事業開発アーティスト 臼井清

「分かりやすい」がもてはやされ過ぎていて、人が持つ、不思議とかはっきりしないことに向き…

事業開発アーティスト 臼井清

「分かりやすい」がもてはやされ過ぎていて、人が持つ、不思議とかはっきりしないことに向き合う力が、随分と衰えているなぁと感じています。そうだ、アートと触れ合おう!  アートナビゲーター(美術検定1級)

最近の記事

マティスの”自由なフォルム”

新国立美術館で開催中の『マティス 自由なフォルム』展を観てきました。 今回の展示の目玉は、 ”…切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されるほか、大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。…” ”…芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで、マティスの至高の芸術を紹介いたします。” ★国立新美術館の展覧会HPより抜粋 展示後半は写真撮影可ということで、私もパチパチ

    • 札幌国際芸術祭SIAF2024 

      札幌国際芸術祭(2024.1.20~2.25)SIAF2024に行ってきました。 今期のテーマはLAST SNOWということで、3つの会場と、3つの”実験区”で開催される、地域アートイベントです。3年に一度のアートイベントですが、今回は6年半ぶりで、冬季での開催は初とのことです。 *札幌の冬のメガコンテンツ雪まつり(2024.2.4~11)の期間中は大通り公園が”実験区”の一つとなるので、随分の賑わいになるでしょうね。 最初に訪問したのが実験区の一つである @札幌芸術の森

      • 「てえしたこたねだのさ」《みちのく いとしい仏たち》

        痛ましいニュースからの年明けとなった2024年 アート初詣はこちらに行ってきました。 《みちのく いとしい仏たち》展 東京ステーションギャラリー  2023年12月2日~2024年2月12日 開催 https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html どことなくユーモラスな仏さまたちに出迎えられて、まずはほっこりとした気持ちに。「お顔が何とも素朴だよなぁ」とか「可愛らしいお姿ですこと」などとのん

        • 2023年 これが良かったアート大賞!

          今年(2023年)のアート体験を振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある第5回目の発表をいたしま~~す(笑)  対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。企画展や特別展だけではなく、以前からある常設展(美術館所蔵展示)なども含みます。 ”コロナ明け”の今年、おかげさまで、ギャラリー含めて50を少し超えるぐらいとの出会いだったでしょうか。勿論、見逃したものの方が沢山。「あれが無いだろう!」もあると

        マティスの”自由なフォルム”

          2022年 マイ・アートアカデミー賞!

          今年(2022年ですので昨年か💦)のアートイベントを振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある(笑)第4回目の2022年の結果はいかに?  対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。今年開催の企画展だけではなく、以前からある常設展なども含みますので念のため。 「戦」が2022年を象徴する漢字になる、なんとも落ち着かない一年でしたが、おかげさまで、ギャラリー含めて今年も50を少し超えるぐらいで「展覧

          2022年 マイ・アートアカデミー賞!

          2021年のアカデミー賞的マイ・アート大賞の発表♪

          今年のアートイベントを振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある(笑)第3回目の2021年の結果はいかに?  対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。今年開催の企画展だけではなく、以前からある常設展なども含みますので念のため。今年もまだまだ気軽に出歩ける雰囲気ではありませんでしたが、ギャラリー含めて50を少し超えるぐらいで「展覧会」「アートイベント」「美術館」等々に顔を出してみました。勿論見逃し

          2021年のアカデミー賞的マイ・アート大賞の発表♪

          ビーチサイドの美術館1 神奈川県立近代美術館 葉山

          暑い夏! この時期のアート散策は迷うことなく、ビーチサイドの美術館がよろしい♪   ということで、神奈川県立近代美術館  葉山館  http://www.moma.pref.kanagawa.jp/ に行ってきました。 イサム・ノグチの《こけし》 がなんともいい味を出してお出迎え~。 後方に見える《石人》*オリジナルは6世紀前半の出土品ですと! と相まって、”近代”美術鑑賞をしっかりするぞ~というこちらの気合いを、ほんわかと和らげてくれます。 企画展は『空間の中のフォルム

          ビーチサイドの美術館1 神奈川県立近代美術館 葉山

          隙の無さか、余白のゆとりか? ~佐藤可士和と小村雪岱を観る

          アートかデザインか?  …こちら、永遠のテーマというぐらいに定義づけに諸説ございますが、個人的にはどっちだとしても好きなので、特に深く突き詰めていません。現美(東京都現代美術館)の石岡瑛子展も、単純に「おお、凄いねぇ~」と感動して見入ってしまいました。  ということで、先日は新美(国立新美術館)の佐藤可士和展に行ってきました。緊急事態宣言下ではありますが、予約していても入場待ちの列ができるほどの大人気。特に、昨今の美術館では珍しいほどに、若手(20代と思わしき)鑑賞者が多か

          隙の無さか、余白のゆとりか? ~佐藤可士和と小村雪岱を観る

          『透明な力たち』

          東京都現代美術館に行ってきました。『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』を観に。評判通り、なかなか心打つ内容で、会場内に流れる本人のインタビューに答える肉声が、特にズシリと心に刺さってくるという、耳からも響いてくる展示でした。 しかして、併設で開催している『透明な力たち』も、ついでに(と言ったら大変恐縮ですが)覗いてみようと立ち寄ったら、これがなんともインパクト大でした!  昨年より、「透明な(≒目に見えない)」ウィルスに世界中が大騒ぎになっている状況下、その辺を

          鑑賞する”視点”の違い…

          アート作品を鑑賞する際の”視点”には色々とありますが、今回は文字通り”視点”のお話。  風景画などを鑑賞していると典型なのですが、私たちの視点は、画面(作品)に対して概ね正対した立ち位置に固定した形でみることがほとんどです。展覧会などで、作品の前で立ち止まって鑑賞しているところをイメージしていただければ良いかと。そうすると大体はこんな感じに見えてきますね。 《乾草車》 ジョン・コンスタンブル 1821年 油彩・キャンバス 130.2×185.4㎝ ロンドン・ナショナルギャラ

          鑑賞する”視点”の違い…

          ”描き初め”についてのあれこれ

          新年あけましておめでとうございます。 昨年の目標だった、100日連続投稿は達成できたので、今年はじっくりゆったりペースで、アートに関わる話題を備忘録的にこちらnoteに残していきたいと思います(と、自分に勝手に宣言w) 一昨日、今年の丸の内プラチナ大学の先陣を切りまして、アートフルライフコースの皆さんと「描き初め」を実施しました。  グループ毎に、文字通り、新年に相応しい「お題」で絵を描くのですが、できた作品を持ち寄って物語(≒絵本)を協働して創作するというのがポイント。

          ”描き初め”についてのあれこれ

          暮れも押し迫ってきたのでクレー…

          年末に、寒くしてすみません(汗) 超現実世界のような一年だったせいか、この世のものとも思えない作品が心に残る一年でした。 先日観た横浜美術館での「トライアローグ」展。”語らう20世紀アート”として集められた作品たちが、現在進行形のようで、とても興味深かったです。中でもクレー! 自分としてはこれまでは「ふーん」という感じだったのですが、こちらの心境のせいか、印象が随分と変わりました。 《蛾の踊り》 パウル・クレー 1923年度 こちらの作品!  なんと”動いて”た(ように

          暮れも押し迫ってきたのでクレー…

          カウントダウン…

          いよいよ2020年も残すところ30分を切りました。 バンクシーが何かと話題になった今年ですが、何かかわいい感じではなく、不吉な感じのネズミさんイメージになっちゃいましたね…。伝染病の媒介者?? チューいするのも、も~う沢山! ということで、来年の丑年に期待ですね♪

          ここでは会議したくない??

          今年のアート鑑賞納めは、どうやらこちらに… 『H.R.GIGER×SORAYAMA』展 渋谷PARCO MUSEUM TOKYO 映画『エイリアン』の度肝を抜く(もはや古典になっているような…)世界観をデザインしたギーガーと、初代aiboのコンセプトデザインで有名な空山基(すみません今頃知りました…汗)の競演。 それほど広くない会場ですが、二人の作品を観ているうちに妙な気分に。無機質に感ずるはずであろう素材が、ぬるぬるとしたなまめかしい雰囲気をまとった生き物のように見えます

          ここでは会議したくない??

          ぐるぐると廻りましたぁ~

          昨日、60回目の誕生日を迎えて、ぐるっと人生一周いたしました…パチパチパチ(祝! 世間的に高齢者) 横浜に行ったのですが、くるくるしてるものや、年輪を感じるものに、ついつい関心が向きました。 左《FFIGURATI #323》2020年 / 右《無題》2020年 大山エンリコイサム 神奈川県民ホールギャラリーで開催している『大山エンリコイサム展 夜行雲』では、もうグルグルの作品が目白押し。*特設サイトはこちら と言っても、広い会場に数点作品が置いてあるだけ。スペース一杯の

          ぐるぐると廻りましたぁ~

          「図録」買うか買わないか…

           展覧会に行くと、ほぼ漏れなく「図録」」が売っていますが、買うか買わないかで結構迷っています。  以前は、迷うことなく購入でしたが、さすがに鑑賞の回数も多くなると、毎回購入という感じではなくなりました。その理由としては… ■その壱  ともかく図録は重くてでかい。持って帰るのも結構大変だし、何より保存しておくのが大変。スペースとりますから。 ■その弐  資料としては有効なのだけれど、読んでいても面白くない。大事な情報が詰まっているのはわかるけど、よほどのことがない限り、もう一

          「図録」買うか買わないか…