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1on1の空気をガラッと変える『刺す』問い

1on1ミーティングは、上司と部下が定期的に顔を合わせ、信頼関係を築く重要な場です。しかし、業務の忙しさに追われる中で、これらのミーティングがただの報告の場に終わってしまうことが多いのが現状です。この問題を解決する鍵となるのが、「本当はどうしたいの?」というシンプルかつ強力な問いかけです。この問いは、部下の深い内面にアクセスし、1on1ミーティングを革新的な対話の場へと変える力を持っています。

コーチングの基本理念

コーチングは、部下が自らの目標や価値観を明確にし、それに基づいた行動を取ることを支援するプロセスです​​。国際コーチング連盟(ICF)のコア・コンピテンシーは、コーチが効果的なコーチングを提供するために必要な知識、スキル、姿勢を示しています。コーチングの基本理念には、部下の自己発見と成長を促進することが含まれます。1on1ミーティングにおいてもコーチングのスキルを活用したいところです。

「本当は何したいの?」という問いの力

「本当はどうしたいの?」という問いは、部下の内なる動機や価値観を引き出す強力なツールです​​。この問いかけにより、部下は自身の真の望みを再認識し、それに基づいた具体的な行動計画を立てることができます。問いかけの結果、部下は自分の深層心理に触れ、より意味のある行動を取ることができるようになります。

どのようなタイミングで使うと効果的か

「本当はどうしたいの?」という問いを効果的に使うためのタイミングやシチュエーションを考えて見ましょう。使おうと思えばいつでも使えますが、特に効果的と考えられるシーンは以下の通りです。

  • 新しいプロジェクトの開始時: 部下が新しいプロジェクトを始める際に、この問いを投げかけることで、プロジェクトに対する内なる動機や目標、ゴールを明確にすることができます。

  • キャリアパスの見直し時: 定期的なキャリアディスカッションの中で、この問いを使うことで、部下が自身のキャリア目標を再確認し、具体的なアクションプランを立てる手助けができます。

  • 問題解決のためのブレインストーミング時: 困難な課題に直面しているとき、この問いを通じて、部下が真に解決したい問題の核心に迫ることができます。

  • モチベーションが低下しているとき: 部下のモチベーションが低下している場合、この問いを使って、内面的な動機を引き出し、再び活力を取り戻すきっかけを作ることができます。

上司と部下の具体的なやりとりの例

以下は、「本当はどうしたいの?」という問いを使った1on1ミーティングの具体的な例です。

上司: 「最近のプロジェクトについて、どんな感じですか?」

部下: 「順調に進んでいますが、なんとなく満足していない部分があります。」

上司: 「そうですか。具体的にどの部分に満足していないと感じますか?」

部下: 「プロジェクトは進んではいるのですが、どうもしっくりこなくて、、」

上司: 「それは大事なポイントですね。本当はどうしたいのですか?」

部下: 「実は、もっとクリエイティブな仕事に取り組みたいんです。新しいアイデアを考え出して、それを実現するプロジェクトに携わりたいです。」

上司: 「素晴らしいですね。その目標を達成するために、どんなステップを踏むと良いと思いますか?」

部下: 「まずは、現在のプロジェクトで少しずつ新しいアイデアを取り入れてみたいです。そして、クリエイティブなプロジェクトに関するトレーニングやワークショップに参加してスキルを磨きたいです。」

上司: 「良いですね。その計画をサポートするために、私ができることは何かありますか?」

部下: 「新しいアイデアを試す時間を少し確保していただけると助かります。また、トレーニングに参加するためのリソースや機会を探していただけると嬉しいです。」

上司: 「もちろんです。それでは、次回のミーティングまでにその計画を少し具体化してみましょう。」

このように、「本当は何したいの?」という問いは、部下の内なる思いを引き出し、具体的な行動計画に繋げる強力なツールです。

最後に

「本当はどうしたいの?」という問いを1on1ミーティングに取り入れることで、対話の質が向上し、部下の内なる力を引き出すことができます。コーチング視点を持つことは、上司としての重要なスキルであり、持続的な成長を支援する強力なツールです。今後もこのアプローチを続け、組織全体の成長をサポートしていきましょう。


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