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マガジン「研究者として生きる道」始めます



マガジンを書こうと思った動機

 私事であるが、2024年3月末を以て大学の専任教員を退職した。定年でも任期でもないが、「退職」、つまり大学専任教員を辞することを選択した。この選択は普通では考えられないことで、私のことを直接知っているかどうかにかかわらず、さぞ驚いた方が多いのではないだろうか。


 私自身の心境はというと、極めて穏やかで落ち着いている。なぜなら、専門家に相談・アドバイスをもらうなど時間をかけて検討し、自分との対話を重ね、相当の覚悟をもって決断したからだ。
 
 ところで、大学専任教員になることは、宝くじが当たるくらい難しい。公募だと数百倍は超える倍率。特に私の場合、若いうちから研究者を目指していたストレート・ドクターではなく、いくつかの職業を経て、わざわざ社会人院生かつ途中で中高専任教員を辞めてまで大学教員になったタイプである。そんなキャリアの私が、大学教員になれたこと自体が奇跡以外の何物でもないのは、指導教授をはじめ、たくさんの応援してくださった諸先生方や先輩研究者の皆さんのおかげである。

大学専任教員を辞めた理由を端的に言うと…

 そして私は、研究が三度の飯よりも好きな、いわゆる研究バカである。だから、研究者として最も保障されている立場を自ら捨てる決断をするのは、断腸の思いなどという言葉では表現しきれない。身体のありとあらゆる部分が切断されたような思いだ。
 だが、その辛さよりも、大学専任教員を続けることのほうがそれを上回った。その理由を端的に言うなら、私にとって「研究者として生きる道」に大きく逸れると感じたからだ。心(精神)というか魂が、大学教員を続けることを許さなかった感覚である。

 研究者のはじまりが博士後期課程からだと仮定した場合、私の研究者歴は今年で12年目である。この10年余りの間、常識で考えたらしない・できない決断をしてきたし、今後も独自の道を歩むことは想像に難くない。そこで、研究者として私が辿って来た道と、これから歩む道を記録に残すことにした。研究者としてどう生きるか考えている人、迷っている人にとって、少しでもヒントや希望になればと思い、書き綴ることにした。

マガジンの仮タイトル

 マガジンにするにあたり、カテゴリや時期別に分けようと考えた。よく考えて見たら10年以上にわたる話を書くので、本であれば6つくらいの「章」になりそうだ。

 私の博論本が50万字(約1000字×532頁)を超えていることに鑑みても、とても短く書くことはできないだろう。よって、最初から章ごとに別のマガジン、つまりマガジン毎に複数の記事が入るほうがいいのではないかと思っている。
 あくまで予定は未定なので、現時点の構想は以下の通りである。

  • 序章 中高教員が博士後期課程に入るまで

  • 第1章 中高教員、博士課程の学生になる

  • 第2章 中高教員退職➝大学非常勤講師

  • 第3章 博士号の取得、そしてポスドクになる

  • 第4章 「夢」だった大学専任教員になる

  • 第5章 大学専任教員➝独立系研究者へ


 長い長い物語になると思うので、気長にお付き合いいただければ幸いです。それに伴い、記事の一部は有料で提供する予定です。今まで書いた記事も加筆・修正の上有料記事にするものが出てくると思います。
 もし取り上げてほしいテーマ、話題などあれば、コメントをお寄せいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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