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技能実習生への支援事業を始めます


ボーダレスジャパンに入社して今月で半年が経ちます。

今年から新卒だけで新規事業を立ち上げられる機会がもらえるようになったこと、解決したい社会問題が自分だけ国内だったことなどの運が良かったこともあり、技能実習生の支援事業を開始しました。

なぜ技能実習制度に問題意識を抱いたのか、具体的にどんな事業を始める予定か今日は書いていきます。

技能実習制度について初めて知ったベトナムでの生活

2年ほど前まで技能実習制度という言葉も聞いたことがなく存在も知らなかったし、コンビニ以外に日本で働く人がこんなに多くいることも知らなかったです。
1年半ほど前に初めてベトナムへ行き、そこでベトナムの大学生や技能実習生と会って日本で働きたいと思っている人がたくさんいることを知りました。
(現在、日本にベトナム人は41万人、技能実習生だけで約21万人)

しかしそれ以降、技能実習制度について調べたり実習生と話しているうちに仕事を選択する自由がない人がいることやハラスメントを受けている人がいることを知りました。
日本にポジティブな思いを持って働きに来ているのに、日本で悲しい思いをして日本を嫌いになってしまうのが、僕はとても悲しく感じ技能実習生の労働環境をよくしていきたいと思うようになりました。
入社してすぐにこの問題に取り組むためにボーダレスへの入社を決めます。

コロナで解雇された実習生への支援

具体的に技能実習生に対してどのような事業を始めるのか?
最初はコロナの影響で解雇されてしまった実習生への転籍支援を始めていきます。
2020年8月時点で把握されているだけでも新型コロナウイルスの影響で企業から解雇された外国人技能実習生は3104人いると言われています。
これはあくまで把握できているだけの数字で、実習生に自主退職をさせる企業や監理団体がある事からもっと多くの人が解雇されていると言われています。


解雇された実習生の中には、企業や監理団体から「自分で転職先を探して」と放置されてしまっている人もいることが分かりました。
現在、コロナによる特例措置として解雇された場合、実習生の転職が認められているため転職支援を行っていきます。この特例措置のいいとこは2つあります。

1つ目は技能実習ではなく特定技能として将来的に働くため転職の自由があることです。
2つ目は既に日本にいるため、就労前に会社見学や面談などを直接行えるため求職者と会社の人、両方が納得いく形で働き始めることができることです

過酷な労働環境で働いている実習生への支援

コロナが収束してきたら不正な給与体系、ハラスメントを受けているなど、苦しい環境で我慢している人たちへの支援を始めていきます。

現状として会社や監理団体に相談しても何もしてくれない、ひどい時には帰国を迫られてしまう。行政の技能実習機構に相談しても何もしてもらえないなどがあり辛くても誰にも相談できない現状があります
2019年の1年間で失踪した実習生は9000人おり(会社の問題ではなく自ら望んで失踪した実習生もいるので一概にこの数の人が困っているとは言えませんが)、逃げ出しはしなかったけどきつい環境で我慢して働いている実習生を合わせるともっといるのではないかと思います。

そこで僕たちとしては相談受付から実習生の保護、転籍支援、就労後の支援まで一貫したサポートをやっていく予定です。
僕たちのサービスを通して転籍する人が増えればいい会社で働く人が増えるので辛い思いをする実習生が減っていくはずです。

事業を通して達成したい社会

①過酷な労働環境から優良実習先に転籍し、働くことができる人数を5年間で1000人に
②年間失踪者を10年間で0人に
③国籍や人種に関係なく一人の人として尊敬する社会にする

外国人だからとか、日本より物価の低い国からきているからとか、そういう理由で人のことを下にみてしまう様な社会を変えたいです。

バックグラウンドに関係なく1人の人として見て、関わる、そんなことが当たり前になればみんなが寄り添って助け合える社会になるんじゃないかと思っています。

想像以上に技能実習制度には問題点と制限があり、自分たちに何ができるか考えることに苦戦しました。

転職が禁止されている、企業に問題があって転職する場合も証拠を見つけなければならないなど技能実習制度は法律で縛られていることが多く、そのため問題が解決されづらいのだと感じました。

それでも事業を構想し始めてから2ヶ月ちょっとの間、恵まれたことに、技能実習の問題について取り組んでいるたくさんの人からお話をお聞きさせていただくことができ、何者でもない僕たちに数多くのアドバイスをいただけました。

その中で1つ思うことがありました。今度24歳になる自分の年齢だからこそできることがあるのではないか。

技能実習生には20代が多く、僕と年が近いです。

年齢が近いからこそ相談しやすくなると思うし、仲良くなりやすいと思う。

問題は大きいし、簡単ではないと思うが、自分にできることを少しずつやっていき、実習生にとって働きやすい日本にしていきます。