見出し画像

共感力のあるチームを作りたい#3〜いい職場の価値観、押し付けてませんか?

私が受け持っている課の組織力と個人能力の向上のために、今、「共感力を上げる」というキーワードで課の中の会話をしています。

今まで2回、記事を書かせていただいています。

前回分です。

チームとして力を上げていくために「共感力」を上げたい。そのために、話し合うときは、一人一人が「メンバーに共感させる」と思う前に、「メンバーが話していることに共感する努力をしよう」と伝えました。

私の会社で、年2回、職場満足度アンケートが実施され、先日その結果が出てきましたので、その振り返りを通じて、お互いの考えを話すこと、それに共感する努力をすること、を始めました。

今回は、その話し合いの中での気づきを共有します。

先ほど述べた職場満足度アンケートは、会社、職場、上司、自分自身と、様々な切り口で質問が設定され、それに対して「そう思う~そう思わない」の5段階で評価することでスコア化されます。

基本的には「そう思う」という答えがポジティブに評価されますので、「そう思う」の数がその職場の「満足度スコア」になるわけです。

そこで私の職場がどうだったかというと、非常にスコアが低かったわけです。「低い」と言ってもどういう基準でそういっているかと言いますと、二つの目線があります。

一つ目は、「そう思う」というポジティブな回答の割合です。これが半数を下回っている、というのが結果でした。
二つ目は、全社の平均に対して上か下か、です。私の職場は全社平均を大きく下回っていたということになります。

今回、私の課で話し合いをする際に、このアンケートの中でスコアの低い質問について話すことにしました。
質問によって、ポジティブな回答の多いもの、少ないものが当然あります。
ネガティブなものばかり話すのがいいのだろうかと悩みましたが、ネガティブなもののほうが課題意識が高いだろうと思ってそうすることにしました。

今回は、職場に対する愚痴を聞くのが目的ではありません。
「各メンバーの考えを聞く」のが目的
です。
そう思ったときに、ネガティブな回答が多いほうが、「自分の理想」とのギャップがあるということですから、その理想を話してもらうことで、考えが見えてくるのでは、と考えました。
もちろん理想と違えば愚痴っぽくなりがちです。ここは「愚痴ではなく、自分の意見をお互い知ることが目的」と念押ししたうえで話し合いをスタートしました。

そもそも質問と価値観が違った

先に述べたとおり、ポジティブな回答の比率が低いものについて、今回話し合いをしました。具体的にどのような質問だったかというと、以下のようなものです。

・私の職場では情報がしっかりと共有されている。

皆さん、この質問を見たときに、「理想的な状態」はどういう状態だと考えますか?

職場満足度アンケートでは、この質問に対し、「そう思う=共有されている」という回答がポジティブな回答とされます。つまり「満足している」とされているということです。

以上の前提に立つと、話し合う際にメンバーにはどのように質問するでしょうか。

「どんな情報の共有が必要でしょうか」とか、
「どのような情報が不足していますか」

といった感じでしょうか。
かくいう私も同じ質問をしました。

そうしたらちょっと予測していなかった答えが返ってきました。
それは、

「共有と言って情報を話されても、意味が分からないし、そこまで理解しなければいけないとも思っていない」

ということでした。

なるほど。
確かに。そもそも、よく考えると、この職場満足度アンケートは係長以下が答えるものです。課長以上は対象ではありません。
そのアンケートにおいて、「情報が共有されている」という言葉が意味しているのは「職制が情報を展開している」という意味にとられています。

もちろんいろいろな解釈があるとは思いますが、少なくとも私の職場では大多数がそのように解釈しています。

そして、「共有されているほうがいい」という前提のアンケートですから、それは上位職制のほうが情報を持っていて、かつそれは全員に有用であり、情報を展開することそのものが大事、という価値観が前提になっているということです。

しかし、今回出た意見は、「情報を一方的に共有されても意味がない」というものです。

情報というのは持っていること、知っていることそのものには価値はなく、活用してこそ意味があるものです。
それにもかかわらず、「情報が共有されていればいい職場」という前提で聞かれても、そもそもその情報をどう活かしてアクションするのか、が定義されないと意味がないというものです。

今回の話し合いで、上記の意見と同時に、以下のような意見ももらいました。

「”共有されている”、ではなく、”共有し、課題解決に向けて活動している”ならわかるんだけど」

結局、組織として動いて結果を出すことが価値である、ということは皆わかっています。
しかし、「上位職制や会社の目線で、情報を展開していればOK」という前提で聞かれていて皆がっかりしていました
「上位職制の目線だけでなく、メンバーの目線だけでなく、全員の目線でどうあるべきか」を考えなければいけない、ということに気づかされました。

今、どうにかして自分のチームや職場を良くしていきたい、と思っている方は多いと思います。
しかし、知らず知らずのうちに”上から目線”で価値観を決めつけていることがあるかもしれません
今回の話し合いで気づかされました。改めて冷静にわが身を振り返ってみたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?