、その意識が改善されるまで無理にやらせない。丁寧に指導し、放置しない。制作中はミニ先生を隣につけてやると良い。
 この層の生徒たちは本当は美術が好きな場合が多い。心を開いてくれれば、今後の授業でやりたいことなどを聞く。聞いたことは必ず授業づくりに反映させる。反映したら具体的に伝える。
 苦手意識を持っていた子たちの態度が変わっていくのを、他の生徒は見ている。それは教師への信頼感につながり、授業もやりやすくなる。
「次の授業やりたいことある?」「なんか彫ったりするの楽しかった?またやろっか?」「○○に聞いてこれ考えてみたよ。」「できるようになったじゃん。」


 残るは中間層の子たち。授業をつくるときは、この子たちの制作風景を想像し、授業全体の雰囲気を思い浮かべると良い。
 肩の力を抜いて、純粋に楽しんでほしい。先生も一緒に、その子たち一人ひとりの制作を楽しむ。中間層は授業の土台となる。困り感があればすぐ気づけるように、しっかり見ておくこと。
 この中からミニ先生を出してやると授業が引きしまる。班に1人くらいいると、学級全体の集中力が増す。
「その発想があったか」「これは皆に紹介しよう」「どうする?もう少し頑張ってみる?」「一緒に考えよう」「いい顔で制作してるね」「今度こんな授業したいんだけどどう思う?」

 このように、生徒を観察することで、するべき授業が見えてくる。毎年同じ授業を繰り返すことには、絶対に、ならない。
 時には教科書や資料集、カタログを一緒に見て、意見を聞くことがあっても良い。授業をつくるのは教師だけではなく、生徒と一緒につくっているのだ、ということを忘れてはならない。

教師がしたい授業をつくるのではない。
生徒がすべき授業をつくる。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?