「笑声」

　……イヤホンの外から絶えず漏れてくる鈍く騒がしい笑声《しょうせい》。
　私は机でうつ伏せになりながら、その薄暗さの中でひとり目を開け、不安だ。
　彼女たちのお喋りは私とは関係ない、関係ない事は承知の上で、高笑いされてるみたい。
いい加減、私は声を大にして言いたい。
「皆さん！　私はあなたたちの淡いもない言葉一つ一つがチクチクして仕方ないの！　自分でも病気なほど神経質なんです！　おとなしい人だと思われているようだけど、頭の中はいつも不安の声が響いて、物案じていて、夜も眠れません！　昨日も寝付けなくて、遅刻しそうで登校中コンビニのトイレで顔洗ったんだよ！」
――何事も無かったかのようにイヤホンを外しふと視線を横へ流すと、丁度私を嘲笑うような彼女たちと目が合った。
「沙紀さん、後ろ変な寝癖ついたままだよ」
あっ……。