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「いい感じ」にはたらくな。憂鬱であれ。

最近、僕は苦悩しています。

スランプだとか、辞めたいとか、そういう感情とは全く違う感情。一言でいうと「憂鬱」なのです。

憂鬱な日々

僕は3日前に東証マザーズに上場した株式会社メドレーで採用の責任者をさせてもらっているのですが、売上も組織規模も急成長していく会社の採用担当というのは本当に重責だなと思うわけです。今年になって、特にそう感じます。

まず、会社の規模の成長が加速している、ないしはしていける状態で、個人が全員そのスピードについていけるわけがないのです。これは成長企業のいわば宿命です。つまり、その差分は新たな採用で補っていかないと、組織の成長ポテンシャルを生かせない。採用担当の怠慢は、すなわち組織成長のポテンシャルの消滅に直結します。それほどまでに、成長企業の採用担当の責任は重大です。

一方で、相談相手がまずいない。スタートアップフェーズを脱して、社会との関わり方が変わり、採用マーケットでの立ち位置も大きく変わりました。これまでのようなやり方はもはや通用せず、ともすれば誤った理解やブランディングにつながってしまう。過去の成功体験のようなものは捨て、新しいやり方を模索していく。

同じように組織フェーズやステージが変わりつつある会社で、同じような立場で、同じような責任を担い、同じ様に悩んでいる人は1人見つけるだけでも大変です。こうなってくると、自分で悶々と考えるしかない。理想的な前例を周りに見出せない中で、ヒントのかけらを部分部分でつなぎ合わせながら、パズルを組み立てるようにして、自分で何かを生み出すしかない。

いや、パズルを組み立てるようなイメージならまだいい。組み立てた先に描ける正解があると信じられるから。そもそも、パズルを組み立てた先にあるものすら、鮮明なイメージになっていない気がする。

もちろん、起業家や経営者の苦悩や憂鬱さに比べたら、きっと屁みたいなものなんだと思います。あくまで一執行役員レベルでの焦燥感にすぎないけど、一個人にとって憂鬱という感情は少なからず心地の良いものではないのです。

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上場時のfacebookの先ほどの投稿で、ぼくは

「正直に言うと、実は今向き合っている壁、超えたい壁のことで頭がいっぱいすぎて、感慨もほとんどないのがいつわりない率直な気持ちだったりします。」

と書きました。ポジショントークでもなんでもなく、これが今のストレートな感情です。

残念ながら、というのも変ですが、僕はあまりMではないと思います。物事を追求するのは好きだけど、根っからのマゾヒストではない。逆境を楽しむタイプでもない。そもそもそういう不安定というか、不確実な仕事であったり、アイデアで勝負するような仕事に取り組むことに苦手意識がありすぎて、会計士を目指したくらいなのです。

新たなことに取り組む時には他の人よりきっと臆病だし、慎重な方だと思います。だから、こういう時は、人一倍憂鬱になりやすくなる。でも新たなことに取り組まないという選択肢は、自分の中には存在しないのです。臆病だし慎重だし人一倍憂鬱だけど、でもどこまでも新たなチャレンジをし続けるのが自分の人生だと思う。

「いい感じにはたらく」とは

さて、「いい感じにはたらく」とは、どういうことなんでしょうかね。

前置きが少し長くなりましたが、今回は「いい感じにはたらくTips Advent Calendar 2019」の15日目を担当するブログです。

いい感じにはたらくTips。このテーマを考えるにあたって、「石の上には何年座れば良いのか?」というテーマが真っ先に浮かんできて、その話を書こうと思っていたのですが、そもそも最近憂鬱すぎて、このテーマを深く考える余裕すらなくなってしまいました。そのうち、憂鬱な気持ちと、いい感じにはたらく、ということとの関係性を考えてみようと思うに至りました。

憂鬱じゃなければ仕事じゃない

このタイトルは、ビジネスマンであれば一度は耳にしたことがあると思います。見城さんと藤田さんの書籍のタイトルですね。

僕はこの本を読んだ時、「この人たちはなんて生きづらい人生を生きているんだろう。さぞかし大変だろうな。毎日プレッシャーばかりでしんどそうな人生だな」と思ったことを思い返します。

憂鬱だ、という気持ちが強くなる昨今の中で、あらためてこの本を週末に読み直してみました。

「楽な仕事など、大した成果は得られない。憂鬱こそが、黄金を生む。」

というフレーズがあります。

この本を読んで、きっとこれまでの日本の、世界のベンチャーの偉大な仕事は、たくさんの人たちの憂鬱の産物だったんだろうとふと思ったのです。

このパズルのピースは、どんな完成形に向かうのか、そんなことすらイメージできないような暗闇でジャンプする。そういう人たちの賜物だったんだろうなと。

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「いい感じにはたらくTips」なんて、要らない。

あえてこういう言葉を投げかけて締めたいと思います。

僕も含め、僕たちはほとんどが凡人の集合体です。「いい感じにはたらく」という言葉を定義し切れていない状態でこれについて論じるのは違うだろう、というのはありつつも、あえてそこは浅い理解のまま進めます。

そもそも僕らは「いい感じにはたらく」ためのTipsを追い求める段階にないんじゃないかなと。仕事をしない、なら良いのですが、仕事をしてそれを人生の中心の一つに据えようという人なのであれば、それは自分なりに多かれ少なかれ憂鬱でないといけないんじゃないだろうか。

僕らはここにTipsなんて求める段階にはないんじゃないだろうか。どこか憂鬱な今の自分を肯定してあげたいという気持ちもあるんだと思いますが、このテーマに向き合う中で、そんなことを感じます。テーマそのものを疑うブログが、Advend Calendar の1/25くらいあってもいいかなという、そんなちょっとした投げかけであり、ちょっとした遊び心です。


いい感じにはたらくTipsなんて、今の僕らには要らない。

ただひたすらに、憂鬱であれ。

僕らはまだ、黄金を求める挑戦の途上にいる人間なのだから。

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