萩原真美

研究者/博士(社会科学)。専門は現代沖縄教育史。社会人になって2度、働きながら大学院生…

萩原真美

研究者/博士(社会科学)。専門は現代沖縄教育史。社会人になって2度、働きながら大学院生に。日本語教師しながら修士号を取得して中高の教員になり、中高の教員しながら博士号を取得し、研究者に転職。学びが人生を拓くことを実体験と研究面から発信しています。

マガジン

  • 研究者として生きる道 序章:中高教員が博士後期課程に入るまで

    子育て真っ盛りの中高教員アラフォー(当時)が、ひょんなことで教員しながら大学院博士後期課程に進学。6年間で博士論文を無事書き上げ、博士号を取ってわずか1年で強運にも大学教員(准教授)になったシンデレラ(?!)・ストーリー…ではなく、その大学教員も4年で退職し、独立系研究者としてゆっくり歩み始めた(今ココ)ハラハラ・ドキドキの実話です。 序章では、幼児の子育て&週6長時間勤務だった中高教員が、わざわざ自分に負荷をかけて大学院・博士後期課程を受験する羽目になり、なんとか合格するまでのお話です。

最近の記事

  • 固定された記事

大学非常勤講師として、「人並み」に生きる―個人事業主という選択―

はじめに 大学非常勤講師に対して、どのようなイメージを抱かれているだろうか。なかには、非正規ながらも高給取りという印象を抱く人もいるかもしれない。しかしながら、実際のところ、大学非常勤の平均年収は、200万円前後と言われている。まさにワーキング・プアである。 大学非常勤講師は、読んで字の如く、大学の授業科目を担当する非正規の教員のことである。この仕事は、大学院博士前期課程を修了した後(修士号取得)、さらに博士後期課程に進学、学会発表や査読論文の本数をこなし、研究実績を積み

    • #2 正規職員しながら博士課程に進学―その手順と合格までの流れ―

      はじめに  #1で書いたように、私が博士課程に進学することになった「はじまり」は、育休後の職場復帰を巡る「洗礼」だった。ただ、その時点はまだ博士課程に行くことも意識しておらず、具体的に研究したいテーマや、沸き上がるような思いはなかった。  博士課程に進学することを初めて意識したのは、仕事として行った職場の教育史研究を始めるにあたり、博士前期課程(以下、マスター)の時の恩師(教職課程の先生方)に報告がてら相談に行った時にさかのぼる。  #2では、大学院に進学することを初めて意

      ¥500
      • #3 超多忙現職教員のドクター受験奮闘記

        はじめに #2では、博士後期課程(以下、ドクター)に進学するための手順を中心に書いた。#3では、具体的にどのような受験対策・勉強をしたかについて述べる。大学院は、大学受験(学部)とは違い、いわゆる赤本などはない。そもそも受験する人も少ないため、情報もほとんど出回っておらず、どのように情報収集するかも悩ましい。  私が受験したのは10年以上前とやや古い情報になるが、一つの方策(ストラテジー)として参考にしていただけたら幸いである。なお、受験したのは国立大学で一般入試である。受

        ¥500
        • #1 はじまりは育休後の「洗礼」だった

          ¥500
        • 固定された記事

        大学非常勤講師として、「人並み」に生きる―個人事業主という選択―

        マガジン

        • 研究者として生きる道 序章:中高教員が博士後期課程に入るまで
          3本
          ¥500

        記事

          大学別非常勤講師の給与―7大学+αの事例紹介―

          はじめに 副業、複業、ほぼ専業など時期によって異なるが、大学非常勤講師の仕事を始めてから早いもので14年目になります(2024年6月現在)。    大学非常勤講師(以下、非常勤※)の仕事をすることは、研究者、特に大学専任教員を目指している人にとっては必須のキャリア・パスです。大学院生(特にオーバードクター)は、学振などを取っていて就労の「制限」がある場合を除き、積極的に受ける必要があると思います。 ※非常勤講師のほかに、兼任講師という言い方もあるが、「非常勤」で統一。  

          ¥400

          大学別非常勤講師の給与―7大学+αの事例紹介―

          ¥400

          マガジン「研究者として生きる道」始めます

          マガジンを書こうと思った動機 私事であるが、2024年3月末を以て大学の専任教員を退職した。定年でも任期でもないが、「退職」、つまり大学専任教員を辞することを選択した。この選択は普通では考えられないことで、私のことを直接知っているかどうかにかかわらず、さぞ驚いた方が多いのではないだろうか。  私自身の心境はというと、極めて穏やかで落ち着いている。なぜなら、専門家に相談・アドバイスをもらうなど時間をかけて検討し、自分との対話を重ね、相当の覚悟をもって決断したからだ。  

          マガジン「研究者として生きる道」始めます

          投げ銭の「恩送り」報告 ➀

           本日(2022年3月10日)、拙記事に対する「投げ銭」(2022年2月までのご支援)と、拙著売上金の一部を合わせて、2023年4月開校予定である沖縄県初の夜間中学校「東表中学校」の寄附として納めさせていただきましたことを、ここにご報告申し上げます。  金額:8,578円  ご支援・お買い上げいただいた皆様に、この場を借りて心より感謝申し上げます。  今後、ある程度まとまった金額が集まったところで寄附をさせていただき、noteでご報告させていただきます。 「東表中学校」

          投げ銭の「恩送り」報告 ➀

          ”投げ銭”の「恩送り」先について

           noteに掲載した拙記事に対し、「投げ銭」という形でサポートをいただいております。ご厚意に心より感謝申し上げます。  サポートいただいた方には直接お礼のメッセージを送らせていただいた際、必ず社会の役に立てるよう使わせていただきたい旨お伝えしましたが、その恩返しならぬ「恩送り」先を決めましたので、お伝えさせていただきます。 恩送り先について  恩送り先としたのは、2023年4月の開設を目指している、沖縄県初の夜間中学校「東表(あがりおもて)中学校」です。 同校は、沖縄県

          ”投げ銭”の「恩送り」先について

          「稼ぐこと」と「自己投資」 ➀高校編

          はじめに 「自分がしたいことをするには、お金が必要」ということを初めて思い知ったのは、高校入学時である。高校生で部活に励むのは「普通」のことだと思うが、その「普通」のことをするにもお金がかかる。高校入学時に、親から部活のお金(主に道具代など)は出せないと言われた。ショックだった。だが、高校生はアルバイトができることは当時の自分もよく理解していたので、「稼げばいい」と素直に思った。以来今日に至るまで30年以上、何からの形で稼いできた。私にとって稼ぐことは、自分が生きたいように生

          「稼ぐこと」と「自己投資」 ➀高校編

          大学進学をためらっている高校生へー就職と進学を「併願」できる数少ない方法ー

          はじめに 文部科学省「令和2年度学校基本調査(確定値)の公表について」(2020 年12月)によると、2020年度の大学進学者数は2,623,572人、大学進学率は54.4%である(注1)。この数値は、統計を取り始めた1948年以来過去最高である。大学進学率は、近年毎年過去最高値を更新してきたが、コロナ禍の影響により、学費の捻出が難しそうな家庭の事情を察し、自ら諦める高校生がいるという声を、高校の教員等から聞くようになった。  高校生の中には、保護者から進学を諦めてほしいと

          大学進学をためらっている高校生へー就職と進学を「併願」できる数少ない方法ー

          大学非常勤講師が個人事業主になることで、実所得が増えるしくみ

          はじめに 拙記事「大学非常勤講師として人並みに生きる―個人事業主という選択―」では、大学非常勤講師が人並みの収入を得て生きていく方法の一つに、大学非常勤講師をしながら個人事業主になる道があることを述べた。 大学非常勤講師という立場で、わざわざ税務署に行って個人事業主登録をしてまでなる必要はないのではないか。そんな疑問が湧くかもしれない。 実際に、大学非常勤講師の立場で個人事業主を4年間やってみて、その「恩恵」を実感した。いくつかあるが、金銭面では、たとえ非常勤講師だけし

          大学非常勤講師が個人事業主になることで、実所得が増えるしくみ