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想像


旅に行っていない今だからこそ、旅に出るってなんだろうと考える時間が増えた。

ライブに行っていない今だからこそ、YouTubeでライブ動画を見て音楽を聴くだけでなく、直接ライブに行って音楽を聴くのだろうと考える時間が増えた。

大切なことはいつだって、止まらないと気づけなかったりする。


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生まれた頃からネットワークがある。見たいものあればネットに接続し、たった数秒で見ることができる。そんな世界を渡り歩いている。

おそらくこの「ネット」というものは後退することなく、どんどん進化していくのだろう。時にネットの面倒ごとに悩まされながらも、結局、「ネットがないと生きていけない」とぼさくばかりだ。

デジタルネイティヴ世代のほとんどが、携帯電話のない世界を想像できない。平面的な画ばかり見ていると、想像力を奪われる。実際に受ける環境に置かれないと、あたかも自分には関係ないとそっぽ向く。そんな欠陥すらも気付いていない愚かな人をポツポツ見る。

冒頭の疑問に戻る。

なぜ旅に出るのか。私のようなデジタルネイティヴ野郎が、なぜ生モノを見なければならないのか。

それは、旅には奥行きがあるからだ。

音楽ライブもそうだ。奥行きがある。

生モノの情報には、スケール感、空気感、質感、匂い、音量、質量、色味、味覚など、からだ中を刺激する情報が膨大にある。それらの視点が人間の感受性をたがやし、感情の振り幅を大きくする。視点の数を増やせば増やすほど、想像力が豊かになる。

想像力が豊かになることで、はじめて人格がカタチになる。

優れた人というのは、想像力が豊かな人だと定義する。一方的な意見しか述べない人、自分が正しいと思い込んでいる人、既存の方向性しか信じない人、自分の都合どおりに進める人、ズルをする人、暴力でしか快楽を覚えない人、だいたいこういった人が想像力の欠けた人だ。

私たちは誰かと、なにかと、共存して生きている。ネットの世界を生きるなら尚更だ。想像力が欠けてどうするんだ。


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画面で満足するな。鍵を掛けたアカウントや匿名のアカウントで隠れるな。嫌いな人がいるなら直接会って戦え。会って戦えないのなら旅に出ろ。自分の小ささを知らずに成功者と戦おうとするな。

その逆も申す。画面で感動するな。その奥行きを知れ。

ネットで綺麗な景色に出会ったら直接その場所に行け。繰り返し聴く音楽に出会ったら生演奏を聴きに行け。文章を読むことが好きなら文章を書け。普段使っているプロダクトが気になれば自分も作ってしまえ。無理ならしっかり想像しろ。想像ができないなら旅に出ろ。

視点を増やせ。視点を増やすと、自分の小ささを知る。弱小な自分を知るから人は学ぶ意欲が出てくる。


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海外へ行くことも立派な旅だが、近所の公園も、夏に行く海辺も、お気に入りの店主がいるカフェも、実は立派な旅だ。

大事なのは行き先で何を観察するか。オーロラも立派だが、公園の草木や潮風の匂い、店主の声色や着ている服のブランド、店舗ファサード、レイアウト、料理の器、照明、BGM、小さな旅でもこれだけ見所がある。見所を知るだけで視点が増え、のちに想像力が豊かになる。

小さな旅からはじめよう。想像力が豊かになれば、人は幸せになれる。



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