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Tr.4「裏1998-」- e.p.「サテライト」セルフライナーノーツ (5)

Tr.4「裏1998-」

こちらもある意味無慈悲というか、怖い感じで作ってみようというアイデアではありました。曲順的に「静」「動」「動」ときたので、静かな曲で。
イメージとしては誰もいなくなった世界とか、終末とか。無人になったホールあるいは教会にチャイムか鉄琴の音がそっと響いているような。
アナログで演奏している楽器はまったくなしで(しいていえばボーカルのみ)、トラックはすべてMIDIとエフェクトで作っています。
淡々とループする、永遠に変化のない、終わりの来ない世界。


ボーカル

ボーカルも、ボーカルとして聴かせるというよりは、どこか遠くから聴こえてくるようなイメージで、リバーブをかけまくっています。さらにエフェクトも重ねて冷たく響く無機質な歌声に。(でも、元のボーカル自体はTr.2「1998-」とおなじです)

いまエフェクトを見直してみたら、

「コンプレッサー」(音圧上げ)
⇒「EQ」(ボーカル用プリセット:中域を上げ)
⇒「フランジャー」
⇒「オートフィルター」(Slowarmというプリセット)
⇒「ディエッサー」
⇒「ホールリバーブ」

という感じ。
狙って出せたわけではなくて試行錯誤の結果たまたまこの音にできただけですが。。。
あと、Bパートはコーラスかぶせるかわりに2拍分遅らせたものを重ねて、ここでもディレイっぽくしていた。


キーボード

3種類くらい、こちらもエフェクトかけまくりでした。狙っては再現できない。。。

最初に聞こえてくるチャイムっぽい音は、おなじ音色、フレーズのものを音量とディレイの時間を変えて左右に振っています。壁を打った音が左右に反響するような感じ。
そのあとおなじフレーズを透明感ある音色で。
いずれも単音で、明るくも暗くもないフレーズ。

Aパートの終わりからもう一本のオルガンの音が入ってくるのですが、もう一音だけ適当に勘で重ねた(二音なら三音の和音に満たずどっちつかずの不安定な感じになるかな、と)ところ、なんか教会音楽のような非常に神聖な感じになったという。。。
それもよいかなと思って、結局怖い感じというよりも救済に近くなりました。4曲入りe.p.としてはよい解決だったかも。
ただ、最後に4小節ドラムを残したのは、救済すらも幻で、あとはひたすら同じリズムが刻み続けられる風景を残したくて。

このあと、Tr.1の「サテライト」に続くと永遠とループにはまります。


(つづく)


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