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大学別非常勤講師の給与―7大学+αの事例紹介―


はじめに

 副業、複業、ほぼ専業など時期によって異なりますが、大学非常勤講師の仕事を始めてから早いもので14年目になります(2024年6月現在)。
 
 大学非常勤講師(以下、非常勤※)の仕事をすることは、研究者、特に大学専任教員を目指している人にとっては必須のキャリア・パスです。大学院生(特にオーバードクター)は、学振などを取っていて就労の「制限」がある場合を除き、積極的に受ける必要があると思います。
※非常勤講師のほかに、兼任講師という言い方もあるが、「非常勤」で統一。

 その非常勤の仕事は、多くの場合が紹介かつ急に頼まれることが多いです。今まで9つの大学(うち2校はオムニバスのみ)で非常勤をした経験がありますが、大学によって給与・待遇に大きな差があると感じています。また困ったことに、給与や待遇が事前に知らされることはほとんどなく、1コマいくらもらえるかわからない状態で引き受けることがほとんどで、非常に不安でした。
 そして、非常勤の声がかかるのは非常にありがたいのですが、どうしても同時に引き受けることができず、選ばざるを得ない場合もあります。その時に困るのが、給与等の待遇が分からず、判断しにくかったことです。

 非常勤の仕事も14年目ともなり、経験値も増えたので、私と同じような悩みを持っている方に少しでも役に立てればと思い、事例を伝えたいと思いました。非常勤を受ける時の判断材料の一つにしていただければ幸いです。

お読みいただく上での注意事項

・通常授業を担当した7大学の事例を紹介します。オプションでオムニバスを担当した3大学(うち1大学は通常授業も担当)も加えました。

・大学非常勤講師の給与等は、年齢、経歴、立場(本務校の有無)等によって異なる場合が多いため、あくまで私の個人的な事例かつ当該時期の情報にすぎません。たとえば、同じ大学・同じ科目の担当でも給与が異なる場合が十分ありえます。

・可能な範囲で、自分が交わした労働契約書、給与明細、源泉徴収証を確認して書きました。

・上記の事情から個人情報を出している部分があるので、取り扱いには十分ご注意ください。

・一部の個人情報(大学名等)は伏せてあります。ただし、それが別の情報と掛け合わせることで分かるように示しました。

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