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美術授業に関する基本的方針(私の)②

つぎにインプット。アウトプットとは、無いところから絞り出してカスカスのものを表現するのではなく(アーティストとしては耳が痛い)、じゅうぶんにインプットして、零れ落ちそうなくらい満たして、注ぎ込んで、「どうしても表現したい!」っていう状態にまでもってきてやっとアウトプットできるもの。

だいたい、毎回の授業の参考作品は作ってるか?
生徒が変に真似しちゃうといけないから~。とか思ってないか?
参考作品ってのは、生徒のため(作品の幅を広げるためだからもちろん何種類も作って当たり前。制作途中のものも必要。授業中に一緒に作るのも最高。)でもあるけど、一番は教員自身のため。
この制作には何が必要か。自分にインプットしてあるどんな情報を使って制作したのか。それらを知る手がかりになる。

だから、やっと新学習指導要領では鑑賞が全部にかかってたけど(解釈違うかも)、それは当然の話であって、

鑑賞と制作は表裏一体のもの。

技術の習得(インプット)→鑑賞(インプット)→発想構想(熟成)→表現(アウトプット)→鑑賞(インプット)

この流れが基本。前にも後にもつながらない、
「見なさい、描きなさい」は、F〇〇〇授業ですよ。


①モダンテクニックを習得する授業
(色や偶然の形、マテリアル、画材との対話)
②モダンテクニックを使った作品の鑑賞
(技術を習得したからこそ感じ取れることがある)
③主題の設定(発想・構想)
(例えば心象風景など。アイディアスケッチというか、制作計画図は必ず一人ひとり、一緒に整理してやる。制作中の声かけにも役立つ。)
④制作
(使う技法はもちろんモダンテクニックだけじゃない。それまでにさまざまな絵画技法を習得させておく。)
⑤自分や他の人の作品の鑑賞
(虫眼鏡で見るとか作品の中にトリップできるような工夫を。)

ちなみに「○○がすごいと思った」とかいうのは鑑賞文じゃなくて感想文です。その話はまた今度。

どんな制作をするときも、参考資料はふんだんに用意する。
例えば何か模様を描きたいとして、参考資料の上に紙を置いてトレースしたっていい。【そっくりに描くこと】は評価の対象にならない
「写していいよ!」って言ったら、苦手意識の強い生徒は喜ぶよ~!それに、写すことで培われる技術や感性もたくさんある。

生徒が制作に必要な情報は、あふれるほど準備する。欲しいものを聞く。
十分にインプットができて、「表現したい!」と思って無我夢中で制作すること、その快感を一回体験することができれば、
その子はもう美術と、先生のとりこだ。

インプットすればするほど制作への集中力が増す

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