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調査リリースに疲れてませんか?

調査リリースとは?

突然ですが調査リリースに疲れていませんか?読み手としても作り手としても。

調査リリースというのは、あれです。なんらかの事象を、アンケートをとって何割の人がこう言っているよ、こんな傾向があるよ、というのをプレスリリースにしてメディアに送るというものです。記事にしてもらったり、ネットでバズったりする。

広報界隈では、

事例も出せない、新プロダクトもない、ネタがないときは調査リリース

ということで、みなさん仕込みをしている感じです。季節のイベントと組み合わせることも多いですね。

調査を見てみよう

こちらは色々な企業の調査が見られるサイト「調査のチカラ」のリンクです。。役立つデータも多く掲載されているので、パワポの資料を作るときに引用できるものはないかと皆が検索するサイトでもあります。このサイト自体は有益で、非常に役立つ調査結果も出ていて、私もよく利用させてもらっています。

調査リリースは玉石混交

とはいえ、調査リリースは玉石混交なのです。優れてるもの、役立つものも多くあるのですが、ちょっとこれは微妙では?というものがあったりします。

まず目につくのは恣意的なポジショントークです。

ポジショントークの罠

ポジショントークというのは色々な意味があると思いますが、ここでは

自社、自分のビジネスに関係する内容が盛り上がっている、注目されているということを後押しする資料を出してくる

ことです(自分の立場を利用して自分に有利な状況になるように行う発言・発表)どうしても企業調査はそうなりがちなのですが、あまりにやりすぎなものは敬遠されます。

クラウドよりオンプレが盛り上がってるとか、ネットより紙だとか、そう言った調査を、オンプレミスを使っている人、紙のメディアを購読している人に行えば、どうしても結果は偏りますよね。調査を見る側もあまりに自分の感覚とずれていて納得感がないと調査に信頼性が感じられず、説得力も弱いです。

結果が当たり前過ぎる&他と同じ罠

逆に結果が当たり前すぎるパターンもあります。予算を使って、数多くの人を無作為抽出して実施。そんな中、「DXが注目されている」という結果が導き出されたとしても、あまりに驚きがなさ過ぎてしまい、その調査自体が全然注目されず、さらには似たような調査をしている会社が他にもたくさんあって「あれ?話題になって欲しかったのに」と苦労してデータを準備した広報担当ががっかりという結果もあると思います。

そもそも、統計をわかっていない罠

調査リリースを作らなければ!と出すことが目的になってしまい、統計の知識がないままにやってしまうケースもあるように思います。数年前、統計講座の広告で、「ランチにカレーを注文している人を3人見たのでカレーが流行っている、この考えは統計的に正しいのか、知りたい人は講座を受けよう」みたいな広告がありました(うろ覚えなので全然違ったらすみません)。全然わからないままに自力でアンケート作って、知り合いに聞いて集計レベルのものをやってしまうと、非常に信頼性の低いものが出来上がってしまいます。そんなものであればメディアも取り上げませんし、せっかくやっても逆効果になってしまいます。

ではどうすればいいの?

ではどうすればいいのか、ですが、これは結構難しい。

調査リリースという手法が蔓延していることで、注目度が落ちている。必ずしも調査をしなくてもいいのでは?

調査の母集団、アンケート設計、分析などは実は専門的な知識が必要。専門家を頼ったり、もっと勉強してもいのでは?全部理解できなくてもいいので、こういった書籍にいざっくりと目を通しておくとか。

単にプレスリリースを送る、グラフや資料をダウンロードしてもらうだけでなく、周りの人を巻き込んで結果を色々な角度から解釈するイベントなども面白いのではないか?

そんなことを考えましたが、ぜひ色々な人と意見交換して行きたいテーマです。

この記事は広報マーケティングアドベントカレンダー2019の12月2日分です。




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