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窪塚洋介さんに聞く!離婚再婚後の子育てと家族のカタチ(前編)


こんにちは。一般社団法人りむすびです。離婚後も両親で子育てする共同養育を実践しているパパママの声をお届けする「共同養育man&woman」特集。



今回はスペシャルゲストのご登場です。離婚再婚をし、現在、元妻さんと現在の奥さまとともに、子どもたちのために良い関係を築き続けている俳優の窪塚洋介さんにお話をうかがいました。


■プロフィール


お名前:窪塚洋介さん
お子さんの年齢・性別:17歳 長男、3歳 長女

1979年、神奈川県横須賀市生まれ。1995年にデビューし、「GTO」(1998年、フジテレビ系)、「池袋ウエストゲートパーク」(2000年、TBS系)など、多くのドラマに出演。
2001年映画「GO」で第25回日本アカデミー賞新人賞と史上最年少での最優秀主演男優賞を受賞した他、数々の賞を受賞。海外作品にも出演し、マーティン・スコセッシ監督作「Silence-沈黙-」でも注目された。
現在「ファーストラヴ」(堤幸彦監督)が公開中の他、Netflixにて「Giri/Haji」、Amazon Audibleで「アレク氏2120」(堤幸彦監督)が好評配信中。レゲエDeeJayの卍LINEとしての音楽活動、モデル、執筆と多彩な才能を発揮。自身の番組「今をよくするTV」をYouTubeにて配信中。


―対談を受けてくださった思いを聞かせてください。

今の時代に必要な活動をされていると思ったのと、今まで子育てに特化して話すことがあまりなかったんです。そのわりに映画やパーソナルなインタビューでは家族のことをフューチャーされることがあったので、興味や関心を持ってくれる人が多いのかな、と。


こういう場をお借りして、自分が思っていることや願っていることを話すことで、お互いにとって、そして、だれかのためになる場になるんじゃないか、という直感がありました


―現在の家族構成を教えてください。


長男の愛流(あいる)が前の妻との子で17歳、最近芸能界デビューしました。長女は今の妻との子で3歳、園児です。で、僕が42歳になる歳で、園児です(笑。

子どもたちは僕と今の妻と一緒に住んでいて、前の妻も近くに住んでいます。


―離婚や再婚はどのような経緯だったのでしょうか。


愛流が小学4年生の時に離婚しました。2年生の時に3.11の原発事故があって、愛流と妻を大阪へ避難させたんです。そのまま横須賀に戻ることなく大阪に住むことになり、僕は東京で仕事があったので、すぐに追いかけるわけにもいかず、ふたりが先に大阪に引っ越したんです。その間に離婚することになりました。


実は、愛流は小学2年生から卒業するまでの4年間、他人の家で暮らしているんです。前の妻が育児をできない状態になり、その時に救いの手を差し伸べてくれた家族がいて。父親、母親、長男、次男という家族構成の家で、一番年上だった愛流は長男のポジションでお世話になりました。


僕も大阪にいる間は毎日その家に通い、小学校卒業のタイミングで愛流を横須賀に迎え入れ一緒に暮らし始めました。その間に再婚をしているんです。わりとカオスな感じですよね(笑。
その後、今の妻との間に長女が生まれ、前の妻も近所に住み、今では妻と前の妻も仲良くしながら暮らしています。

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―前の奥さまと今の奥さまの関係は、最初からうまくいったのでしょうか。


いやいや、みなさんがお察しするような状態だったと思います。前の妻にしてみれば、なんで私が(再婚相手に)会わないといけないの?となるし、今の妻も受け入れるのは愛流君だけじゃダメなの?という思いがありました。


でも、それって僕、前の妻、今の妻の意見であって、子どもの意見ではないじゃないですか。離婚すると「お父さんのところに行っていることをお母さんに知られたくない」とか、「会うなと言われている」とか、ああいうのを聞くとすごく心苦しい思いがあったんですよね。
だからこそ、愛流には「今はパパのところにいる」「今はママのところにいる」って自由に行き来してほしかったんです。

環境をつくることが子どもへの償いっていうか僕の責任だと思っています。そのために、是が非でも、金で解決できることは金で解決し、誠意で解決することは誠意で解決して、今の形を少しずつつくっていきました。


今となっては、僕がいない時に4人で会っていたりとか、妻同士で会ったり、旅行やお祝いもみんなでします。四季折々で集まるタイミングに集まるという関係になりました。



それは、みんながみんなを思い合った結果で、みんなが我慢して、みんなが努力した結果であり、同じものを見ることができていたんだと思うんですよ。みんなが横に並んで未来を見ているような。


誰に見せる家族でもないけれど、本心でみんなが一緒に楽しくいられたら素敵だな、ってみんなが思えたんですよね。だから今はみんなに対してありがとう、って思っています。


―今の家族のカタチを築くために、元奥さまや今の奥さまにどのようなはたらきかけをしましたか。

それぞれと何度も話をしました。例えば、前の妻には生活費を払っているんですが、具体的なサポートをすることで、僕たちを理解してくれるようになったし、今の妻は前の妻に未練があるんじゃないかと思っていたこともあったみたいで。



もちろん前の妻とセックスしないし、理解してもらうためにいっぱい話しました。言葉以上に態度に出たり目に見えたりするものだから、何年もかけて僕が言っていることが嘘じゃないんだって理解してくれて、今のように献身的に愛流や前の妻を支えてくれるようになってくれたんだと思います。

そのために、いろんな努力をしました。お金も気持ちも時間も使いました。



前の妻と今の妻が仲良くなるっていうのが最後の鍵だったので、神頼みになっていた時もありましたね。
自分の力でできることの限界までやって、人事を尽くして天命を待つ状況になったら、本当に嘘みたいにある日ふたりが仲良くなることが起きたんです。困ったときの神頼みって悪い言われ方するけど、自分がやるべきことを尽くした後ならそれでもいいんじゃないか、と思います。

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―離婚再婚後の親の関係性などについて、愛流君とは話をしましたか。

あまり掘り下げた話はまだしていないですね。いつか酒でも飲みながら、愛流が話してきたときに話せばいいかな、って。今聞きたいとも思わないし、毎日一緒にいるので、仕事や学校に行っている顔を見てわかっているつもりなので、今聞く必要もないかなって。

逆に、離婚するときに、まだ幼かったのに、いろいろ意見を聞いてしまっていたな、って思います。


―離婚によって子どもにダメージを与えないためには、どのようなことが大切なのでしょう。


親の離婚はそれ自体が一大ダメージです。僕自身、両親は健在ですが、子どもの頃、親が死んだらとか、離婚したらとか考えるだけでも嫌だったし怖いことでした。それを自分はこの子にしてしまうんだな、っていう思いがありました。



愛流は、あんまり自分がこうしたい、っていう子じゃなかったのに、1回だけ「横須賀にパパとママと帰りたい」って言ったことがあって。それがすっごい痛くて…。



それで、是が非でも、この子がお父さんとお母さんが別れたってことをマイナスに思わないように、逆にプラスに変えられる道を歩かせてあげたいなって。

今はみんな仲がいいから、愛流的には寂しさはないと思うんですよ。親父といたくないなら母ちゃんのところに行けばいいし、母ちゃんといたくないなら親父のところに来ればいいし、みんなで一緒にいるときもあるし。



愛流の気持ちは本人しかわからないけど、普段の暮らしの中でプラスになっていると感じるので、ひとまずの目標を達成できたかなと。愛流も仕事を始めて結構大手の事務所にお世話になっていることもあって、肩の荷が下りている感じもあります。

自分のことばかりを主張していい歳じゃないし立場じゃない。家族も仲間も仕事の仲間もいる。自分のベストなバランスをとるために、なにより自分自身を整えることが大事だと思います。
誰かのせいとか時代のせいとかコロナのせいとかにして、外にぶつけていても解決しない。すべての諸悪の根源は自分の中にあるから。


ー後編に続く(後編はコチラです)ー

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企画:一般社団法人りむすび
企画協力:LUSH JAPAN
聞き手:しばはし聡子
ライター:江島るな子
写真・動画編集:川嶋章浩

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