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関係者だけが知っている「教務主任」の仕事の裏側

皆さん、明日は母の日です。
贈り物は用意しましたか?

こんなことを偉そうに言っている筆者も、
他のnoterさんの記事を見て、

「Oh… 」

と慌てて用意をしております。笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


教師は大変な職業。

近年はそのようによく言われます。

しかし、
教師という職業の中にも、
学校という組織である以上、
様々な役職や指揮系統がある。

教師の中で最も大変な役職は何か。

責任が重いのは、当然校長。

しかし、実際の現場を動かしていく上で
最も大変なのは教務主任です。

筆者の感覚では、
通常の教師の業務の3倍大変
だと思っています。

しかし、教務主任という役職がなければ、
担任たちは回らなくなるし、
子どもたちも安心して学ぶことができない。

今回は、そんな、
あまり知られていない教務主任という仕事を
解説します。

この記事は、メンバーシップである
422yasuさんとのコラボ記事です。

最後までご覧いただけると幸いです。



筆者が転職を決めた1つの理由

筆者は10年間小学校教員として働きました。

転職を決めた理由は様々ありますが、
それを考え出すきっかけになったのは、
メンタルバランスを崩してしまったことです。

そのメンタルの状態が大方回復するまでに、
5年の歳月を必要としました。

メンタルバランスが崩れているうちに、
大きな決断はしない方がよい
と言われていた筆者。

大方回復したときに、改めて、
この仕事を続けられるのかを考えてみました。

学級担任をある程度務めた後は、
学年主任を務めるようになります。

そして、早くて30代中盤あたりから、
教務主任になるように声がかけられる
のです。

近年は、校長、教頭、教務主任が、
足りないと言われている時代。

かつては、
30代で教務は若すぎた感覚だったのが、
今はどんどん下に降りてきています。

このまま教師を続けていれば、
教務主任を務めることになるだろう・・・。

その自分の姿を想像したときに、

「これは無理だ」

と判断したのです。

とてもメンタルがもつ自信がない。
また、あの状態に戻りかねない、と。

それぐらい、
教師目線からも大変だと感じる教務主任。

どんな仕事をしているのか
紹介していきます。


教務主任の仕事

さて、ここに校務分掌表という
先生方の学校運営の仕事の一覧があります。

個人情報は全てホワイトで消してある状態です。

この中で教務が担当になっている仕事を
ピックアップしてみますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・学校、学年、学級経営
・学級懇談会
・個人懇談会
・地域訪問
・授業参観
・行事計画
・新1年準備
・指導主事訪問
・就学時検診
・日課表、時間割表
・卒業関係
・行事報告
・進度予定実績簿
・時間割
・指導員訪問
・学校だより
・防災計画
・補助教材購入計画
・補欠授業配当
・学校成績一覧表
・指導要録
・児童名簿
・教育研究推進事業
・学校評価
・現職教育
・儀式的行事

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・ヤバくないですか?

まず1番最初にある

「学校、学年、学級経営」

だけで重すぎます。

ようするに、
学校全部を運営し、
すべての学年主任のケアをし、
すべての学級担任のケアをし、
全校児童の指導・支援をするのです。

よって、
全校児童の顔と名前は一致させ、
誰が何の特性をもっているのかも把握し、
全校児童に声を掛け続け、
授業を見て回り、
何かトラブルがあれば自分も把握し、
すぐにカバーに入る。

1学年3クラスだったとすると、
18クラスの担任を務めるということです。

そして何か困りごとがあると、
すべて自分のところにそれが来ます。

自分の仕事をしている時間は
ほとんどないと言っていいでしょう。

それ以外に行う事務仕事も膨大にあります。

職員会議で提案する書類の半分は
教務が準備します。

資料をスキャンして皆が見れるようにするのも
教務です。

学校運営上何か困ったことがあれば
教務が判断や決断を下します。

教務が判断を下せない難しい案件は
校長に相談しますが。

担任が休めば、
その代わりを教務が務めます

急に来れなくなった専科の先生や
2人以上担任が休んだ場合のスケジュール調整も教務です。

全校児童が600人いれば、
600人分の通知表にミスがないか
全てチェック
します。

また、学校によっては、
様々な諸事情で担任が足りなくなり、
クラスの担任をしながら教務をやっている人もいるのです。

筆者は正直、
事務仕事や同僚を統率していくことに関しては、
できる自信が多少あるので、
その部分だけだったらいい。

しかし、
全校児童の指導・支援を行うこと、
心のケアを行うこと、
保護者の心のケアを行うこと、
全学年で発生する保護者との衝突案件に介入すること・・・・

をやっていると、
心が擦り切れてしまう気がしました。

しかも、
基本的にこれらが「仕事」なので、
あまり人から感謝されることもない。

筆者の地域は、
教務主任の仕事の比重が、
他県よりも重いそうです。

実質的に、
学校の全ての仕事を行うといっても、
過言ではないですから。

ではここからは
実際に一緒に働いた教務の実態を紹介します。


人間性がなければ務まらない

筆者が同僚として一緒に働いた教務は、
3人しかいません。

どの方も、人間として、
素晴らしい方々だったと思います。

まず、教務は
愚痴や文句を言う相手がいないのですから、
自分の負の感情は耐え忍び、
人の悩みや不安、
怒りのエネルギーを浴びながら、
愛ある教師への支援を行う必要があります。

人間性がなければ務まらない

人によっては、
誰にもさとらせないように配慮することで
自分へ負荷をかけすぎてしまうこともあります。

3人のうち1人は、
病気を患ってしまい、
おそらく緊急で入院し、
手術をしたのではないか
と思われます。

数ヶ月、
職場に戻ってこれない日が続きました。

戻ってこられてからも、
明らかにやつれてしまい、
見ていて胸が苦しかったです。

もう1人は、
毎日の仕事に忙殺され、
目の下にクマができ、
歩くのもおぼつかないほとフラフラの状態
追い込まれていました。

メンタルを病む一歩手前、
もしくは既に病んでいたかもしれません。

その方は初めて教務になり、
筆者も当時は8~9年目で経験値もあったので、
よく教務の仕事を一緒に手伝っていました。

メンタルが大きく崩れてしまったときの苦しみは
人一倍知っていますから。

おまけに教頭のパワハラがあり、
上にも相談できない状態。
余計に心労が重なります。

筆者もその教頭とは何度も戦いました。

面と向かって、

「あなたはもっと仕事をしなさい」

と言ってしまったこともあった気がします笑
それぐらい怒り心頭だったんですね・・・

・・・話がそれましたね。

最後の1人は・・・
めっちゃ教務を楽しんでいました

トラブルウェルカム。
クレームがあろうと精神が微動だにしない。
若手より元気。
時々10kmぐらい走って学校に来る。

めちゃくちゃパワフルな人でした。

最高に楽しい方だったのですが、
これぐらい逆境を楽しめる人でなければ、
なかなか前を向き続けるのが
簡単ではない役職なのかもしれません。


422yasuさん×教務主任

note界にも教務主任経験者が何人かいます。

その1人がyasuさんです。

yasuさんがnoteを始めた出発点。
そこに遡ってみます。

そんな中、ある日突然、職場に行けなくなりました。
適応障害と診断を受けました。
多くの人に迷惑をかけ、もうしわけなくおもっています。

原因はひとつだけでなく、多くのことが
まじりあっているのだとおもいます。

今はゆっくりと休むことにしています。
家族もそれを望んでくれています。
ありがたいです。

そんなわけで退職届を出しました。

適応障害にならない人が不思議なほどの激務。

教員として33年間も勤めあげたのです。

十分だと思います。

適応障害のつらさは
筆者も身に染みて分かっています。

でも ダメでした。
行けませんでした。
職場に連絡し 行けないことを告げました。
のちに 所属長と 電話で話しました。

動悸が止まらない。
声が震える。

「行かなければいけないのに 行けない。」
「仕事を投げ出して 申し訳ない。」
「でも行けない。」

もともと違う仕事にも挑戦したいという思いがあったyasuさんは、回復を図りながらフリーランスを目指して活動中です。

そして、
33年間の教育現場の経験を生かし、
教育の知恵を発信してくれています。

「33年間、本当にお疲れ様でした」

そう、心から伝えたいです。


まとめ

内部事情を分かっているからこそ、
感情的な部分も多くなってしまったかもですが、
どの職場でも追い込まれてしまう方はいます。

適応障害になってしまう方は、
大体、真面目で、優しく、責任感が強い方です。

今は休職中の方も、
人一倍気を張って働いてきたはずですから、
ゆっくり休養してほしいと願います。

ストレスのある環境から距離を取れていれば、
少しずつ、でも確実に、
明日、明後日ときっとよくなっていく
はずです。

もし、お子さんがいらっしゃる方で、
教務主任に会う機会がある方は、
どうか労ってあげてほしいです・・・

(子どもを傷つけるような教務は論外です)


コラボ記事ですが、
順番を多少前後してお送りさせていただきました。

また、先週ご協力をお願いした
「イケオジ」についてのアンケート。

たくさんの方に協力していただき、
本当に有難く思います!

ただ、諸事情あり、
記事のタイミングを遅らせていただきます。

必ず何らかの形で記事にしますので、
どうか、気長にお待ちください (*ᴗˬᴗ)⁾⁾


この記事が、
良かった、楽しかった、
422yasuさんを応援したい!と思われた方は、
422yasuさんの記事に、
スキ、コメントをしてくださるとうれしいです!

共育LIBRARY×メンバーシップの仲間のコラボ記事は、これからも発信していく予定ですので、楽しみにしてもらえるとうれしいです♪


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