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Oratio ✳︎ I-no-ri ✳︎


こんにちは。Kyo Yumineです。

これまで、Oratio Series のうち2曲、
モデルナ2回目の接種後、放出するように作った "Oratio VII"
https://youtu.be/xRp3g2m9KBw

実験に実験を重ねた "Oratio IX" 
https://youtu.be/b19p3u9I85c

を、ご紹介してきました。

。。。なのですが、実は、Oratio Series の中で最初に手がけた曲は、
今回ご紹介する、この "Oratio - I-no-ri -" です。


「祈り」について


皆さんは、どんな時に お祈りをされますか?

食事の前、起床後、眠りにつく前...
子どもの合格祈願や病気の友人の回復祈願で神社にお百度参り...
断食期間中...

それぞれの方の宗教や文化・社会的背景、そしてその時の状況によって「祈り」は様々な意味を持ち、形態をなしていると思います。

自分の信仰・神格化対象(神さまや宇宙?等)、に対し
感謝や喜びを表す、
自分の夢や目標が実現・達成するよう お願いする、
誰か・何かのためによいことがなされるよう 願いを込める、
または 神格化するその存在と 意思疎通を図る、繋がる。。。

みたいなことなのかな、と思います。

そういうこともあって、Oratio Series は 色々な「祈り」の集合体になっていく予定です(一応、全部で10曲…になる筈デス)  

この集合体の1番目、 "Oratio - I-no-ri -" ができた背景について、少しお話しようと思います。

"Oratio - I-no-ri -" について

2019年のクリスマスの時期でした。
入院していた私の大切な人の容態が急転し、緊急転院になりました。 
徹夜明けの ぼーっとしていた頭は 
転院先の病院で ベッドに横たわる彼が視界に飛び込んだ途端、
カチッ とスイッチが入りました。
何かが、おかしい…

担当医の先生の説明では、
今日中に手術をしなければ、まず確実に、残りの人生は下半身不随になるだろう。
ただ手術したとしても 絶対にそれが避けられるという保証も勿論なく、
服薬していた薬の関係で 手術中の出血コントロールが難しい為、
術中に…   となる可能性は 否定できない、と。

説明を聞きながら、自分の顔が強張っていくのを感じ、
その強張りのスピードが 妙に遅いなぁ、と感じる 
もう一人 別の自分がいるような 
奇妙な気分でいたことを、今でも覚えています。

彼は全てを理解した上で オペを受ける選択をしました。

その日の午後、待合室で いつ終わるともしれない時間、
無事にオペが成功しますように、と祈っていました。
いや、祈っているつもりが、実際に頭によぎるのは 
これまでの諸々の経緯、後悔と逡巡の数々。。。

終わりのない螺旋階段を ひたすら下り続けているようで。

気がつくと この曲の Part 1 . ”In Tace Conflictus (静かなる葛藤)”
のモチーフが 頭の中で渦巻いていました…

Part 1 . ”In Tace Conflictus (静かなる葛藤)”

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" 時として、祈りは自己の葛藤から始まる。ー Sometime, we experience internal dilemma before reaching the door of our inner room."


後悔と逡巡の波が ようやく一段落したと思ったら 
憤りのようなものが 胸を突き上げ 
叫びたくなるような何かが 噴き出してきました。

Part 2 . ”Ad Proelium Interna (内なる闘い)”

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"祈りの境地に辿り着くまでに、自分の中の自分に向き合わざるを得ない時がある。ー Before entering the state of deep prayer, we often have no choice but to hear out our inner view."


幸いにも手術は無事に終わり、とりあえず彼はとどまってくれました。
それからは リハビリの毎日。。。

ベッド⇔車椅子の移動に必要な動作、手・脚・重心の置き方1つ1つを教わり、地道な伸縮運動メニューをコツコツと続けました。

一度動かなくなった両脚でしたが、
踏ん張り立ちをして手摺につかまりながら 自力で脚を運べるように。。。
一歩、そしてまた一歩。
前進する度に籠められる 全身の力。
ぼやけそうになる目を凝らして 見守っていました。

Part 3 . ” Unus Gradus, Alius Gradus(一歩、また一歩)” 

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"そして前に踏み出す一歩一歩から、祈りが生まれる。ー Thus, our each step forward gives a birth to prayers, as we are and as we do."

完成後…



色々あって、最終的な具現化に約2年かかり。
一応の完成をさせてしばらくは 腑が抜けたようになりました。

私にとって、この Oratio は、
自分の中を 探り尽くし、
自分自身と とことん向き合い、
そうすることで やっと吹っ切れて 
一歩、また一歩、前に進んでいく… 
そういう 「祈り」かと思います。


そして 今。 何となくですが、
これまでの後悔が 成仏していったような気もします。​


次の Oratioは、軽やかな 明るい感じになりそう…   かな。

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最後まで読んでいただき、有り難うございます♪

もしよろしかったら、タイミングのよい時に 
他の作品も聴きにいらしてください↓
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