DXによって仕事が大変になる?
最近、DXという言葉をよく聞きます。私の会社でも重要実施事項という位置づけです。もしかしたら今聞くというのは完全に周回遅れなのかもしれません。
DXの目的は何でしょうか。きっと一言では言えない様々な側面があると思いますが、私の会社では「効率化」となっています。
効率化の意味するところは、要は費用削減です。ですのであらゆる施策の出口として、人員削減であったり、予算削減といったものが求められます。
もちろん、仕事が少なくなってアウトプットが同じならそんないいことはないですし、スピードが上がって競争力も上がるでしょう。そこは大事にしたいところですが、見ていて問題だと思うのは、DX化に関わる人が少なく、大半の人は待っていたらDX化されると思っている、ということです。
そして、そう思っている人は、「自分の仕事が楽になる」と思っているように感じます。今自分がやっている煩雑な作業をツールが代わってくれるから楽になるだろう、データを共有するのもすぐ出来て楽になるだろう、等。
それも間違っていないと思うのですが、問題は「楽になった先の話」です。自分の作業が楽になって半分になったり、場合によっては無くなったとしましょう。では、その先に自分は何をするのか。
私は、DX化すると、より人間がするべき判断が高度化し、責任も重くなり、より大変になると思っています。
今までは仕事の時間の大半が作業でした。ですから、データが出てきたところまでで成果と思ってもらえたでしょう。作業を正確にやれば評価もされたでしょう。場合によっては、夜遅くまで残業して作業しただけでも「頑張った」といって評価されたでしょう。
しかしこれからはそれ自体の価値がなくなります。
データがあるのは当たり前。必要な情報はいつでも集められる。問題は「判断するにはどんな情報が必要か」を判断できる能力です。
今までは、限られた情報で判断しなければいけなかったので、その情報を触っているだけでよかった。それ以上の判断材料を探すことを求められていなかった。
これからは、なぜその情報を使っているかを説明できなければいけません。頭を使う必要が出てきます。「作業」を業務と思っているから、DXによって楽になると思ってしまうのだと思います。
DXによってできることが広がります。だから、その中から必要な情報を必要だという論拠を持てることが大事になると思っています。
間違いなく、仕事は大変になります。
DXと言っても幅は広いでしょう。でも、私はそれによって自分ができることをより広げていかねばいけないと思って向き合っていきたいと思います。
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